“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「開かれたパンドラの箱」(今井眞一郎著/朝日新聞出版)

2021-07-29 09:56:09 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:開かれたパンドラの箱~老化・寿命研究の最前線~

著者:今井眞一郎

構成:瀬川茂子

発行:朝日新聞出版

 老化・寿命のメカニズムはどこまで解明されたのか。世界の最先端で研究を牽引する著者が何に着目し、どう研究を進めてきたか、実証的に記す。話題のNMNをはじめ、世界で開発が進む抗老化法はどこまで検証されてきたのか。わかりやすく紹介する。
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●科学技術ニュース●鹿島建設と沖電気、階段利用を促進する行動変容アプリの効果を実証

2021-07-29 09:55:39 |    情報工学
 鹿島建設と沖電気工業は、オフィスワーカーの健康意識向上を目的として、鹿島のオフィスビルのワーカーを対象に、スマートフォンアプリを使用して健康行動を促す行動変容サービスの実証実験を行った。

 同サービスは、適切なタイミングでメッセージを通知することで、ワーカーがエレベータ(EV)の利用を減らし階段の利用を増やす健康行動を、自発的に選択するよう促すもの。

 実験の結果、アプリ使用後に階段利用者が約40%増加するなど、同アプリの効果が確認された。

 同サービスは、建物内の階段・通路・EVホールに設置したセンサーやカメラから、ワーカーの行動情報をクラウドに収集し、階段利用などの健康行動を誘発するメッセージをスマートフォンに通知するもの。

 スマートフォンに内蔵している加速度センサーや気圧センサーから、ワーカーの歩数や階段利用数などのアクティビティを検知し行動情報と連動することで、長時間のデスクワーク後に階段利用を促すなど、適切なタイミングで行動誘発メッセージを通知。

 ワーカーが階段を利用するモチベーションの向上や、継続した階段の利用につなげるための仕掛け(階段利用数・歩数情報の表示、利用数・歩数に応じたスタンプ付与による目標達成の見える化など)をアプリに実装。

 EVに設置したカメラから混雑情報を収集し、状況にあわせて階段利用を促すメッセージを通知することで、EVの混雑回避にも寄与。

 今後、同サービスを積極的に提案することで、ワーカーの健康性や快適性に配慮したスマートビルを構築し、建物の付加価値向上につなげていく。
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●科学技術ニュース●九州大学と京都大学、光照射を用いた超高解像度な遺伝子解析技術の開発に成功

2021-07-29 09:54:53 |    生物・医学
 科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業において、九州大学 生体防御医学研究所の大川 恭行 教授と京都大学大学院 医学研究科の沖 真弥 特定准教授らの研究グループは、光単離化学(Photo-Isolation Chemistry=PIC)という技術を開発し、非常に小さな細胞集団や細胞の中の微小構造体で機能する遺伝子を光照射により検出することに成功した。

 ヒトやその他の多細胞生物は少なくとも100種類以上の細胞タイプから構成され、空間的な配置や場所によってさらに細分化された機能や特性を持つことが知られている。一方で、これらの細胞を臓器や組織から取り出すと本来の特性を失うため、組織を破壊することなく特定の細胞のみを解析する必要があるが、従来の手法では不可能とされてきた。

 同研究グループは、半導体製造工程の光による超微細加工技術をヒントに、光を照射したエリアからのみ、遺伝子の発現情報を取り出す(=単離する)技術を開発した。

 PICと名付けられたこの技術により、脳のさまざまな領域に光を照射して、領域ごとに働きが異なる遺伝子のみを検出することに成功した。

 さらにマウス胎児の非常に小さな細胞集団や、従来不可能であった細胞内の1000分の1ミリ以下の微小構造体からも遺伝子を網羅的に検出することができた。

 空間オミクスと呼ばれる研究分野の成果である同技術分野は、現在、国際的な開発競争が激化している。こうした技術の多くは、利用に高額の費用を要するが、PICは既存の遺伝子解析手法にたった数百円追加するだけで実施できるため、国際的な普及が見込まれる日本発の独自技術。

 今後、この技術によってがんやCOVID-19による炎症など、正常と異常な細胞が入り混じった臨床組織の病理診断への応用が加速すると期待される。(科学技術振興機構<JST>)
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「<50音順>一日の会話で使う動詞のすべてを英語にしてみる[音声DL付]」(曽根田憲三著/ベレ出版)

2021-07-29 09:54:03 |    語学



<新刊情報>



書名:<50音順>一日の会話で使う動詞のすべてを英語にしてみる[音声DL付]

著者:曽根田憲三

発行:ベレ出版

 人、モノ、場所を表わす名詞は大切だが、意思の疎通を図るためには、どうするのか、どう思っているの、どうなっているのかを伝えるための「動詞」が必要。同書では、日常会話の中で頻繁に使われている、基本的な日本語の動詞を50音順に並べ、会話でよく使われる表現と一緒に紹介する。よくある「英語の動詞の使い方」から学ぶのではなく、ふだん、私たちが話している会話の中の日本語の動詞に焦点をあてている。日本語を英語に変換することは英語学習にとても効果的。「会う」でseeとmeetの違いがわかり、「合う」で「似合う」はsuit、サイズが「合う」はfitなど、違いと使い分けを理解しながら覚えていくことができる。
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