“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「仕事の未来」(小林雅一著/講談社)

2020-07-15 09:35:33 |    人工知能(AI)

 

<新刊情報>

 

書名:仕事の未来~「ジョブ・オートメーション」の罠と「ギグ・エコノミー」の現実~

著者:小林雅一

発行:講談社(講談社現代新書)

 新型コロナウイルスのパンデミックに伴い、グーグルやアップル、フェイスブックなど巨大IT企業が、得意のクラウド業務システムを自社活用して、従業員にテレワーク(在宅勤務)を呼びかけた。にもかかわらず、その試みが必ずしもうまくいっていないのはなぜか?グーグルとアマゾンという、世界をリードする2大企業はなぜAIを駆使した「仕事自動化」より、精神的・人間的な要素を重要視しているのか?・・・・・いま世界各国で増えている新たな職業、アメリカで自動運転車が憎まれている理由、医療に応用される「ワトソン」の限界とは?世界的な景気後退と雇用不安が危惧される中、「これから起こること」とは?はたして、AIが切り開く未来は、本当に私たちを「幸せ」にするのだろうか?・・・・・AIやロボットが人間の労働者に置き換わるのではなく、両者が共存共栄を図るにはどうしたらいいか。人と高度技術の関係が今ほど問われる時代はかつてなかったであろう。それを考える一助になることを願って、この本は書かれた。同書はまた、ここ数年で急激に盛り上がったAIブームの後日談、ないしは冷静な評価・総括でもある。

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●科学技術ニュース●NEDOとシャープ、世界最高水準の高効率な太陽電池セルを活用し、電気自動車用太陽電池パネルを製作

2020-07-15 09:35:07 |    輸送機器工学

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とシャープは、NEDO事業で開発した世界最高水準の高効率な太陽電池モジュール(変換効率31.17%)と同等のセルを活用し、電気自動車用太陽電池パネルを製作した。同パネルは、1kWを超える定格発電電力を達成し、走行距離や走行時刻などの利用パターン次第では、年間の外部電源からの充電回数をゼロにできると試算している。

 今後は、航続距離や充電回数などを評価し、車載用太陽電池の普及活動に生かすとともに、太陽電池の新規市場創出とエネルギー・環境問題解決を目指す。

 シャープはこのたび、移動体への太陽電池搭載の可能性を検証するため、日産自動車の協力の下、III-V化合物高効率太陽電池モジュール(変換効率31.17%)と同等のセルを活用して、電気自動車(EV)用太陽電池パネルを製作した。

 同セルは約0.03mmの薄いフィルム状であり、車体の曲面形状に沿って効率よく搭載できることから、1kWを超える約1,150Wの定格発電電力を実現した。

 同パネルは、公道走行用実証車(実証EV)として、日産自動車のEV「e-NV200」に搭載されている。

 今後、NEDOは、同実証EVの実証結果のほか、2019年7月からトヨタ自動車が実施した、シャープ製の太陽電池パネルを搭載したプラグインハイブリッド実証車(実証PHV)による公道走行実証のデータと併せて、IEA PVPS task17などの国際的な調査活動に生かす。さらに、NEDOは新規事業として、車載用III-V化合物太陽電池の実用化に向け、さらなる高効率化とコストダウンを推進し、太陽電池の新規市場創出とエネルギー・環境問題解決を目指す。(新エネルギー・産業技術総合開発機構<NEDO>)

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「エンジニアのためのリスクマネジメント入門」(田邉一盛著/技術評論社)

2020-07-15 09:34:39 |    企業経営

 

<新刊情報>

 

書名:エンジニアのためのリスクマネジメント入門

著者:田邉一盛

発行:技術評論社

 伝統的なリスクマネジメントは、すでに体系化された分野と言える。しかし、FinTechやIoTの普及により多様化する複雑な事業には、これまで大企業で培われた画一的なリスクマネジメントでは限界がある。このような状況の中、ITベンチャーなど企業の規模を問わず、多くの企業でリスクマネジメント資格や知識を持つエンジニアの採用ニーズが高まっている。同書では、リスクマネジメントの基礎的な説明にとどまらず、ITに関連した具体的なトラブル事例からも学べる構成になっている。リスクマネジメントを学びたい、仕事にしてみたい方にお勧め。

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