“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ざっくりわかるトポロジー」(名倉真紀、今野紀雄著/SBクリエイティブ)

2018-03-27 10:24:05 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:ざっくりわかるトポロジー

著者:名倉真紀、今野紀雄

発行:SBクリエイティブ(Si新書)

 「トポロジー」は「やわらかい幾何学」「ゴムの幾何学」ともいわれ、「連続性」が重要視される数学の一分野。ユークリッド幾何学では別のものとする「球」「正四面体」「立方体」などを同じ物とみなし、「形」にとらわれず物体がもっている本質を見きわめようとする。逆に「穴の有無」「穴の数」などには厳密にこだわり、たとえば球とドーナツは違うものとみなす。球は穴がなく、ドーナツは穴があるからである。ちなみにドーナツとコーヒーカップはどちらも穴が1つ開いているので同じ物とみなす。同書ではこのような「トポロジー」を図解でざっくり解説。

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★科学技術ニュース★KEK、大型加速器「スーパーKEKB」を本格稼働

2018-03-27 10:23:44 |    物理

 高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、機構内にある大型加速器「スーパーKEKB」を本格稼働させ、4月にも誕生直後の宇宙を模した環境をつくる実験を開始する予定。これにより宇宙の成り立ちの解明を目指す国内最大級の大型加速器の実験成果に期待が寄せられている。

 スーパーKEKBは、地下10mにある1周3Kの日本最大の大型円形加速器。2010年まで運転を続けた前身のKEKBを大幅に性能向上させるために同年から高度化改造し、16年春にはほぼ完成。17年4月に素粒子が崩壊する様子を捉えることができる「ベルⅡ」測定器が設置された。

 素粒子の一種の「電子」と電子の反物質である「陽電子」が真空パイプの中で加速されて衝突する頻度を、従来の加速器「KEKB」の約40倍高め、衝突速度はほぼ光の速さまで加速できるようになった。

 同研究機構によると、加速器の1周3Kに及ぶパイプに電子ビームの入射を開始し、光速近くまで加速したビームが安定して周回する状態となり、本格稼働したことを確かめたという。

 宇宙が誕生した直後は宇宙空間の「物質」と、それらの物質と電気的な性質が逆の「反物質」が同じ数存在したと考えられている。しかしその後なぜ反物質は減り、物質だけが残ったかは、宇宙物理学の大きな謎となっている。KEKBは2008年のノーベル物理学賞を受賞した小林誠、益川敏英両氏の理論が正しいことを実証する実験に用いられた。

 スーパーKEKBを使った研究には日本を含む世界20カ国以上の700人以上の研究者が参加する予定。

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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「ナノスケール・トランジスタの物理」(名取研二著/朝倉書店)

2018-03-27 10:23:22 | ●科学技術書・理工学書 <新刊情報>(2018年5月4日以前)●

 

<新刊情報>

 

書名:ナノスケール・トランジスタの物理

著者:名取研二

発行:朝倉書店(朝倉電気電子工学大系 4) 
 
 黎明期以降のトランジスタの発展、すなわち集積回路の高集積化に対応する極微スケールでの動作機構や物理を解説。<内容>半導体のキャリヤ輸送/解析/古典的なMOSFET/バリスティックなMOSFET/微細系のキャパシタンス/ほか。

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