イスラム文化に育った人が、自分の文化が真実と信じて日本の町でコーランを読む声を大きな音で響き渡らせたら日本の人々は怒るでしょう。町の人々に配慮がない人は町から出ていけということになるでしょう。イスラム文化が真実と思えても日本の町では日本の文化に配慮しなければなりません。
文化とは真実、虚偽と論じるものではなく、その社会の様相です。変化の過程にある様相です。絶対ではありません。
イスラム文化に限りません。日本の宗教団体の中には変わった団体があって、鳴り物入りでお経を読むうるさい信者がいます。町の人々に配慮がないとやはり厳しいクレームを受けるでしょう。聞き分けがないと、訴訟をおこされるでしょう。
国の地方が少数民族の割合が多い場合は、民族統治がうまく行かなくて内紛の原因になります。トルコの東南の山地はクルディスタンと呼ばれ、クルド人が多く住んでいます。クルド人の文化はトルコ人の文化とは異なり、クルド人はトルコにはなじまないようです。トルコの政治がクルド文化を包容する高いレベルの政治ならば問題は比較的小さいと思いますが、包容力はそれほど大きくないようです。クルディスタンには反トルコ武装組織ができてしまい、内紛が続いています。
このクルド族に対し、スウェーデンやフィンランドは同情的ということで、この2国がNATOに加盟することにトルコが大反対しています。
政治民族分離が未来的ですが、まだまだ政治が未熟で、混合民族に対応できない国が多く、一つの国の中で民族の衝突が社会不安の原因になっている国が非常の多いのが現状です。
日本の場合は、中国系、韓国系、ブラジル系などの異文化民族の人が町に増え、日本人が住みにくいと思う町があるようですが、まだ大きな問題になっていません。行政は、大きな問題にならないように対策を講じているようですが、大きな問題になる恐れはあります。