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東野御殿跡(お茶屋御殿跡)絵図

2015年11月07日 | 伊予松山歴史散策
東野御殿跡(東野お茶屋跡・東山御殿跡)は愛媛県指定記念物(史跡)として昭和36年3月30日に指定を受けた。
東野御殿跡は、松平松山藩初代藩主定行は、(徳川家康の弟の子供)隠居として、寛文元年(1661)年に裏千家千宗案の設計のもとに、3か年をかけて完成した。広壮な庭園で、建物には東野御殿の別称があった。記録によると、周囲1里あまりを竹垣で囲み、北門を入ると東西に馬場があった。御殿の西には壮大な池泉があり「風呂のお茶屋」「竹のお茶屋」「傘のお茶屋」「イロハのお茶屋」等の草庵や安心堂などの小堂が配されていた。御殿は建築から20年後に、また、「竹のお茶屋」など僅かに残された建物も明治初年には取りはらわれた。
現在は、池の北に「竹のお茶屋」跡、東に「観音堂」が残されている。それに池の西南端から吟松庵(弟定政の隠居所)に通じていた。東海道53次を模した宿駅は開墾で破壊されたが、周囲の竹林に昔の面影を僅かに偲ぶことが出来る。
この度、最盛期の東野御殿跡(東野お茶屋跡)の絵図が手に入ったのでそれを元に訪ねてみる事にした。
今回東野御殿跡を散策してみて思ったことは、菅原道真公を祖とする15万石の城主大大名となった久松、松平定行は、菅原道真公を祀る八幡宮神社を何故創建しなかったのか?
道真の長男、高規(たかのり)、その子、雅(まさ)規(のり)の幼名が久松丸であった。雅規の後、14代目の定道(さだみち)が、菅原姓を捨てて久松姓を名乗り、これが久松姓の起こりであるのに。・・こんな事を考えながら歩いた。


珍しい東野お茶屋の絵図が見つかった。
絵図の説明を見ると広大な敷地に創られていた事が判明する。


このカーラーの絵図は東野四丁目にある東山神社に掲示してある絵図でこの方が分かりやすい。


東山神社に掲示してある絵図を部分的に切り取ってみた。
東海道53次を模した宿駅があったと言う事で。池は琵琶湖を模して作ったとか。


現在は東野御殿跡の一部が残るのみ。


淡路ヶ峠から見た東野御殿跡。


東野御殿跡にある観音堂。


竹のお茶屋跡、往時を偲ぶ石が少し残っている。


東野御殿跡には画像の様な散策道がある。


東野お茶屋の絵図には神社が三ヶ所描かれていて、神社は今も整備され残っていた。画像の神社は、東野御殿の南にある桑原神社で、昭和46年近くにあった三島神社を合否し桑原神社・三島神社となっている。三島神社は桑原神社の本殿改修に着き手放し現在は宅地になっている。


大きな両神社の社号碑。


東野御殿の直ぐ北にある東山神社。


東山神社境内にある小さな別宮、初代松平定行をお祀りした勝山(しょうざん)神社があります。現在も10月18日お祭りが行われています。


東野御殿の北に当たる方角に「山(さん)神(じん)社」があります。大山咋(おおやまくいの)神(かみ)を祀る神社で、元は、山王(さんおう)権現と言いおり、山王さんと呼ばれていた。比叡山に祭られている、日吉(ひえ)山王(さんのう)に関わる神社。東野御殿の絵図には、山王(さんおう)権現が書かれており、地区のお年寄りに聞いても山王(さんおう)権現は知らないと答えは返って来る。桑原公民館東野文館に居られた方に伺うと「桑原郷土誌」を見せて貰った。すると山神社は、元は山王権現と呼ばれていたと記載されておりやっと判明した。郷土の歴史を辿るには神社仏閣が歴史の源である。


山神社(山王権現)境内には、昭和41年4月17日、昭和天皇・皇后陛下御手植えの松があった。昭和41年4月17日松山で植樹祭が開催された時に愛媛県立果樹試験場を視察された時に山神社に参られて植樹した松である。
昭和天皇は何故か松山に良く来られている。最初は、大正11年11月15日、松山で行われた軍の大演習の観閲のため大正天皇の名代として(摂政宮)来られ、戦後は、全国を行幸され昭和25年、昭和28年松山で開会式があった国民体育大会四国大会、昭和41年植樹祭と来られている。


松平定行の弟、定政の隠居所があったと言われる吟松庵付近の住宅地図。
当時の名残は、地名として残っていた。
地元の特に若い人達は地名の由来を知らない。


吟松庵付近は現在住宅街となっていて定行時代の面影は何もない。
伊予松山藩は親藩で維新を迎え、その上朝敵とされ制裁金15万両を明治新政府に上納命が下され、その金策に大変苦労した。
もし親藩でなく、外様であったなら東野御殿は縮小して残っていたかも?庭園として・・伊予松山藩には残念ながら庭園が無いのである。高松藩12万石には、栗林公園があり、宇和島藩7万石にも天赦園がる。

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