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俳句の町松山の句碑巡り 18 村上霽月

2013年11月07日 | 伊予松山歴史散策

画像は、村上霽月邸跡。

この所毎日自転車で句碑めぐりをしている。昨日は三津地区を散策。
本日は、垣生地区を散策した。時より降雨があり雨宿りをしながらの句碑散策、帰りは城北の、御幸一丁目にある足立重信の墓所まで足を伸ばした。
さて、本日は村上霽月である。
村上霽月は、愛媛県伊予郡西垣生(現・松山市西垣生町)に明治2年(1869)8月9日生まれる。父・久太郎、母・ナヲの長男で、本名半太郎。祖父の時代産をなした家である。松山中学より、明治20年、第一高等中学校に入学したが、家庭の事情で明治24年退学、父の興した今出絣株式会社社長に就任、この年11月頃より句作を始める。明治26年より新聞「日本」に投句を始め、4月、大阪で「蕪村句集」上巻を入手、子規よりも早く蕪村を知り心酔する。明治28年9月より愚陀佛庵にいた子規との交際が深くなり、10月7日、子規は今出霽月邸を訪う。明治29年3月1日には、漱石と虚子が霽月を訪ね、三人で「神仙体」と称する句を作り、東京の「めさまし草」巻3に載せる。その後子規との交わりは、明治28年11月、上京中に根岸の子規庵を二度訪ねるがその後伺ってない。明治30年、松山で「ホトトギス」発刊に当たって創刊号より投句、一時期その選者も務めたが、大正4年から東洋城の「渋柿」に参加する。
村上霽月は、本来経済人で、伊予農業銀行頭取、今出産業信用組合長、県信用組合連合会長、県信用購買利用組合連合会長、愛媛銀行頭取などの要職を務め、その傍ら句作に励んだが、昭和20年、産業組合事業の第一線より引退した。松山市南堀端の農協会館入口には、村上霽月胸像がある。
昭和8年に霽月句集三巻、昭和53年11月、霽月句文集(青葉図書)が出版された。
昭和21年2月5日、逝去、78歳であった。


村上霽月邸にある、村上半太郎翁頌徳碑。
揮毫者は、全国農業協同組合中央会会長 荷見 安・・立派な石碑である。


俳句の里松山、市内散策城西地区にある句碑。
松山市西垣生町、三嶋神社にある。
句は「初暦好日三百六十五」碑の裏面に今出吟社とある、明治40年頃、地区の俳人で霽月に師事するものが作った結社で、師を崇拝することの深かった三由淡紅がその中心となって月例会を開いていた。この句碑は、その人々が霽月三回忌の祥月に建立した報恩の句碑で、碑には、その人々の俳号と、淡紅はじめ、10名が刻まれている。句の文字は、霽月の自筆。


俳句の里松山、市内散策城西地区にある句碑。
松山市西垣生町、三嶋神社にある。
句は「酔眼に天地麗ら麗らかな」
地元有志が昭和39年4月20日建立した。霽月自筆である。


俳句の里松山、市内散策城西地区にある句碑。
松山市西垣生町、鍵谷カナの頌項堂の前にある。
句は「朝鵙ニ鵙ニかすり織りすすむ」碑の文字は、霽月自筆。句の右側に「報恩謝徳」が揮毫されている。この報恩謝徳は、頌項堂に祀られた「鍵谷カナ」の「伊予絣を創始した御恩に報いありがたく思うの意を表し、鍵谷カナ嫗の御恩に報いるため、自分たちも、休まず努力し励む」ことを誓うことを述べたものであると。・・ある。
鍵谷カナは、天明2年(1782)元治1年(1864)で、伊予絣の創始者で、伊予絣は「伊予節」に唄いこまれている松山の特産品として全国に知られている。


村上霽月の墓所、長楽寺にある霽月の石碑。


松山市立垣生中学校にある霽月の句碑。
句は「第一峰に立てば炎天なかりけり」


足立重信の墓所で、所在地は、松山市御幸一丁目来迎寺
重信は、美濃国の生まれで、若い頃より加藤嘉明に小姓として仕えた。
重信は、松山城築城に際して南麓を流れる湯山川(現在の石手川)の流路を変更して伊豫川(現重信川)と合流させ、城の外堀として活用する等、堅固な築堤と水制工事、城下開発に卓越した手腕を見せた。その後も松山城の城郭や堀割などの構築に尽力し、伊予松山藩の初期土木行政に活躍し、その後筆頭家老として活躍したが、松山城の完成を待たず死去した。生前望んだ松山城下を見渡せる愛媛県松山市の山越来迎寺に葬られた。


足立重信の墓所に二つの灯篭がある。右に内藤鳴雪の句が刻まれていて、左に、村上霽月の句が刻まれている。
句は「寶川伊豫川の秋の出水哉」・・寶川は、現在の石手川、伊豫川は現在の重信川の古称で、改修前のこれらの川を偲んで詠んだ句、大正14年建立。
献灯碑脚に句が刻まれているものとしては、異色のものである。
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