EEKの紀行 春夏秋冬

紀行&散策を画像を交えた紹介です

愛媛日仏文化交流会主催見学会「木子七郎建築探訪」

2014年10月24日 | 伊予松山歴史散策
愛媛日仏文化交流会が開催した「木子七郎建築探訪」見学会が平成26年10月18日、開催された。
木子 七郎(きご しちろう)は、明治17年4月30日、宮内省の技師、木子清敬の四男として京都に生まれ、明治44年東京帝国大学建築学科を卒業し、大林組設計部技師として大阪に来た。大正2年大林組を退職し、木子七郎建築事務所を開設、一時期新田帯革製造所に席を置いていた。
奥さんの、カツさんは、現松山大学創設者、新田長次郎(新田帯革製造所・現ニッタの創始者)の娘さんで、愛媛県に多くの名建築を残した建築家である。今回の探訪は、萬翠荘・鍵谷カナ頌功堂・石崎汽船本社を探訪した。
註:愛媛日仏文化交流会とは、愛媛県とフランス及びフランス語圏諸国の親善、理解、文化交流、及び会員相互の情報交換や親睦を図ることを目的とし、講演会、講習会、パーティなど、様々な交流イベントを企画している文化団体である。
木子七郎建築探訪
 日  時:平成26年10月18日(土)9:00~13:00
講  師:花岡 直樹 (萬翠荘の修復工事に携わった建築家) 
定  員:35名
参加費 :移動バス代等 700円
見学建物:萬翠荘 (屋根裏トラス構造、地下調理室を含む) 
      坂の上の雲ミュージアム4Fテラスから萬翠荘を眺める
      鍵谷カナ頌功堂⇒バスで移動
      旧石崎汽船本社内部も見学⇒バスで移動
      昼食後、希望者は三津の古民家見学
      

この日は、好天で気温も高く絶好の探訪日和、先ずは萬翠荘からから地階から屋根裏まで隈なく見学、非公開の浴室も見学出来た。
萬翠荘は、大正11年旧松山藩主の子孫にあたる久松 定謨(ひさまつ さだこと)が、別邸として建設したもので、平成23年11月29日に萬翠荘本館と管理人舎の2棟が国指定の重要文化財になった。久松定謨は、フランス生活が長かったことからフランスへの熱い思いを抱き続け、松山城の山麓に建てる別邸はその思いを形としたもので、フランス様式の愛媛県初の鉄筋コンクリート造りで、敷地は、藩政時代松山藩の家老屋敷の跡地であり、夏目漱石が明治28年、松山中学の英語の教師として赴任した折に下宿をしていた、「愛松邸」のあったところでもある。


階段ホール踊場にあるステンドグラス、以前は舶来品とされていたが、改修工事の時、木内真太郎の作品と判明した。久松定謨がフランスの陸軍士官学校留学の際、海原に浮かぶ帆船を表現した作品。


坂の上の雲博物館4階テラスから見た萬翠荘、後ろの山は、松山城で、山頂に観える
建物は、左に「巽櫓」右は「隠門続櫓」。


松山市西垣生町にある「鍵谷カナ頌功堂」
鍵谷カナは、伊予郡垣生村今出(現・松山市西垣生町)に天明2年(1782)生まれ、同村小野山藤八に嫁し、当時農家の副業であった伊予結城(伊予縞)という縞木綿の生産に従事していた。享和年間(1801年~1803年)に、わら屋根に使った古竹にできた縄目の跡にヒントを得て、新しい絣模様を織る方法を発案した伊予絣の考案者である。墓は長楽寺(西垣生町)にあり、愛媛県の史跡に指定されている。元治元年(1864年)逝去、享年82歳。
伊予絣は、久留米絣、備後絣とともに日本三大絣の一つともされる。明治37年には全国生産一位となり、当時全国では子供から大人までこぞって緋の着物を愛用した。


六角形の特徴のある建造物で、鍵谷カナの績を後世に伝えるため、伊予織物同業組合が昭和4年に建てたもので、愛媛県庁なども設計した木子七郎が手がけた、鉄筋コンクリート造の八角堂。中央に頌功碑を納めており、8本のエンタシスの柱と斗組により反りの強い本瓦葺八角屋根を支える特徴的な姿形で、平成13年国の登録有形文化財。


平成13年8月28日、国の登録有形文化財、登録標板、第38-17号。


大正13年12月29日落成した石崎汽船本社(松山市三津)ビル。


石崎汽船本社の社号。


石崎汽船本社内1階で 平成25年6月30日までここで営業していた。


平成13年4月24日、国の登録有形文化財指定、登録標板第38-10号。


これからの画像は、一般に出されてない貴重な萬翠荘の資料です。










萬翠荘の二階で、大正11年11月15日、松山で陸軍の大演習が行われ大正天皇の御名代として、摂政宮(昭和天皇が皇太子時代)が来松された時宿泊されたのが萬翠荘である。中央バルコニーから市民の提灯行列を眺めて手を振られた。萬翠荘は建築中であったが、摂政宮の宿舎とするため突貫工事で完成させた。


これからの画像は、石崎汽船さんから頂いた貴重な資料です。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする