投資の世界ではしばしば出てくるキーワードに「池の中のクジラ」という
表現があります。日銀が金融緩和の一環で始めた長期国債買いでは市場に
出回る国債を買い進んだ結果、長期国債の利回りが限りなくゼロに近づき
機関投資家は国内債券で十分な利回りを確保できなくなりました。
株式市場でも日銀がETF購入額を段階的に拡大した結果、市場は日銀のETF
購入に振り回されました。またインデックス投資であるETFは業績の良し
悪しに関係なく指数に連動するようにすべての銘柄を一定する購入するため
に相場の流れが掴みづらいという原因にもなりアクティブ運用の投資成果が
低下するという側面も出てきました。
GPIFが運用資産をそれまでの債券中心から株式比率を大幅に引き上げた結
果、巨額な資金が東京市場に流入し需給主導で指数が大きく上昇しました。
SBGが10兆円規模のビジョンファンドの運用を開始した時には未公開市場
に巨額な資金が流入したために大きく評価額が切り上がったユニコーン企業
が続出しました。SBGの大口投資先であったウィワークが創業者の暴走もあ
り業績不振に陥り評価額を大幅に下げるという事態も発生しました。
世界の鉄鋼生産や銅消費の半分を占める巨大な市場に中国経済は成長しまし
たが、反面鋼材価格や銅市況、鋼材の原料となる鉄鉱石や原料炭価格は中国
経済の動向に大きく左右されるように
なりました。
コロナ禍でいち早く経済が回復した中国では消費が活発になり国内消費を
賄うため大豆や豚肉それに牛肉を大量に輸入するようになり価格が急騰す
る事態も発生しています。人口14億人の中国の影響はいたるところに出て
います。
多くの国際商品が需要で中国需要がかなりのウェートを占めています。池の
中のクジラは様々な影響を今後も与えるでしょう。中国政府が商品価格を抑
えるため対策に乗り出すと鋼材価格は先月下旬からそれまでの上昇から一転
下落に転じました。銅価格の下落も同様に理由です。
当然市況に関連する日本株への影響もでています。日鉄や住友鉱山が下落に
転じたのも元をたどれば中国に行きつきます。5月の工作機械受注(速報値)
は前年比2.4倍の1233億2800万円だった。前年比でのプラスは7
カ月連続でした。
しかし工作機械大手のオオクマの株価は10日年初来安値を付けました。NC装
置世界大手のファナックは反発しましたが、安川電機は小幅安、中国市場に
強いツガミも僅か4円の上昇でした。5月受注は前月比では0.5%減だった
ことから世界の工場である中国での減速を警戒しているのかもしれません。
中国発のニュースには注意が必要です。製造業にとっては中国は池の中のクジ
ラという存在ですから。
表現があります。日銀が金融緩和の一環で始めた長期国債買いでは市場に
出回る国債を買い進んだ結果、長期国債の利回りが限りなくゼロに近づき
機関投資家は国内債券で十分な利回りを確保できなくなりました。
株式市場でも日銀がETF購入額を段階的に拡大した結果、市場は日銀のETF
購入に振り回されました。またインデックス投資であるETFは業績の良し
悪しに関係なく指数に連動するようにすべての銘柄を一定する購入するため
に相場の流れが掴みづらいという原因にもなりアクティブ運用の投資成果が
低下するという側面も出てきました。
GPIFが運用資産をそれまでの債券中心から株式比率を大幅に引き上げた結
果、巨額な資金が東京市場に流入し需給主導で指数が大きく上昇しました。
SBGが10兆円規模のビジョンファンドの運用を開始した時には未公開市場
に巨額な資金が流入したために大きく評価額が切り上がったユニコーン企業
が続出しました。SBGの大口投資先であったウィワークが創業者の暴走もあ
り業績不振に陥り評価額を大幅に下げるという事態も発生しました。
世界の鉄鋼生産や銅消費の半分を占める巨大な市場に中国経済は成長しまし
たが、反面鋼材価格や銅市況、鋼材の原料となる鉄鉱石や原料炭価格は中国
経済の動向に大きく左右されるように
なりました。
コロナ禍でいち早く経済が回復した中国では消費が活発になり国内消費を
賄うため大豆や豚肉それに牛肉を大量に輸入するようになり価格が急騰す
る事態も発生しています。人口14億人の中国の影響はいたるところに出て
います。
多くの国際商品が需要で中国需要がかなりのウェートを占めています。池の
中のクジラは様々な影響を今後も与えるでしょう。中国政府が商品価格を抑
えるため対策に乗り出すと鋼材価格は先月下旬からそれまでの上昇から一転
下落に転じました。銅価格の下落も同様に理由です。
当然市況に関連する日本株への影響もでています。日鉄や住友鉱山が下落に
転じたのも元をたどれば中国に行きつきます。5月の工作機械受注(速報値)
は前年比2.4倍の1233億2800万円だった。前年比でのプラスは7
カ月連続でした。
しかし工作機械大手のオオクマの株価は10日年初来安値を付けました。NC装
置世界大手のファナックは反発しましたが、安川電機は小幅安、中国市場に
強いツガミも僅か4円の上昇でした。5月受注は前月比では0.5%減だった
ことから世界の工場である中国での減速を警戒しているのかもしれません。
中国発のニュースには注意が必要です。製造業にとっては中国は池の中のクジ
ラという存在ですから。