kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

連鎖

2023-08-24 05:26:12 | 日記
24日から始まる国際経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でパウエル議長の講演に
市場の関心が向いています。波乱なく通過して市場に活気が戻ってくるのでしょうか。そ
れとも株価を再浮上させるような動きは出てこないのでしょうか。

日本企業の良好な決算や円安などを背景に9月以降日経平均が上昇反転するという期待は
まだ続いているようです。そしてそのカギを握るのはやはり上値を買ってくれる海外投資
家の行方次第です。

ここにきて俄かに株価の重しになりつつあるのが中国経済の息切れです。ゼロコロナ解除
後に回復に向かうという予想が多かったようですが回復は1~3月期までで既に息切れ状態
です。かねてより燻ぶっていた不動産市場の悪化で業界最大手の碧桂園控股の資金繰り難
が表面化しました。

財産を保全し経営再建を進めやすくするためとはいえ中国恒大集団は米国で破綻申請をした
ことも市場では不安を高めたようです。中国恒大集団は既にゾンビ企業で西側諸国なら法的
整理へ向かっているでしょう。しかし国内での混乱を警戒している習政権は痛みを伴う根本
的な解決策を避けています。バブル経済崩壊後日本でも問題になった損失飛ばしで問題を先
送りしたことと何が違うのでしょうか。

中国経済はGDPの3割を占めるという不動産市場の変調と米中摩擦でサプライチェーンを再
構築するために外資が製造拠点を移していることも不安視されています。また若年層の失業
率の高まり人口減に転じて少子高齢化が加速するとの不安も高まっています。

日本の外需企業は円安メリットが中国事業の不振でかき消される懸念もあります。その中国
事業でも水面下で大きな変化が起きています。紙おむつ市場では日本製は「神おむつ」とし
て大人気で訪日中国人客の爆買いリスト上位になっていました。

しかし現地メーカーが品質を高めコスパを向上させたことで日本や米国企業のシュアは大き
く低下し変わって中国現地メーカーが半数を占めるようになりました。そこに少子化が加速
し市場は競争激化が進んでいます。先日には花王が現地工場を閉鎖するというニュースが伝
わっていました。

建機市場は既に現地メーカーがシェアを拡大しています。コマツや日立建機はシェアを失い
既に中国での売り上げは会社の収益を左右するようなことはなくなりました。

中国景気の変調は日本の機械や電機などの設備投資のメーカーだけに止まらず小売りや外食
にも影響が広がりそうです。中国事業を成長ドライバーにしてきた良品計画やファーストリ
テイリングの小売りやサイゼリアなどの外食産業がどの程度影響受けるのか注意が必要です。

中国景気の変調は団体旅行解禁で期待が高まっている訪日観光客や中国経済とのつながりの
大きな韓国やタイなど東アジアへの影響も懸念されます。現在国別観光客の1位は観光です。
円安効果で日本での買い物が割安になっているというメリットがカバーするのでしょうか。
景気悪化だからこそ少しでも格安で買い物をできる日本への旅行人気が継続するのでしょう
か。期待と不安で変動が高まることは十分考えられます。
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