kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

コングロマリット

2022-12-14 05:38:13 | 日記
今年の東京市場はコングロマリット企業が再評価された年だったようです。米国から吹い
てきた風は様々な事業を抱える企業に対して事業の選択と集中を迫るものでした。コング
ロマリットディスカウントは多くの事業を抱えることで投資が分散して高い収益を上げる
ことが難しくなり株価が割安に放置されるという現象です。

ソニーは海外の物言う株主からエレキ事業や金融事業の売却を迫られました。ソニーはそ
の提案を拒否しました。業績がV字回復したことで両事業売却の話はその後立ち消えにな
りました。

一方、オリンパスは物言う株主から取締役を迎えました。永年赤字が続いていて懸案だっ
た映像事業に売却しました。今年は祖業の生物顕微鏡などを手がける科学事業の売却も決
定しました。高い市場シェアを握る内視鏡中心に医療機器事業専業となります。株価は
2019年から今年9月には3倍になりました。足元でも2.6倍程度を維持しています。

様々な事業を抱えているという点では商社各社はコングロマリットディスカウントという
評価を受けているセクターです。海外投資家からは以前にはどんな事業が主力事業なのか
分からないという見方が定着していました。

しかしバフェット氏が日本の5大商社株を取得したというニュースが出てから次第に投資
家の注目を集めるようにありました。そして今年はグロース銘柄中心に大きな調整が市場
を襲いましたが、バリュー株の中心セクターとして商社株人気は年間を通して続きました。

ロシアのウクライナ侵攻による原油や天然ガス石炭のエネルギー価格の高騰や穀物価格の
上昇も商社セクターにとっては大きな追い風でした。また増配や自社株買いなどここ数年
高い株主還元が続いていることも人気の一因です。

また機械のデパートとも言われている重機3社(三菱重工、川崎重工、IHI)も今年株価復
調が目立ったセクターです。コロナ禍からの復調で航空機産業が息を吹き返したことやエ
ネルギー危機による火力発電の再評価も業績への追い風になりました。

事業の選択と集中で経営資源を競争力の強い事業に集める企業が市場評価を高める流れは
今後も変わらないでしょう。しかし相場環境は常に変わるものです。市場に絶対はありま
せん。今年の相場でGAFAMがこれ程厳しい状況に陥るとは思わなかったでしょう。

注目のCPIは7.1%の結果でした。市場予想は7.3%でしたから好感した買いが入り大きく
上昇して始まりましたが、その後はFOMCを控え伸び悩みました。短期筋は雇用統計やCPI
の結果が市場予想と比べてどうなるかで動きます。もっともFOMCの金融政策は1回の結果
で判断することはないという見解です。重要指標発表後の株価の動きが中長期で同じ流れに
なるとは限りません。拙速な判断は厳禁です。
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