16日に3社が新たに新規公開されました。マザーズ市場に上場した家電
ベンチャーのバルミューダは初値が公開価格(1930円)を63.2%上回る
3150円で初値を付けその後も人気は続き終値は3850円でした。また同じ
くマザーズ市場に上場したFast Fitness Japanも初値は3000円で公開価
格(2250円)を33%上回るスタート
なりました。
一方1部市場でIPOに進んだ電子楽器製造のローランドの初値は2954円で
公開価格(3100円を)を5%下回りその後も上値は重く結局公開初日は
2000円で取引を終了しました。3社で明暗が分かれる形になりましたが
その理由はどこにあったのでしょう。
ローランドのケースでは公開株数がバルミューダの8倍Fast Fitness Japan
の6倍と多かったこと。またMBO物件で新株発行はなく大株主のファンド
の売り出しが発行株数の4割だったことです。9月に1部市場に新規公開に
なった雪国まいたけも同じMBO物件でした。そしてはやり初値は公開価格
を5%下回りました。
5%という数字は偶然の一致でしょうが、市場はMBO物件に対して公開の
背景がファンドの出口戦略であり成長期待が持ちにくいというのが不人気
の理由のようです。雪国まいたけのその後の株価も公開価格を割り込んで
いることもローランド株の不人気の一因かもしれません。
業界を取り巻く環境ではコロナ禍で苦戦の続くスポーツジムを展開してい
るFast Fitness Japanの今期業績予想は4割減益予想ですから業績面では一
番の厳しそうです。しかし公開株数の少ないマザーズ銘柄ということが幸
運だったのでしょうか。
IPO戦略では中長期的な成長期待ももちろん大事ですが、需給面での要因
も無視できません。MBO銘柄は公開後も大株主であるファンドの売り圧
力が意識されます。余程成長期待の高い銘柄でなければ大きな期待はでき
ないようです。
市場の悪化で10月の上場を延期したキオクシアもMBO銘柄です。大株主の
ファンドや東芝は公開時に持ち株の一部を売り出す予定でした。その後も
持ち株の売却に動くでしょう。フラッシュメモリー業界で世界2位であると
してもシェアは首位のサムスンの半分程度です。
今後も競争力を維持するためには巨額な設備投資が必要になります。公開
企業として成長投資を市場から調達したいところですが大株主が希薄化懸
念を持っていることから機動的な資金調達が公開後もできるかどうかは不
透明です。キオクシアの独り立ちの道は険しいようです。
ベンチャーのバルミューダは初値が公開価格(1930円)を63.2%上回る
3150円で初値を付けその後も人気は続き終値は3850円でした。また同じ
くマザーズ市場に上場したFast Fitness Japanも初値は3000円で公開価
格(2250円)を33%上回るスタート
なりました。
一方1部市場でIPOに進んだ電子楽器製造のローランドの初値は2954円で
公開価格(3100円を)を5%下回りその後も上値は重く結局公開初日は
2000円で取引を終了しました。3社で明暗が分かれる形になりましたが
その理由はどこにあったのでしょう。
ローランドのケースでは公開株数がバルミューダの8倍Fast Fitness Japan
の6倍と多かったこと。またMBO物件で新株発行はなく大株主のファンド
の売り出しが発行株数の4割だったことです。9月に1部市場に新規公開に
なった雪国まいたけも同じMBO物件でした。そしてはやり初値は公開価格
を5%下回りました。
5%という数字は偶然の一致でしょうが、市場はMBO物件に対して公開の
背景がファンドの出口戦略であり成長期待が持ちにくいというのが不人気
の理由のようです。雪国まいたけのその後の株価も公開価格を割り込んで
いることもローランド株の不人気の一因かもしれません。
業界を取り巻く環境ではコロナ禍で苦戦の続くスポーツジムを展開してい
るFast Fitness Japanの今期業績予想は4割減益予想ですから業績面では一
番の厳しそうです。しかし公開株数の少ないマザーズ銘柄ということが幸
運だったのでしょうか。
IPO戦略では中長期的な成長期待ももちろん大事ですが、需給面での要因
も無視できません。MBO銘柄は公開後も大株主であるファンドの売り圧
力が意識されます。余程成長期待の高い銘柄でなければ大きな期待はでき
ないようです。
市場の悪化で10月の上場を延期したキオクシアもMBO銘柄です。大株主の
ファンドや東芝は公開時に持ち株の一部を売り出す予定でした。その後も
持ち株の売却に動くでしょう。フラッシュメモリー業界で世界2位であると
してもシェアは首位のサムスンの半分程度です。
今後も競争力を維持するためには巨額な設備投資が必要になります。公開
企業として成長投資を市場から調達したいところですが大株主が希薄化懸
念を持っていることから機動的な資金調達が公開後もできるかどうかは不
透明です。キオクシアの独り立ちの道は険しいようです。