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ものづくりへのオマージュその6

2008年07月17日 | Weblog
応援団長
 唐津一氏のことは、以前から主に品質管理関連の雑誌でそのご意見を拝聴していたので、お会いしたこともないけれど親しみを感じていた。日本のものづくりにおける品質管理の素晴らしさをいつも高らかに論じておられる。まさに日本のものづくりの応援団長さんだと思う。数年前は日経ビジネスの「技術者の眼」や「終わらない話」にも登場されていた。
 氏はまた、東京都大田区の「国際コールセンター」の発案者でもある。これは大田区の中小企業について、あらゆる種類の問い合わせをワンコール(1回の電話)ですまされるよう、企業紹介等を行うもので、2000年に設立されている。石原東京都知事の提案による、大田区の中小企業振興策についてのアイデア募集に応じたものだ*1)。
 氏の日本の製造業が中国に負けない理由はたくさんあって、実は一冊の本になっている。「中国は日本を追い抜けない」*2)がそれであるが、その2年後出された「日本のものづくりは世界一」*3)には、日本の製造業の実力を知らず悲観論ばかり垂れ流すマスコミや評論家を厳しく糾弾されている。まさに応援団長面目躍如の感がある。
 氏の論旨を要約すれば、『中国で行っている「ものづくり」は、日本やドイツのマザーマシン、すなわち「機械をつくるための機械」を使用しているもので、第1級のマザーマシンを作りうる技術こそが「ものづくり」の実力なのだ。マスコミがことあるごとに「追いつかれる」と叫ぶ中国の製造業であるが、いい製品を作っている工場で稼動しているのは、日本製製造設備であり、その製品の心臓部には日本のハイテク部品が使われている。また、製造技術をゼロから築き上げるのには膨大なエネルギーとものづくりの才能が必要である。しかし、中国は時間を節約するために、製造設備を海外から導入し、その使い方を習って製品を作っている。したがって、技術の蓄積がないため、新しいものを自分たちで開発することはできない。』これだけの引用では十分ではないが、「ものづくり」の本質として唐津氏が言いたいことが、また中国に負けない理由が伝わったであろうか。
   
   *1)橋本久義著「町工場が滅びたら日本も滅びる」PHP研究所2002年5月刊 より。
   *2)唐津一著 PHP研究所 2004年10月刊
   *3)唐津一著 PHP研究所 2006年10月刊
   各引用には、筆者の編集が入っていることをお断りしま
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