2009年 ことしの一冊たち 上半期

毎年恒例(といっても、今回で2回目だけれど)、ことし1年どんな本を読んだのかをまとめてみたい。
で、いま自分のブログをみていたら、年始にこんな目標を立てていた。

「早川書房の「異色作家短編集」シリーズ(の手元にあるだけ)と、国書刊行会がだした「探偵くらぶ」シリーズ(の手元にあるだけ)の読破」

うーん、達成できてない。
「異色作家短編集」はシェクリイを読んだだけだし、「探偵くらぶ」にいたっては1冊も読んでいない。
だしぬけだけれど、図書館で、たくさん本をかかえた子どもがお母さんに、「アンタそんなに読めないでしょ」としかられているのをときどき目にするけれど、その子のことをぜんぜん笑うことができないなあ。
読書にもマネジメントの考えかたが必要なのかも。
この目標は来年も継続。

では、気をとりなおして、ことし読んだ本は以下。

1月

「本の保存の話」
これは、読んだ本の話ではなくてただの記事。これを書いたあと、ホームセンターにいき、透明プラスチック製の箱をたくさん買ってきて本の一部を収納した。でも、ついこのあいだ追加の箱を買いにいったら、取り扱いをやめたらしく、同じ箱がもう手に入らなくなってしまった。なんということだ。仕方がないので、あるだけの在庫を全部買ってしてきた。

「いま、なぜディベートなのか」

「せかいいち大きな女の子のものがたり」
これは絵本。

「しんせつなともだち」
これも絵本。「こんな童画めいたものも描いていたとは、いままで気がつかなかった」なんて書いているけれど、その後、村山知義はこちらが本職なのだと知った。

「レムラインさんの超能力」

「地下鉄サム」


2月

「ジョコンダの微笑・尼僧と昼食」

「クモの糸の秘密」

「無口になったアン夫人」

「公共図書館の論点整理」

「現代社会と図書館の課題」

「時の主人」


3月

「名画に描かれた女性たち」

「時間をまきもどせ!」

「三人のおまわりさん」

「ウォー・ヴェテラン」

「彫刻の〈職人〉佐藤忠良」と「大きなかぶ」(再掲)
ことしはHPを撤収しようと、記事の移動もおこなった。(再掲)というのは、HPから移した記事のこと。昔、自分が書いた文章を読み直すというのは、妙な気がするもので、案外うまく書いてるじゃないかと思ったり、ぜんぜん言葉がたりないなあと思ったり。

「解剖学者ドン・ベサリウス」
「パリの聖月曜日」(喜安朗 平凡社 1982)を読んでいたら、19世紀パリの解剖教室の惨状について書かれた章があった。それによれば、下働きの使用人たちが、人間の脂肪を馬の脂と称して、組合をつくって大規模に販売していたのだそう。ひょっとすると、ボレルの作品のおどろおどろしさは、こういう19世紀の現実を反映したものなのかも。だとすると、ボレルの作品はアナクロニズムだといえるかもしれないけれど、このことを念頭におかないで、歴史上のヴェサリウスとくらべることも、また別種のアナクロニズムといえるかもしれない。

「聊斎志異」2005.6.21(再掲)
まだ1巻しか読み終えていないけれど、柴田天馬訳が、また独特の訳文。「聊斎志異」は、ことし平凡社ライブラリーからも出版されたので、こちらで読むのも面白いかも。

「唐宋伝奇集」 2005.8.29〈再掲〉

「捜神記」 2005.8.29〈再掲〉

「封神演義」 2006.5.21〈再掲〉

「謎の解剖学者ヴェサリウス」
「タイムマシン夢書房」(武部俊一 朝日ソノラマ 1995)に教えられたのだけれど、ヴェサリウスの「ファブリカ」が出版された1543年は、奇しくもコペルニクスの「天体の回転について」が出版された年と同年だという。人体と宇宙が、同時にいままでの世界からはなれていくような、不思議な暗合を感じる。


4月

「巨人ぼうやの物語」

翻訳味くらべ「ジーヴズの事件簿」ほか 2006.9.29〈再掲〉

「猫とともに去りぬ」
ロダーリはことし、「パパの電話を待ちながら」(講談社 2009)が出た。内容はショートショート集。お菓子のような軽みのある作品がならんでいる。
また、「幼児のためのお話のつくり方」(作品社 2003)には、本書「猫とともに去りぬ」の楽屋話のような「もし、おじいさんが猫になったら、人間にもどるにはどうしたらいいか」というエセーが収録されている。

翻訳味くらべ「郵便配達は二度ベルを鳴らす」 2007.1.4〈再掲〉
ことし、小鷹信光さんの訳でハメットの「デイン家の呪い」(早川文庫 2009)が出版されて、とても驚いた。できれば、小鷹信光さんの訳でコンチネンタル・オプを全編読みたいと思っているのだけれど…。ぜんぜん関係ないけれど、早川文庫は、ここ最近、いままでより背の高い文庫をだすようになっている。そのため、書架にずいぶん窮屈そうに並んでいる本をみかけるけれど、書店からの反対の声はなかったんだろうか。

翻訳味くらべ「郵便配達夫はいつも二度ベルを鳴らす」(翻訳入門版) 2008.12.29〈再掲〉

「寓話」

翻訳味くらべ「不思議の国のアリス」 2007.2.4〈再掲〉

「フクロウ探偵30番めの事件」
このあと同じ著者による短編集「やねのうかれねずみたち」(偕成社 1995)を読んだ(ジェィムズ・マーシャルという表記なので、ジェームズ・マーシャルでは検索でひっかからないかも)。この本も面白かった。

翻訳味くらべ「海の上の少女」 2007.3.26〈再掲〉
訳文はどんどん増えていく。「海の上の少女」にこんなにいろんな訳文があったなんて、記事を書くまで知らなかった。


5月

「浮世のことは笑うよりほかなし」
「出久根さんが山本夏彦さんにインタヴューをこころみた記事」というのは、たしかいっだったかの雑誌「文学界」だったような気がする。コピーをとっておいたはずなんだけれど…。

翻訳味くらべ「新アラビア夜話」 2007.12.31〈再掲〉
「新アラビア夜話」の翻訳はまだまだあるはず。思いがけずコレクターになってしまったなあ。

「かばん」

本はそのうち手に入るという話 2006.7.17〈再掲〉

「日本文化における時間と空間」

「ジャン・ブラスカの日記」


6月

「クラシック 私だけの名曲1001曲」

出口で待つカタログたち 2005.5.31〈再掲〉

「ゴールデン・マン」

翻訳味くらべ「顔」 2008.7.28〈再掲〉

「翻訳者の仕事部屋」 または「顔」(承前)

「二都物語」
このあと、ディケンズは「クリスマス・キャロル」「憑かれた男」(あぽろん社 1982)を読んだ。

「悪党パーカー/犯罪組織」
このあと、「悪党パーカー」シリーズでは「エンジェル」(早川文庫 1999)を読んだ。途中から、ひとつの家屋でのみストーリーが展開していくさまにびっくりした。

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