弟に小関智弘は面白いね、と言うと小学館文庫の
『町工場(世界を越える)技術報告』を送ってくれました。
小関を言うならこれぐらい読んでおけ、かな?
さすがに「面白い」本です。
工場経営についてなど深刻な内容が多いので面白いと
は不謹慎かもしれませんけれども。
1999年刊なので古いのですがそれでも読むに足ります。
現場の細かな話も多く、興味深いものです。
著されているのは1980~1999の町工場。
それ以前の石油ショックを生き延びた工場群です。
80年代半ば以降は円高不況が厳しく、
バブル期の町工場はさほど大きな恩恵を受けません。
そしてそのバブルも崩壊。長く大変な不況が続きます。
不景気のときは下請けが痛手を受けやすい社会構造に
なっているのです。
90年代で大田区の町工場は3割も数を減らしています。
町工場でも思い切って新しいエレクロニクス化の
進んだ機械を導入するところがあります。
けれども原価償却を終える前に大不況となり多額の借金
が残るなどという工場も多くあったようです。
不景気の波が襲う度ごとに職人の技術が駆逐され
機械化が進みます。
人間の力量が落ちると機械に頼らざるを得ません。
この悪循環ですね。
さらに機械化と不景気は町工場への発注そのものも
削っていきます。
親工場が自社内で賄うようになっているのです。
◎
例の「小関節」もたっぷりと盛り込まれています。
引用したい処がたくさんありますが、やりすぎると
お叱りを受けそうなので、少しだけご紹介します。
(小関さんが他の方の言葉を引いておられるものも
ありますがいちいち書きません)
『納得のゆく機械が作れれば儲からなくっていい』
『製造技術の基礎になるのは人間だが、人間は手間ひま
かけなければ育たない。その金があれば手っ取り早く
儲かる方へまわすのが今流』
『全国八十七万の中小製造業者のほとんどは、決して
大きな企業になろうと努力してはいない。むろん努力
したからとてなれるものではないが、むしろ小さい
ままで小さいなりの自分であろうとしている』
『当たり前のものを、よりよく作ろうという精神
経済的な価値とは別なもう一つの価値』
『どんなに機械技術が進歩しても、機械は人間の道具』
○
どれも、しごく当たり前な言葉ですが、重みがあります。
翻って、わが塾業界。
ここにもITの波が押し寄せています。
生き残りのためにも利用しない手はありません。
しかし本当に使いこなせているでしょうか。
それに機械以外でできないことは放り出していないか?
これらは自省です。
人間でしかできないことを、どれだけしているか。
数多くの見逃しがありそうでちょっと怖いですね。
◎
それにしても昨年秋からの世界不況、町工場には
どんな嵐が吹いているのでしょう・・
『町工場(世界を越える)技術報告』を送ってくれました。
小関を言うならこれぐらい読んでおけ、かな?
さすがに「面白い」本です。
工場経営についてなど深刻な内容が多いので面白いと
は不謹慎かもしれませんけれども。
1999年刊なので古いのですがそれでも読むに足ります。
現場の細かな話も多く、興味深いものです。
著されているのは1980~1999の町工場。
それ以前の石油ショックを生き延びた工場群です。
80年代半ば以降は円高不況が厳しく、
バブル期の町工場はさほど大きな恩恵を受けません。
そしてそのバブルも崩壊。長く大変な不況が続きます。
不景気のときは下請けが痛手を受けやすい社会構造に
なっているのです。
90年代で大田区の町工場は3割も数を減らしています。
町工場でも思い切って新しいエレクロニクス化の
進んだ機械を導入するところがあります。
けれども原価償却を終える前に大不況となり多額の借金
が残るなどという工場も多くあったようです。
不景気の波が襲う度ごとに職人の技術が駆逐され
機械化が進みます。
人間の力量が落ちると機械に頼らざるを得ません。
この悪循環ですね。
さらに機械化と不景気は町工場への発注そのものも
削っていきます。
親工場が自社内で賄うようになっているのです。
◎
例の「小関節」もたっぷりと盛り込まれています。
引用したい処がたくさんありますが、やりすぎると
お叱りを受けそうなので、少しだけご紹介します。
(小関さんが他の方の言葉を引いておられるものも
ありますがいちいち書きません)
『納得のゆく機械が作れれば儲からなくっていい』
『製造技術の基礎になるのは人間だが、人間は手間ひま
かけなければ育たない。その金があれば手っ取り早く
儲かる方へまわすのが今流』
『全国八十七万の中小製造業者のほとんどは、決して
大きな企業になろうと努力してはいない。むろん努力
したからとてなれるものではないが、むしろ小さい
ままで小さいなりの自分であろうとしている』
『当たり前のものを、よりよく作ろうという精神
経済的な価値とは別なもう一つの価値』
『どんなに機械技術が進歩しても、機械は人間の道具』
○
どれも、しごく当たり前な言葉ですが、重みがあります。
翻って、わが塾業界。
ここにもITの波が押し寄せています。
生き残りのためにも利用しない手はありません。
しかし本当に使いこなせているでしょうか。
それに機械以外でできないことは放り出していないか?
これらは自省です。
人間でしかできないことを、どれだけしているか。
数多くの見逃しがありそうでちょっと怖いですね。
◎
それにしても昨年秋からの世界不況、町工場には
どんな嵐が吹いているのでしょう・・