かぶれの世界(新)

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

けもの道を歩く(追補)

2020-10-30 20:15:48 | 日記・エッセイ・コラム
「猪」には続きがある。隣の90半ばのお婆ちゃんが、地区長の家の周りに猪が出没した時、その前に猪が山から下りてきて集落に向かうのを見たそうだ。あちこち山歩きすると猪の足跡だらけだと私の経験を紹介した。

家の庭の石に熟した柿をおいておくと次の朝には無くなっていた、それも猪の仕業かもと息子が話に加わって来た。彼は本格的なコメ農家だが、新興商店街に家族と住んでいて猪の話は初耳だった。東京帰りの私から彼の知らない猪や猿害の話を聞き驚いた様子だった。私はちょっと自慢げに猪の被害が里まで下りてきている現状を報告した。

だが、話題がコメ作りに変わった時点で彼の独壇場になった。多分、彼はこの地でもトップクラスのコメ農家だ。今年のコメは害虫で不作だと聞いたと言うと、その害虫とは雲霞(うんか)と指摘した。雲霞は根元を食べるので田んぼに枯れた点が見えた時、根元には被害が広がっているという。

なので、直ちに稲刈りをして穫り入れをしなければ被害が大きくなるという。3日間何もしないと被害は大きな円状に広がり収穫は半減するという。となれば、農機具を持っていない老人の農家はそうはいかないね、というと「その通り、今個人農家で起こっていることだ」という。

更に続けて、無農薬農業はこういう時に弱いらしい。人がコロナに免疫力が無いのと同じで、稲が害虫に免疫力が無いのだという。ということで彼は一度は農薬を散布する、「無農薬」でなく「軽農薬」農業だという。この地の山は100%猪の足跡を見かける。じゃ猪対策は何か、鉄砲か。■
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする