かぶれの世界(新)

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若者よ、英国の教訓を学べ

2016-06-30 10:09:33 | ニュース
今度の参院選から18歳以上に投票出来る様になる。近年若者世代の投票率年々低下傾向にあり憂慮されている。全年齢層で投票率が低下しているが、その中で総投票数が多い老人向けの政策に重点を置いた「シニア民主主義」の弊害が指摘されている。18-19歳の投票が政治をどう変えて行くか、期待を込めて助言したい。

シニア民主主義は決して日本だけの現象ではない。英国のEU離脱を問う国民投票の結果がその典型的な例だ。若者の圧倒的多数がEU残留を望んだのに、EU離脱を求める老人世代の票が上回った。離脱票を入れ後悔する若者とともに、あと数年しか生きない老人達に未来を決められたと怒り再投票を求める若者の姿が印象的だった。民主主義発祥の地で投票行為を軽視し、その結果を否定するという姿で世界に恥をさらした。

シニア民主主義は決して日本だけではなかった。しかも普通に考えれば明らかに常識外れのEU離脱を老人票が決め、何十年にもわたって悪影響を与える恐れのある決断を英国に強いることになった。民主主義システムの根幹たる投票で、老人の知恵より妄想が反映される大衆迎合政治に劣化する想定外の事態が起こった。老人に1票を与えるかどうか、平均寿命が20-30年延びた現代の民主主義の新しいリスクだと私は考える。

日本でも社会保障などで老人の支持を狙った政治が主流だ。EU離脱ほど劇的な失敗ではないが、長期的な深刻さはそれ以上かもしれない。痛みを先送りする社会保障政策で積み上がる重荷はEU離脱以上かもしれず、全てが将来世代に圧し掛かっている。この状況に若者世代は立ち上がり怒るべきだと思う。その一つの有力な第一歩が投票に行き存在感を示すことなのだ。諦めたら英国みたいに老人達に勝手に決められてしまう。

18-19歳は約240万人で全体の2.34%になるという。これでは政治的影響力がないと考える若者は間違っている。分かり易い例が今だに大きな影響力を行使しているのが農業だ。農家戸数はたった220万戸だが既得権益は手厚く守られている。農協程ではなくとも戦い方によっては若者達も大きな影響力を持ち、目先のバラマキ政策を阻止し未来志向に軌道修正する力になるはずだ。先ずは投票率を上げるだけ政治が変わる。■
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往く人来る人(7)

2016-06-29 16:57:53 | 健康・病気
最初このシリーズは「生まれて来る孫と、もうすぐこの世を去る母」を対比させて書こうと思ってタイトルを考えついたが、結果的には母のことばかりを書くことになってしまった。今回も母の終末医療についてだ。

月曜日に母が入院している松山市内の病院に行き、母の終末医療をどうするか病院側と家族間の意識合わせを行った。先週電話があり院長が話したいことがあると伝えられた時、この話題にだと覚悟して病院に向かった。最初にこれまでの母の容態と検査結果が説明された。事前に聞いていたこと以外に新たな情報は無かった。

私は以前担当医と話し合った通りで、胃に穴をあけて栄養注入するような無理な延命治療はさせたくない、自然な最期を迎えさせてやりたいと繰り返した。先生は頻発する徐脈と体温の上昇と痰が詰まる症状があることに加え、母が意識がある間は胃瘻以外に栄養を取る方法があると説明し、私も意識がある間は生きさせてやりたいと答えた。

胃瘻以外の処置とは鼻からチューブを入れるか動脈から栄養を注入する手段で、介護施設では無理な措置なので病院で対応すると説明された。多少誘導されたきらいはあるが、それではお願いしますと言った。母が意識があるのに、口から栄養が取れず衰弱して死んでいく姿を想像するのは辛かった。

そうは言ったものの先生は母が何時まで生きながらえるかは分からないという。私は今週金曜日に東京に戻り、娘の嫁ぎ先の実家がある松本市の神社で孫の行事「お食い初め」に参加する積りだ。両家の家族全員が集合する。その間に母の容態が急変する可能性もあるが、そこは腹を決めて予定通り帰京することにした。

一連の会話を録音し酸素マスクをつけた母の写真と一緒に都内に別れて住む家族全員に送った。ITの進歩で医者との会話と母の写真を見ればそれ以上何も説明する必要はなかった。既に何度かメール等で知らせていたので彼等も良く状況は理解して覚悟していた。医者との会話の録音は私のガン疑惑以来でとても便利だ。

念の為と思って介護施設に連絡すると、病院から連絡を受けていなかった。母が自宅と同じように施設内で自然に最期を迎えさせる積りでいたようで、困惑気味の返事が返って来た。私は何故入院を勧められたか医者との会話を説明した。施設長も医者の判断があればやむを得ないが、私の「自然な死に方をさせたいという考え」を基に医者と話し合って貰うということで電話を切った。多くの方がそうやって施設で亡くなっているらしい。

医院と介護施設の経営上の判断の違いを言外に感じた。最終的には家族の判断だと言われてもここまで来ると、正直、どちらが母にとっていいことなのか良く分からない。その後、保険会社の担当からたまたま届いた定期案内を受けて母の様子を知らせ、葬式等の助言を求めた。最近はごく身近な人達だけの家族葬が増えているそうだ。90才近い母の親しい人達の多くは亡くなったことを考えるとその方が良さそうに私も思う。■
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周回遅れの読書録2016(2)

2016-06-26 22:24:01 | 本と雑誌
1か月半でたったの2冊しか読んでないが、これまで継続して読んできたリーマンショック関連本の中で最も勧めたい本だったので急ぎ紹介させて頂く。これまで、サブプライム販売の現場とか、最初に崩壊したベアスターンズ社内、震源地のリーマンブラザーズ社内、規制当局(ポールソン・バーナンキ・ガイトナー)の夫々の立場から見た回顧録とか物語を読んだ。これに加えて多くの日本の専門家の解説本も読んだ。

しかし、どうも全体像が見えなかった。その中でリーマンショックの風景が最もよく見えた本が、今回紹介する「愚者の黄金」(Jテッド)と「世紀の空売り」(Mルイス)だ。両書を読むとサブプライム・ローンを証券化し金融技術を駆使して作成した金融商品が、規制当局から売る側・買う側を含め殆ど総ての関係者が内容を理解しないまま短期間に急増し破綻に向かって行った様子が描かれている。6-7年前に出版されてたのに気付かなかった。

「世紀の空売り」(Jテット)は金融商品の販売場から、「愚者の黄金」(Mルイス)は金融商品を作る側から見たリーマンショックの爆心地を生々しく描いている。前書は大手の金融機関が売りまくった金融商品(CDO、CDS等)を丹念に調べて深刻なリスクがあることを察知し、短期間に暴落する方に賭けて奮闘するオタク的アウトサイダーの物語だ。後書はJPモルガンが作った最新の金融技術(CDS)が、金融業界全体に広がる過程で同社の堅実なビジネス精神が引き継がれず暴走した様を描いている。

両書に共通しているのはサブプライム・バブルやリーマンショックを引き起こした原因が、証券化やリスク管理する為の金融技術と決めつける風潮(日本の専門家も含め)と一線を画していることだ。現実は政府や連銀(FRB)からリーマンブラザーズやモルガンスタンレー等米国の誇る投資銀行までどういう商品か何も知らず、バブル崩壊が世界的な信用リスクに発展するリスクを察知できなかったことが描かれている。

今迄読んだ財務長官や連銀議長の回顧録やリーマンブラザーズ内で何が起こったか謂わば失敗した側の記録だ。今回紹介する本は金融技術商品を生んでトップから現場まで内容を理解してリスク管理したJPモルガンや、執念深く調べて暴落を予測した市井のオタク投資家等のいわば成功者から見たリーマンショックの風景の方が説得力がある、ということでもあると思う。

(3.5)2 世紀の空売り 2010 Mルイス 文芸春秋 原題名「ビッグ・ショート」で最近映画化された話題の佳作。HBS出身の弁護士とアスペルバーガー症候群を病む医師が小さな投資会社を興し、(私から言わせると)オタク的執念でサブプライムを組み込んだ金融商品が内包するリスクを予見し巨大な市場に立ち向かう。そこまで言っておいて、最後に敗者も勝者も皆大金を手に入れて舞台から去ったというくだりは衝撃的だ。

(3.5+)2 愚者の黄金 2009 Jテット 日本経済新聞 リスクを管理する為の金融技術が生んだデリバティブが、高いリターンを求める金融機関が中身を理解しないままリスク隠しの道具に使われていく、その危険さを規制当局が何かおかしいと思いながらも見逃す姿が生々しい。JPモルガンがデリバティブを生み出した90年代からプレイヤーが入れ替わりながらも、2008年の世界信用リスクまでリーマンショックの全体像を描いている。人が変わってもJPモルガンの堅実なビジネススタイルを貫く遺伝子が凄みを感じる。

それにしても、最近読書が進まない。もっと読み易い小説なども気分転換に使えば勢いが付くかもしれない。或いは昔やってた様に同時に2,3冊並行して読むとか。次から何か工夫してみたいと思う。■

凡例:
 (0):読む価値なし (1)読んで益は無い (2):読んで損は無い
 (3):お勧め、得るもの多い  (4):名著です  (5):人生観が変わった 
 0.5:中間の評価、例えば1.5は<暇なら読んだら良い>と<読んで損はない>の中間
 -/+:数値で表した評価より「やや低い」、又は「やや高い」評価です。
2: 古本屋で手に入れた本
L: 図書館で借りた本
新: 「定価」で買った本
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世界を揺るがせた1日(比喩編)

2016-06-25 14:52:00 | ニュース
今朝ネットを検索して海外に投資した私の個人資産がどれだけ損したのか見るのが怖かった。大幅下げを覚悟していたが、意外にも0.3%程度の下げだった。良く考えれば当然のことで、私の投資先は株や債券等を組成した金融商品なので、市場価格を反映するのは1日遅れでは済まず月曜日までかかりそうだ。

昨日次の段階で焦点になる米国株式下落を3.5%と予測して投稿したが、DJ株価は3.4%下落だった。離脱は予想外だったが、その後の報道は予想通りだった。マスコミや専門家は自分の予測がなかったように後付けの尤もらしい解説をしているのが白々しい。そこで、例によって私も誤解を恐れず大胆に比喩ってみたい。

1)これも民主主義。バカを煽りうまく行くと常識が通用しないアホな結果を招く。民主主義の原理は多数決である以上避けられない。そういう例を散々見て来た、英国も例外ではなかった。

2)アホな結果を避ける手法の一つが代議員を選んで、議会で戦わせ多数決で決めさせることだ。キャメロン首相は直接選挙(国民投票)の危険性を甘く見て議会で結論を出す努力を回避し失敗した。

3)バカの怒りが理性に勝った。言い換えるとそれは「目先の利益」しか見えない人達が、「将来の利益」を重要視する人達に勝った。知識のない人達が、教育を受けた教養ある人達に勝った。

4)そう言うと格好いいが、更に言いかえると「目先の小金」が欲しい人達が、「少し待っても大金」が欲しい強欲な人達に勝った。

5)更に言いかえると、田舎の人達が都会の人達に勝った。

6)更に言い換えると、年金に頼る年寄が若者の将来の機会を狭めた。

7)視点を変えると、ミクロ(日々の生活)がマクロ(国や金融システム)に勝った。

8)敗戦国に牛耳られていた誇り高きジョンブルが、指図され頭に来て見通しがないまま反攻に出た。

9)敗戦国に付き従う無能な大陸の新官僚に「ノー」を突きつけた。

10)離脱はEUのコップの中の嵐、世界の中心が太平洋に移った象徴的な出来事だった。

如何にも皮肉っぽい比喩で申し訳ないが、少しねじ曲がった英国人は苦笑いして怒らないと思う。何でも賭け事にするいささか自虐的な人達なのだから。私はこれ等比喩の中で1)と10)が気に入っている。最後の3つの比喩は敢えてどこの国のことか言わないが、欧州事情に興味のある方なら直ぐにピンと来ると思います。

個人的には英国に行ったことはないし、英国人との付き合いもない。しかし、損得勘定を間違わないバランスの取れた判断をする国民だと思っていた。技術者時代にRISC(コンピューター)の営業に来た英国人技術者に会ったことがある程度。私が行ったのは英国らしい街だと言われるクライストチャーチ(NZ)や、ビクトリア(加)だけ。落ち着いた感じの町で凄く好きだったが・・・■
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世界を揺るがせた1日

2016-06-24 21:34:20 | ニュース
朝10時前にバドミントン練習に出かける前、日経平均は昨日比100円以上上げて始まっていた。注目の英国のEU離脱を占う国民投票の直前の世論調査が「残留」優勢だったのを反映したものだった。しかし、練習を終わり実家に戻りTVをつけると、日経平均は1000以上下げ丁度BBCが「離脱」確定と報じたと伝えた。予想外の展開に正直驚き、「嘘でしょう、参ったなー」と独り言が出た。

シャワーを浴び昼食を作て居間で食べながらTVのニュースを追っかけた。時間の経過に連れてコンマ単位で「離脱」票の比率が増えて行き、2時過ぎには「決まったな」と私も思った。欧州各国の株式は軒並み急落し、主に海外物件からなる私の個人資産も大幅に影響を受けるだろうと覚悟をした。

「何で英国の世論調査はこんなに精度が悪いんだろう。」というのが最初のボヤキだった。前回の総選挙も世論調査と選挙結果が逆転したという。次に思ったのが、こういうサプライズにマーケットは過剰反応するということだ。しかし、それにしても欧州市場は下げ過ぎだと思った。私の個人的な考えだけでなく、専門家の中にも政府の対応などで週明けに調整が入るとの見方があった。

夕方、証券会社担当氏と意見交換した時にも、市場は過剰反応だということで意見は一致した。もし私が現金を持っていたら今が最高の買い時だと思う。彼に聞いた範囲では欧州は軒並み2ケタ以上株価が暴落したが、アジアは2-3%程度の下落だったという。彼によると通貨は世界が同時に動く仕組みがあるが、株価は各国で夫々に動く仕組みを反映するのだと言う。

各国通貨は一瞬円が暴騰したが夕方意見交換した頃はかなり値を戻していた。週明けの世界的な市場動向は、今夜の米国市場がどうなるかで決まる。彼は今夜のダウ平均が3.0%下落、私は3.5%下落と賭けた。何れにしても英国や欧州の世界経済における存在感はその程度ではないかと私の見方を紹介した。

これが中国ならこんな騒ぎでは収まらないと思う。今や世界経済におけるアジアの存在感若しくは世界経済への影響力は半端ない。欧州の大騒ぎは当然だと思うが、残りの世界の実体経済への影響がどの程度か見極めるべきだ。マスコミは悪いデータだけ取出して過剰に反応し過ぎたと思う。今後数か月かけて英国と欧州の関係がどう変化するか具体的データで見て行くべきだろう。■
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