かぶれの世界(新)

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田舎暮し雑感11春(1)

2011-03-31 23:58:29 | 日記・エッセイ・コラム

やっとサクラが咲いて春らしくなった。こちらでも今年は例年よりサクラの開花が遅い。いつもならもうサクラは散り始める時期だが、近所のサクラは5―7分咲きというところだ。朝夕はまだ例年より寒く暖房が必要だが、風が止むと昼間の日差しは暖かくなった。

2週間前に東京を抜け出し田舎に来た翌日、郵便局と農協に行き実家関係の3ヶ月間の支払いと残高を確認した。川沿いの堤防を散歩がてら帰る途中、土手に生えているツクシンボウを採った。午前中行った隣町の市で1パック150円で売っていたのを思い出し、急にその気になった。

田舎では「ほうしこ」という。私のあてずっぽうな想像では語源は形状から「法師の子」なのか、もしくは「胞子」から来たのか。講釈はさておき、はかまを取って水に漬け翌日玉子とじを作った。水加減が悪かったのか、卵との絡みが悪く美味しくなかった。とりあえず春は感じた、再挑戦はなし。

暖かくなると雑草が元気よく伸び始め気になる。田舎に着いた最初の日は雑草が殆ど無くホッとした。冬の間は伸びないのは当然なのだが、昨夏のジャングルみたいな雑草がトラウマになっていて心のどこかにまだ傷が残っていた。だが、この時期の雑草や庭木の手入れは楽だった。

先ず庭の落ち葉やまだ小さな雑草を片付けた。その後農協の店に行き混合ガソリンを仕入れ、草刈機でまだ高々30cm程度の丈の畑の雑草を刈り取った。その後、昨年教わった要領で梅の枝を20-30cmに揃えて剪定した。第1ラウンドは殆ど苦も無く終った。

もう一つ実家に戻ってやらねばならないのが冠婚葬祭だ。この3ヶ月で同じ集落で2人のお年寄りが亡くなり、入院されていた1人が退院されたことが2―3日して分かった。近所の長老のオバサンに聞くと二人とも組内ではないので、基本は私の考えでやれば良いという。

それでは困るので尚聞くと、相場としては親しければ5000円、普通なら3000円だという。一人は同級生の父親なので5000円を包んで線香をあげに行った。退院されたオジサンには母のお見舞いを5000円頂いたので簡単だった。驚いたことに、翌日直ぐにお返しが帰ってきた。彼は杖が必要な体になったが、一人で車で出掛け買ってきたようだ。何か悪いことをした気がする。

散歩の途中に私の個人的な定点観測所がある。その一つが橋の下の鯉だ。以前居座っていると投稿したが、下流の橋の下に蔓延っていた藻が全くなくなり鯉も消えていなくなった。上流の橋の下もたまに数匹みかけるだけ、どこに行ったのだろうか。サギやカルガモも少ない。何かが変わったようだ。気になる。■

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孤独な宰相にエール

2011-03-29 23:36:13 | 国際・政治

的外れの非難

来年度の予算が衆院の優越規定で成立したと報じられた。しかし、この後のつなぎ法案や予算関連法案については先行き不透明、震災復旧の補正予算については当面は予備費で凌ぐにしても早急に具体化すべきだが、未だに与野党一致して国難に取り組む姿勢が明確になっていない。

大震災翌日に菅首相が福島原発に視察した為に初動が遅れたのではないのかと、参院予算委員会の終りの質疑で指摘する場面がテレビ画面に流れた。視察がパフォーマンスで東電が対応で初動が遅れたという指摘は、週刊誌やネットなどで流れていたが国会審議で質疑の対象になるほどのことか疑問だ。そんな議論よりどうやって国会議員全員が復興に貢献できるか提案しろといいたい。

メディアに評判の悪い菅首相

菅さんは殆どのメディアに評判が悪いように私には感じる。特に大震災対応では決定はパフォーマンスといわれ、記者会見の頻度を減らすと引きこもりといわれる。谷垣自民党総裁に連立を申し入れると拒否され、党内も含め根回しも何も無い唐突な申し出と報じられた。こちらの田舎では日本経済新聞のみ購読しているが、どの記事でも後半に必ず党内にも異論がある等と菅首相の決定に疑いを残すコメントがつけられている。という事は記者がそう見ているということだろう。

こちらではテレビはNHK・民放とも見えるが、ラジオはNHKとTBS系しか聴けない。NHKはともかく民放テレビも、私が推測するに、地震報道に不必要なパニックを起こさせないよう神経を使っている印象を受けている。だが、ここにきて原発事故が長引くにつれて政府批判する避難者の声に続いて、評論家が政府批判する番組をいくつか見た。困っている人達が現実に居るのだから、ある程度は止むを得ないだろう。

だが、全国放送で菅首相などに対する個人攻撃のような批判をする評論家の発言を聞くと、私はやり過ぎだと思う。それで一体何を提案しているのか、被災者の為に何をしようとしているのか。私にとっての発見は、ラジオ放送ではその種の人達の意見がよく聞かれる。週刊誌やネットでは多様な意見があるのは私にとって織り込み済みだったが、全く受身で入ってくる旧タイプのメディアであるラジオ放送がこの手の内容の放送をするとは思っても無く、いささか新鮮だった。

過去と比べ落第じゃない

菅さん、評判悪いよ。だけどもう一度先日の記事「贈る言葉」を私は申し上げたい。彼らの指摘が全て誤りとは言わないし、問題指摘をしない方が良いとは思わない。だが、大局を見れば今回の大震災では最も重要な決定を外さなかったので、踏み止まっていると私は信じる。これらの決定は当たり前と思われているかもしれないが、かつてはそれほど簡単に即決出来なかった。

最も重要な決定は、自衛隊・米軍投入の迅速な決定である。阪神大震災の時、自衛隊の投入の判断が遅れ、海外からの支援の受け入れに手間取ったのは記憶に新しい。今回震災直後からずっと自衛隊の救援活動は目覚しかった。更に、東北から千葉まで500kmに渡る海岸線が被災し陸路が使えない状態で、米軍史上で最大の支援を受けたからこそ現在までの被害で食い止められたというべきで、いくら感謝してもし足りない。その判断を即決したのは菅首相だ。

次に私が高く評価するのは、特に福島原発事故について前例の無い情報開示をしたことである。これだけの生々しい情報を下手に公開するとパニックにする恐れがあったが、枝野官房長官の適切な説明はメディアと国民の冷静な対応の基調を作ったと評価する。海外から情報隠しを指摘されたこともあったが、初期の混乱を除けばむしろ過剰に情報を出しすぎ受け取る側の咀嚼能力を超えたと思われる場面もあった。

情報は不足か、過剰か

海外の原発事故報道にはいい加減で事実でないものが沢山あった事は既に投稿した。初期の情報不足が原因だけではなかったと私も考える。三流紙だけでなく信頼していた海外の著名な記者が、つまみ食いみたいないい加減な記事を書いているのにはショックを受けた。昨夜のNHKの深夜放送で今回のフランスの放射能汚染パニックについて、フランス人はチェルノブイリ原発事故で何も知らされなかった経験(トラウマ)から、政府や専門家が何を言おうと信じないのだという。

福島や茨城産の野菜に続き、東京都に始まった水道の放射能汚染が公表され、全国で風評被害や水などの商品が買い占められ品薄になったから、あまりフランス人を馬鹿にすることはできない。かくいう私の家族でも否応無く水騒動やオムツ騒動に巻き込まれ、背に腹は変えられず田舎で水を買って東京に送る羽目になった。それでも、この程度で収まっているので今回の情報公開が改善すべき点はあっても落第とまではいえないと思う。

超党派の震災復興体制をさっさと作れ

以上のように、引きこもりといわれるが菅首相だが、過去の政権では問題を残した重要な意思決定をしたと私は考える。東電を恫喝したというが今日の事態を考えるとそれ以外の選択など無かった。福島原発に行かなかったら逆の批判を受けた可能性が高い。ハリケーン・カトリーナでニューオーリンズが大被害を受けた時、ブッシュ大統領は現地を訪問せず大幅に支持率を落としたのが思い出される。9.11で小泉首相が直ぐNYに向かったのも意識したのかもしれない。

今最大の課題は超党派の震災復興体制の構築であり、やり方の問題でクレームをつけたくなる気持ちは分かるが野党も我慢して国民の為に一緒にやる仕組を早急に作って欲しい。菅首相は未だにマニフェストにこだわる一部民主党を切ってでもやる気概を持ってやって欲しい。特別復興税を設け全国民は痛みを負担すべきだ。ついでに、減税日本及び名古屋市民殿、減税分は諦めて全て東北地方の方に寄付してください。■

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不安の伝染(続)

2011-03-27 17:04:32 | 日記・エッセイ・コラム

全国のスーパーから水が無くなり、我が家が右往左往した話には続きがある。昨日長男の嫁の両親と家内が若夫婦の住む五反田のアパートに様子を見に行ったそうだ。そこで乳児に絶対必要な別のものが危うく無くなるなるところだったと家内が電話をかけてきた。

今度は紙おむつが手に入れ難くなっているらしい。嫁さんが息子に相談すると慌てる事は無いと取り合わなかったという。しかし現実には店頭では品薄になっており彼女は売り切れ寸前の紙おむつをやっとのことで手に入れたという。「もうパパの言う事は信じない」と彼女は怒ったそうだ。そう言われて、息子は形無しだったと想像する。

水が売り切れたのはまだ理屈が分かるが、合理的に考えれば紙おむつが品薄になるなんてありえない。「馬鹿げている、過剰反応だ」と息子が思うのはわかると私は答えた。すると、そういうところが「息子とあなたはそっくり、分かってない」と彼女は私を非難した。

現実に起こった事だし喧嘩する気は無いので何も反論しなかった。不安に襲われた時の群集心理と行動は合理的に説明できないし、予想しなかったことが起きたということだ。だが、人の心を分かっていれば予想できたことだと言い返されそうだ。子供の為にはそこまで考えよ、と。

大震災で冷静に対応する人たちが賞賛される一方で、被災地とは関係ない全国の店頭で品切れの商品が出てくる。報道を見ると、どん底に落とされた被災地の人達より、直接被害を受けてない人達の方がより不安になって買い占めに走り、震災で受ける(かもしれない)苦痛を声高に訴える。助かっただけで十分とは言わない。それも人情か。その人情を理解しないと息子と私は責められた。沈黙。■

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不安の伝染

2011-03-25 23:40:02 | ニュース

京都が23日に水道水の放射能を測定した結果、許容値を超える放射能汚染が検出され、乳児の粉ミルクや飲物に水道水を使わないよう呼びかけた。そのニュースを見て、東京は最悪パニック事態になるかもと私は恐れた。

私が見た限りテレビはパニックを起こさないよう、冷静にしかし事実を伝える報道に努めたと思う。それでも、夜の番組で売り場からミネラルウォーターが無くなった画面は十分衝撃的で、結果的には消費者に水をもっと買えと迫ることになるだろうと予測した。そして、予測通りになった。

巷間では事実をキチンと伝えよと言う声も強いが、事はそれほど簡単ではないことを如実に示した。「放射能」という言葉には元々アレルギーがあるし、一般の人に科学的な知識や規制値がどういうものか理解するのは難しい。放射能リスクの議論自体がタブーだった時代が長いことも影響している。今更議論しても状況はそれほど変わらない。今後もっと難しい対応に迫られるだろう。

ともあれ、翌日気になって都内に住む長男の嫁に水は大丈夫かと聞くと、8ヶ月の乳児には母乳をやっているので今のところ大丈夫だと返事が来た。ニュースで報じられた通りの冷静な判断だと感心した。その日の夜、家内からメールが来て四国から水を送ってやったらどうかと催促されたが、この日東京都は許容値以内に汚染が低下したと発表した、過剰反応せず様子を見ようと返事した。

一夜明け今朝方A証券から連絡を受けて聞くと、原発事故不安に対し市場は落ち着いた反応になり再び上昇傾向に戻した。街の様子を聞くと、Bストアーでは普通の安い水は全て売り切れだが高い水は棚に残っていると言う。本当にパニックになったら全て売り切れるはず、という彼の説明を聞き私も同意すると同時にホッとした。

だが、昼食の準備をしようと机を片付け始めた頃、長男から電話が入った。彼から電話が来る事は滅多に無い。何かあったなと思って構えると、田舎で水を仕入れて東京に送って欲しいという。2日前の嫁さんは冷静だったぞと答えると、その後友達から水や放射能を除去するフィルターなどを揃え、万全の構えで放射能汚染に備えていると聞き心の安定が崩れたようだ。

児を抱える母親友達ネットワーク経由の話を聞いて、何も対策して無い自分に気づき居ても立ってもいられなくなったのだろう。「彼女の気持ちは分かる、心の問題」だなと聞くと、そうだという返事だった。それじゃ議論は無意味と判断して何とかすることにした。

昼食後、いつも買い物をするスーパーに行くと水は全く無かった。何時入ってくるか見通しが立たないと言う。お茶やジュース、スポーツ飲料は文字通り山積みされているというのに。次に行った農協系のスーパーでA証券氏が言ったと思われるやや高い水を見つけた。店員はこれしか残っていないと言う。何時からと聞けば、東京都の発表以来という返事。やっぱりな。

一箱買って宅急便センターに持ち込み手続きした。東京へは3―4日かかるという。10日前には1週間はかかると言っていたから少し改善したようだ。受け付けてくれた事務員に聞くと、他にも水を送る人はいるらしい。私の後に来た中年女性も荷物の中に水を入れて千葉に送ると答えていた。

最初冷静な反応をしていた嫁は友達を見て不安になった、普段「超」が付くくらい合理的な息子は彼女の不安を鎮めるために水を求め、そんな息子夫婦の求めとあれば孫のためと即対応する祖父。こうやって全国の店から水が無くなり、不安が伝染していく。私も加担した。■

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チョット気に入らないこと(補)

2011-03-23 19:04:14 | ニュース

私の印象は一方的だったかも。誤解を与えたかもしれないのでちゃんとした記事を紹介したい。下記記事は私のと違って、一般紙から高級紙までしっかり調べた上で評価しているので、海外の報道のされ方を全体として把握されたい方は一読することをお勧めする。

http://news.goo.ne.jp/article/newsengw/world/newsengw-20110322-01.html?pageIndex=1 

大雑把に言えば評価は玉石混交ということのようです。事実と相反する内容のものもかなりあるようです。それを日本政府の発信の貧しさと決め付けられないところがあると理解を示しており、私もそう感じる。報じる側の問題として、米国の人気キャスターの「つまみ食い報道」は私も感じていたことです。

私が酷評したNYタイムズは評価が高い(私はまだ納得しない)一方、英国のサン(日本の日刊現代みたいな大衆紙)のような酷い例を挙げている。と言うのも、多くの人は大衆紙しか読まないからという。高級紙を読む人は限られている。欧州の人達がチェルノブリのトラウマを忘れられないのは仕方がない。

週刊誌などを含む日本の報道全体を見渡すと玉石混交は同じ傾向と思うが、メジャーな新聞テレビは従来に比べ抑制が効いているように感じる。この時期に悪い情報を社会に悪影響を与えないように伝える難しさに直面していると推測する。私の直感的印象では、社会部に比べ政治部の報道にやや無神経さを感じる。■

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