かぶれの世界(新)

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グローバル金融・パラダイム・シフト(仮説)

2007-09-30 21:51:09 | 社会・経済

ブプライム問題に端を発した世界連鎖株安・信用不安は新しい段階に入ると今月20日に予測した。米連銀は短期金利を下げ、欧州銀行や日銀は予定されていた金利上昇を据え置き、連携して資金注入し信用不安の解消に努めた結果、日本を除く世界の株式市場は2ヶ月ぶりに一応回復した。

しかし、私は解決ではなく新たな段階へと見做した。それは中央銀行の対策は根本解決ではなく当座凌ぎの対症療法であり、世界金融システムを変えるような変化が今後起こる可能性を感じたからに他ならない。それは具体的に何か、可能性を議論するのが今回の目的である。

何時もの大胆予測より不確かな確度0.1-0.2程度の、想像力を思い切り働かした素人の俗説であることをお断りしておきたい。私自身の頭の体操的発想であり、話半分ではなく百に一つ程度の可能性だ。こなれていない考えを整理するだけでも現状の理解に役立つことを期待したい。

状況認識1: 長引くサブプライム問題、堅調な途上国経済

米国の住宅価格低下が続くとサブプライムローンの焦げ付きは更に悪化するのは間違いないだろう。現在予測されている32兆円から、最悪の場合80兆円規模まで拡大の恐れがあると見られている。しかも日本のバブル崩壊の教訓から資産価格が暴落し破綻を伴う処理を急ぐ訳には行かず(大前研一氏)問題は長引くのは避けられそうも無い。

結果として米国GDP7割を占める消費の停滞は避けられず、ただでさえ2%に押し下げられた米国経済成長率予測が更に低下し、世界経済への悪影響が憂慮される。既に2007年の世界経済成長率が0.5%押し下げられ4%程度になる(IMF)と見られている。

一方で98年のアジア通貨危機と01年のITバブル崩壊時と異なり、アジア、エマージング諸国の経済は堅調である。中国株価は7月末の世界連鎖株安発生時に急落したものの短期間に値を戻し、その後も株価は天井知らずで驚異的に伸びている。

中国ばかりではない。その他の国々の株価も後を追って史上最高値を付けている。その理由は貿易の米国依存低下と、アジア各国の外貨準備高が98年とでは異なり通貨危機に対応できるようになったことである。日本も中国およびアジア諸国との貿易額が対米貿易額を上回った。

状況認識2: ドル追随を止め始めた途上国通貨

注目すべきは連銀が短期金利を大幅に下げたとき、サウジなどドル・ペッグした通貨国の多くが追随せず金利を据え置いたことである。つまり、ドルの価値が下がっても放置し自国の通貨高を認めるという政策変更だ。

これらの国は米国債の大量保有国であり、このままでは今後も米国債を買い続け米国の赤字を補填してくれる保証が無い構図が出来上がりつつあることを意味する。結果としてサブプライム問題は基軸通貨国としての米国の影響力の低下を加速させ、由々しき事態が生じていると見なす事が出来る。

単に米国の影響力低下という捉え方は不十分かもしれない。日本経済新聞はずっと先のことと思われていた日中逆転が早くも2010年に起こる予測をしている。米国が主導してきた日米欧主体の国際金融体制、所謂「ブレトンウッズ体制」が変化し適切に機能しなくなった。世界経済の重心がシフトし水面下から浮上し始めた。

仮説: 米国の次の手は統合金融システム?

米国政府及び連銀は対症療法を処方しただけで、根本処置にはまだ手を付けていない。22日のNYタイムズは日金融商品の不透明性、ヘッジファンドとプライベートファンドの取引監視の必要性を主張している。前々からの私の主張でもあるが、米国はそれ以上のことを考えていると思う。

米国影響力の低下、中国・インド等途上国の急成長、EUの拡大と日本プレゼンスの低落等々世界経済の風景は急激に変化している。同時進行でグローバル金融システムは国境を越えて密接に連携を強めている中、サブプライムを発端に現行の仕組みがもたらす深刻な問題が起こった。

米国はこういう潮目が変わった時新しい経済秩序をもたらし、かつ自国に都合の好いパラダイムを作り出してきた。大西洋と太平洋をはさんで欧日と政治・経済の安定・発展をもたらす同盟関係を構築し、世界の富を米国に還流させるシステムを確立した。

元々米国のみが超大国という世界では、米国だけに都合が好いとは言い切れないシステムであり、他に良い代案があったとはいえない普遍性があった。特に90年代からIT連携して金融技術とNY市場の先進性とヘッジファンドやプライベートファンドの組み合わせは、金余り世界の受け皿になりリスク領域に資本を行渡らせ今日のグローバル経済の発展に貢献した。

米国はこの機会に「受け皿の改革」をやる積りというのが私の直感だ。サブプライム問題の根本対策を打つ時、それは同時にグローバル金融システムのパラダイムを変えるものになるというのが本仮説の趣旨である。正直具体的には分からないが、多分以下のような性格のものだろう。

それは汎ゆる資産がITで統合され24時間取引され、徹底して透明で効率的なプロセスになる。途上国に参加を動機付けるアメとムチがあり、結果的に資本が米国を通過する巧妙な仕組みを内在させたものになるはずだ。各国はそれに気付くが、今回もそれより優れた代案を提示できず受け入れることになると言うのが私の読みだ。

世界は当面米国の覇権が続くことを望み現状を変えたいとは思っていない。アメやムチは基本的に米国市場や技術の先進性に対するアクセスとなるだろう。その第一手はサブプライム問題の国内向け根本対策の形で現れるだろう。但し、中国とインドの国内市場が育つ前でないとアメもムチも効かなくなり、残された時間はそれほど長くはない。ここ数年内の話だ。

余談

我国は現行システムから大きな利益を享受してきた。しかし、プレゼンスの低下に留まらず内向きの性格を取らざるを得ない政治環境下で、新金融システムの構築に貢献し果実を手に入れることが出来るだろうか。最大の減速要因は官僚だろう。「いつか来た道」を辿る恐れは十分ある。しかし希望もある、改革のスピードアップ出来れば膨大な個人資産の威力と知恵は十分使える武器だと思う。■

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福田第一次内閣は合格

2007-09-25 23:44:44 | 国際・政治

福田内閣の新布陣は安倍内閣の15人の閣僚が再任又は横滑りするという、ある意味「何も変わらない」というサプライズであった。人事のメッセージは空白国会に対する緊急対応と、テロ特措法一点集中布陣との様に思われる。

海外のメディアをざっと見ると、福田氏をモデレート(中庸の人)もしくはコンプロマイザー(妥協の人)と呼び、改革がスローダウンすると見ている。欧米の見方は小泉時代を基準に改革が進むか否かを見て評価し、福田政権が内向きになると見ている。

国内では中曽根氏らの理念型リーダーに対し、福田氏を調整型の人と評価している。政策的には安倍内閣の成長路線に対し、財政規律の回復と格差問題の解消が福田内閣のアジェンダだと見做している。

しかし、新内閣布陣を見ると福田氏の優先順位設定はリーダーに相応しい状況認識と判断の健全さを感じる。注意すべきは国民の信頼が回復する前に極端にポピュリズム化したメディアの対応を誤らないことであろう。スタートは地味だけど決して悪くない。■

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いつか来た道-柔道編

2007-09-22 22:45:32 | スポーツ

下氏が10日ブラジルで開かれた世界柔道連盟(IJF)総会の理事選に敗れ、日本が1952年にIJFに加盟以来始めて日本人理事がゼロになったと報じられた。その後気になって関連する記事を調べたが、大方の論調は今後の日本柔道界の影響力低下を憂慮する内容であった。

調べていくうちに、これは特別のことではない、スポーツ以外の分野で日本が何度も苦い思いをしてきた「いつか来た道」を日本柔道が辿っている、というのが私の印象だ。スポーツ以外の分野を含めると世界で優位に立った次の瞬間、戦うルールが変わりトップから引き摺り下ろされるパターンを何度も見てきた。 

山下氏は世界的に著名で尊敬された柔道家だが、日本のようにそれでもって担ぎ上げられる事を期待しても酷だ。スポーツの世界でも実業家や弁護士が丁々発止の権力闘争をする。山下氏の書簡というものを読んだが、スポーツマンとしては立派でも多数派工作もジャパンマネーを背景にした駆け引きもナシでは勝負にならない。

大方の報道は、ビゼール会長はカジノ事業で成功した大富豪で、金の力で反対派の朴前会長を追い落とし、朴氏を支持した山下氏の再選を阻んだ、これで競技発祥地としての威信・発言力の低下、具体的には情報の遅れやルール変更等で日本選手が不利になるというもの。

これら日本メディアの報道はまさに視野狭窄の極みというか、本当に情けなく悲しい。報道ではビゼール会長は金に物を言わせて柔道連盟を乗っ取った極悪人のように描かれているが果たしてそうなのか。どういう背景があって彼らは何をしようとしているのだろうか。

道の人気は世界では低落傾向にあり、オリンピックの種目から外されるという不安が欧州柔道界にあるのが背景のようだ。人気低下はアテネで日本が大勝ちしたのも一因という。対策として世界選手権の毎年開催、テニスのうように世界各地を転戦するグランプリの開催と選手のプロ化・ポイント制のようなものを計画しているという。

当然、観客に分り易い規則の変更等も予想され、それが日本人選手に不利になるだろうという報道だ。どの報道にも柔道を世界に普及させる為に日本は何をすべきかと言う視点が微塵もない。悲しいばかりに身勝手な被害者的発想である。これもまた日本人のDNAとは思わないが。

格差問題などを語るとき「弱者もまた腐敗する」というのは私の口癖だが、この報道は弱者に逃げ込むという発想のように私は思う。門外漢の私だが、日本柔道(報道)は常に改革に反対し敗れ続ける歴史だったように思う。だが、改革は今日の柔道の隆盛をもたらした。

東京オリンピックの頃の体重別階級導入から始まって一本勝ちから時間制と判定勝ちなど積極性とスピード感を持ち込んだルール改正、観客が見やすくなったカラー柔道着など日本柔道界は全て反対した。今日の柔道の普及振りを見ると、これらの改正は正しかったことは間違いない。

日本の報道も柔道界と同じ立場に立って被害者的発想を伝えるだけで、見識の無さは変わらなかった。しかし、日本だけではない。代表的な例では、サッカーは英国で生まれたが、大陸が変えたルールはサッカーじゃないといって、英国は長らくワールドカップに参加せずその間に世界のサッカーの中心は他国に移った。多少慰めにはなる。

もう一つ心配なことがある。日本人選手はアマチアであっても強くなると手取り足取り全て面倒を見てもらい、独立して普通の生活をする訓練がされてないという。言葉が通じない世界を一人で転戦していく逞しさがあるだろうか。プロ化で一気に日本柔道が弱くならないことを祈る。■

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サブプライム問題は次の段階に

2007-09-20 23:43:17 | 社会・経済

予想以上の金利引き下げ

米連銀は一昨日公開市場委員会(FOMC)で短期金利(FFレート)の誘導目標を0.5%引き下げ年4.75%とし、合わせて公定歩合も0.5%下げ年5.25%にした。又、米下院は同日連邦住宅局(FHA)による信用保証の拡大を柱とする低所得者のローン返済を支援する法案を賛成多数で可決した。

市場は当局の経済を安定化させる強い決意を感じ取った。これを好感して一昨日のNY株式市場ダウ平均は5年ぶりの上げ幅で前日比336ドル上昇、昨日も前日比76ドルと続伸、サブプライム問題に端を発した世界連鎖株安が起こる前の株価に回復した。

問題解決になったか

これでグローバル金融システムを揺るがしたサブプライム問題を収束させる見通しが立ったことになるのだろうか。今月初めに紹介した9月危機説は乗り切ることが出来るのであろうか。取り残された日本も回復の道を辿れるだろうか。結論から言うとそれほど甘くないというのが私の意見だ。

今回の連銀FFレート引き下げは、世界的金融システム不安の原因とメカニズムが明確に解明されないまま、対症療法的に投薬された栄養剤と精神安定剤の性格が強い。危機の発生源は明らかだが、それが何故金融危機にまで発展したのか。リスクが見えなくなる仕組みをもう一度復習してみる。

毒は如何にして全身に回ったか

それを日経NB onlineは以下のように説明している(意訳)。震源となったサブプライムローン債権は証券化されると、銀行や住宅金融会社など金融機関のバランスシートから外れる。次にその証券は他の証券化商品を組み合わせることによって、見かけリスクの低いCDO(合成債務担保証券)になり、投資ファンドや銀行傘下の投資会社に買われた。

さらに投資会社はそうしたCDOを担保にCP(コマーシャルペーパー)を発行して世界から資金を調達していた。ところがサブプライムローンの焦げつき率が高まったことでそれが不可能になった。これら投資会社に対してCPが発行できなくなった際の資金を保証していた銀行が欧州に多く、問題は欧州に波及し世界の金融システム危機が生じた。

債権の証券化、細分化を通じて、世界から米国に流入したカネが金融機関から再度世界の投資ファンド、さらに信用供与という形でまた世界の銀行に。ぐるりと回るうちに問題は拡散し、どこまで広がっているのか誰にも分からなくなった。CDOが全世界で約3兆ドル、CPは約1.6兆ドルとも言われる「疑心暗鬼の連鎖」の評価額だ。

処方箋を巡る批判(対症療法か、道徳教育か)

銀行間での資金のやり取り、つまり短期金融市場の機能が不全に陥った(お金が回らなくなった)のは、取引銀行がババ(サブプライムローン問題)を掴んでいるかもしれないという疑いを拭えず、この疑心暗鬼の連鎖が生んだ結果だ。となると、FFレート引き下げは正しい処方箋といえるか。

FFレートの引き下げと資金投入によって、誰が救済され、誰が救済されないか。誰の責任で誰を救済すべきか。サブプライム問題は、最初これが世界金融システム不安にまで波及するとは予想されなかった。今年の初め私も、金融技術がリスクをうまく分散させていると尤もらしく説明した。犯人は一人ではない。

サブプライム問題を世界に波及させたのは金融商品とグローバル金融システム全体の複合汚染であり、未だに何等の修正もなされていない。ファイナンシャルタイムスは大手金融機関といえども間違えば痛みを感じるべき、理解不可能な商品の市場を中央銀行が公金を使って救済すべきではないと主張している。聴いたことのある議論だ。日本の経験が役に立つかも知れない。

事態は深刻

事態は経済に倫理を求める状況ではなくなった、というのが私の印象だ。前回紹介したようにサブプライムの焦げ付きはまだ収束していない。8月のローン返済遅延は35%増加したと報じられている。サブプライムを組み込んだ証券を購入した金融機関、特に中小の金融機関、の資金ショートがこれからもかなり出て来る恐れが強い。

最悪ケースはこのままだと実体経済へ影響がでることだ。既に米国経済の7割を占める消費支出への影響が徐々に出始め、これがBRICs諸国の貿易と投資の両面から抑制要因になることは避けられないように見える。かなりの欧州の中小金融機関がババを掴んでいる噂もなくならない。

今は「倫理」より「生き死に」の問題

経済に倫理を求める前に中央銀行が市場に十分血液(資金)が流れるよう手を打ったのは妥当だと私は考える。手遅れは絶対に許されない。上記のFT論説でも中央銀行の目的はマクロ経済の安定と健全な金融システムを区別して明確に示すことであると主張しているのであり、危機レベルの認識が異なれば患者救済を優先させる手も矛盾はないはずだ。

つまり事態は罰を与えるよりマクロ経済の安定という視点で輸血と鎮痛剤を与え、体力回復した後で患部の外科手術をすべき状況にあると私は考える。外科手術は一言で言えば商品とプロセスの透明性を高めることだ。米大統領や議会は住宅オーナーの救済の議論ばかり聞こえてくるが、次のステップとして根本原因の解決にもリーダーシップを発揮して欲しい。

サブプライムの次は中国バブルか?

ところで世界がこれだけ大揺れに揺れているのに、実は日本を除く中国とその周辺国を中心としたアジアの証券市場は好調で史上最高値を記録している。既に中国と香港の総株価は日本を遥かに上回っている。

あっという間に追い越された。日本のバブル時代に米国の総株価や土地を上回ったと浮かれた時があったのを思い出す。これは別のバブルかも知れない。崩壊したら日本の家計へのインパクトは想像するだけで空恐ろしい。■

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9.11の風化

2007-09-14 22:46:06 | 社会・経済

気がかりなことを一言。新聞報道によると6年目を迎えた9.11の追悼行事は、再開発が始まった為グランドゼロ近くの公園に移動して開催されたという。遺族の一部からクレームが出た一方で、新たな動きが出始めたことが報じられている。

年は当地メディアの扱いに変化が起こったという。衝撃的な事件から6年経ち「何時まで追悼すればいいのか」という問いかけに始まり、所謂「9.11疲れ」とか「追悼疲れ」現象が出てきた。追悼式を最後まで中継しないテレビ局も出たそうだ。

しかし、単なる風化というより教訓を生かして前向きで地道な活動に転換しつつあるというのが報道を見ての私の印象だ。今までの家族を失った悲しみに満ちた感情的な行事から、テロの悲劇を繰り返さない市民レベルの外交から教育活動など前向きな動きが報じられている。

他の国ではどうだろうか。今も直接テロの脅威に曝されている欧州を中心に世界各地で問題を共有する追悼式が行われたという。一方、日本でも各地の宗教関係等の施設で追悼式が行われたようだが調べた限り新聞・テレビは全くといってよいほど日本での活動を報じていない。

9.11の犠牲者2700人余のうち日本人が24人含まれているのだが、何故か日本では関心が無いように感じる。テロは依然世界にとって最大の脅威の一つのはずなのだが。

原因の一つは安倍首相辞任というビッグニュースと重なったことであるのは間違いない。米国が強引に進めたイラク戦争(有志連合国が参戦したが)が泥沼に入り、対テロ戦争が誤った戦争と認識され厭戦気分が広まったことも原因している。 

大の理由は、しかしながら、メディア自身がテロは遠い国で起こっている他人事と見做し、ニュース価値がないと考えているからだと思う。イラク戦争が始まったとき毎日見かけた中東やテロの専門家も最近ではとんとお目にかかれなくなった。

もしかしたら日本が最もテロの脅威が風化した国ではないだろうかというのが私の印象だ。イラクで日本人犠牲者が出た頃と今とでは大違いだ。日本は世界中でビジネスをし、企業の利益の殆どは海外から得ているのだが、テロだけはグローバル化していないと無意識に考えている。

テロ特措法は戦争行為の一環と見做す憲法解釈上の判断でその賛否はあって当然だ。しかし、何のメッセージも聞こえない。世界市民として問題を共有しともに解決して行こうという気持ちが無く、ただ「アッシにはかかわりの無いことです」という姿勢は別の形の一国平和主義と軽蔑を受けることにならないだろうか。

私はメディアが責任を果たしていない、もっと頑張って発信して欲しいと考える。テロというと米国のごり押し非難しか思い浮かばない発想の貧困さが、結局日本を世界市民と共感をもたない特別な国にしてしまうのではないかと考えるが如何なものだろう。■

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