かぶれの世界(新)

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母の七回忌を終える

2022-07-30 21:03:07 | 日記・エッセイ・コラム
母の命日から6年18日経った昨日、七回忌を東京から家族全員が参加して何とか終えることが出来た。命日後になったのは孫たちの夏休みを待って家族揃ってやりたかったからだ。和尚と日程を決め墓掃除をやり、家族宿泊の為の部屋や風呂トイレ等の準備するだけで疲れた。その上、会食や夜のお疲れ鵜飼い見学等々のアレンジ、やっと終わったというのが正直な感想だ。

最初は日取りを決めた後、法事の形式をどうするか土地の人に聞くところから始まった。自宅に和尚さんに来てもらうことなく本堂でお経をあげて法事を始め、お墓に移動してお札を立て線香をあげておわり、その後非公式に近況を伝えた。お盆の行事はコロナのせいで中止し、併せて棚経は私の方から都合が悪いと言ってお断りした。もう、棚経の準備を独りでやる気力がなかった。

田舎で一人暮らしをする高齢者が家族全員が遠方から集合して真夏の行事をするのは大変だった。家内は70才になっても仕事をしている。子供達は全て40代の現役で忙しい仕事を抱えており、小学生になった子育ては専業主婦がやっている。田舎にいる私がやるしかなかった。といっても水面下で家族の助けがあり何事もなく無事終わりそうだ。家内と末の息子はもう帰京した。

七回忌なのに母の思い出話が殆ど出てこなかった。私に余裕が全くなく、母と私達夫婦や子供とのエピソードなど紹介することもなかった。ただ、お酒を飲み食事をして孫たちの成長ぶりを聞き、会社仕事にコロナがどう影響し変わったか、など世間話ばかりした。それでも、久しぶりに会う家族の間の会話として大事なことだ。だが、母の思い出を語るのは息子の私がやるべきだった。

結果的には私にとって孫達の成長が最も印象的で、それが母の七回忌の思い出になった。法事後の会食は近くのホテルのレストランで済ませる積りだったが、娘がネットで調べてくれた内子町の料亭で土地の料理を頂くことにした。懐かしい料理でとても良い選択だったと思う。私はネットで調べてもちょっとピント外れの選択をするが、子供達が選ぶと何故かセンスの言い結果になる。

もう私の出番は終わったのは明らかだと思った。次の行事はもう子供達に任せるべきだとつくづく思った。実は法事の前日に家族が揃った時に小6の孫の誕生パーティをやった。とても楽しかった。その時に私は「次の世代の時代」がもうすぐ来る、孫の誕生パーティはそういう思いだと最初に挨拶した。つくづく私の時代は終わったと思った。■
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散歩道で熱中症を学ぶ

2022-07-28 11:49:06 | 健康・病気
私の田舎暮らしのは下手をすると1日中誰とも話さず終わってしまうこともある。そんな独居老人に入ってくる情報はインターネットかテレビ経由或いは有線放送だが、田舎暮らしには役に立たない。私にとって役に立つのは散歩中に出会う地元の人達からの情報だ。

散歩中に良く出会う馴染みの老農夫からの情報は、私には面白く時に役に立っている。例えばタニシだがそれだけじゃない、このところ夏バテ気味の一人暮らしの私にとって熱中症の情報は貴重だ。早朝か夕方に散歩に出かけた時、農作業か庭の手入れをする彼の姿を時折見かけ声をかける。

私は「無理するな、熱中症になるぞ」と決まり文句を言うと、昨日の彼は数年前に熱中症で大変な目に遭った経験を話してくれた。直前まで熱中症の気配を感じなかったという。彼は気分が悪くなり動けなくなり病院に運ばれ、その後1週間気持ちが悪く何度も「えずき」、吐き気が続いたという。

気持ちが悪くなった時は手遅れだという。微妙な熱中症の前触れがあったはずで、その前に仕事を止めなければいけなかったという。それ以来、彼は夏場は夜9時以降に散歩に出るのだそうだ。実際に経験した彼の話は何故そうなったか、どんな自覚症状だったか、等々迫力があった。

老人が屋内で熱中症にかかるニュースをよく聞く。散歩時の雑談の積りが真面目な会話になった。散歩する時に学ぶ情報は熱中症だけではない。地元の高校が甲子園出場を決めた時の近辺の反応について詳しく教えてくれたのは、学校の近くを散歩した時知り合った貸家の女主人だった。

一昨日は、犬を連れて散歩中の中年婦人がパグとフレンチドッグの違いについて教えてくれた。散歩だけではない。話好きの高齢者は散歩に限らず誰かに出会うと話が弾み、結果的に貴重な事例を教えて貰った。会社勤め時代に身につけた相手にすり寄るコツが役に立っているのかも。■
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田舎暮らし雑感2022(9)

2022-07-26 22:32:59 | 日記・エッセイ・コラム
ピンクの卵を産むタニシについて老若両世代の認識を聞いた。買い物を兼ねて川沿いの散歩道からあぜ道を通ってJR線路と高速の下を通り抜ける時に、潰れたタニシからはみ出したピンク色の卵を見た。その時すれ違った高校生に聞くと、彼は何も知らず素人の私が解説することになった。

次の日に東に向かい喜多山地区に入るところで道路沿いの水田には、ピンク色の卵が見つからなかった。途中で北側の集落沿いの小道を歩いて戻って行くと、たった一人老農夫が畦道で作業をしていた。農機具を使ってなかったのでもしかしたらタニシを除去しているのかもと思った。

声をかけると作業を止めて小道まで来てくれた。彼によるとこの地帯の水田は「ジャンボ・タニシ」はいないという。初めて聞く名前だった。数年前に侵入しかかったが何とか防いだという。その代わりに猪害が頻繁に起こったらしく、確かに山際に電気柵が張り巡らされていた。

話していると老農夫は私の同級生の井上君だった。彼は昭和23年生まれだと言い私が22年生なので間違いなかった。最初から親しみを感じる顔だったが名前とか思い浮かばなかった。何人か近くにいる同級生の名前を聞き思い出したが、肝心の彼のことが具体的に思い出せなかった。

彼は農業を始めて15年といいそれ程農業の知識がある様には感じなかった。補聴器を付けていた。多分、彼は会社勤めを定年退職後に農業を始めたのだ。そこで高校野球県大会の選手が他県出身なのを思い出した。私の知る限り、農業も地元のたたき上げの農夫が殆どいないのだ。

別れ際に彼は自分が元気な間は農業を頑張るけどその先は分からないと言った。私の場合はもっと酷い。農地バンク経由で農地を5年単位で貸すか、売って欲しいと請われた農地は売り払った。今は家庭菜園の畑も雑草だらけで、それ以外直接農作業をすることはない。握手をして別れた。

昨日行われた高校野球地区予選決勝はノーシードの帝京第五高校が勝ち抜き甲子園出場が決まった。だが、キャンパスのある人口数千人の新谷地区は意外にクールな反応だった。多分、地元出身の選手がいないせいだと思う。今日歩いた遊歩道沿いの校庭には人気がなかった。チョット寂しい。■
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関西vs沖縄@愛媛

2022-07-24 20:50:53 | スポーツ
一昨日の午後は強い日差しで外出する気にならず、家に籠りテレビを見て過ごしていた。見たい番組もなくチャネルを切り替えていると、全国高校野球大会の県代表を決める準決勝の試合中継で手が止まった。ノーシードの帝京第五高校と事前評価が高かった松山学院の対決だった。

帝京第五高校は私が通った中学校南側の88ヵ所巡礼の旧道を挟んだ斜め向かいにある高校だった。かつ土木工事の専門家だった父が市役所勤めの合間に請われて一時期教師をしていたことがあった。同じ時期に私は中学校の野球部に所属しており、後輩が帝京に入学し活躍した。

テレビ中継を見てると奇妙なことに気付いた。松山学院の主力選手の殆どが沖縄出身だった。一方、帝京第五の主力選手は大阪や奈良など関西出身だった。そして戦っている舞台はそのどちらでもなく愛媛県の球場だった。つまり「関西vs沖縄@愛媛」だった。

かつて愛媛県出身の正岡子規が米国から伝わったベースボールを「野球」と名付けたと言われた。その後、愛媛県では高校野球が盛んになり松山商業を始め強豪高校が続出し、私が若い頃はどの高校が出ても甲子園大会で活躍し優勝することもあった。

しかし、ある時から状況が変わった。北海道や東北の高校が主に関西から選手を受け入れ甲子園大会で大活躍し、優勝するまでになった。当時の専門家の評価は関西からの選手受け入れと同時に、練習設備が整って冬季でも充実した練習が出来るようになった為という。一方、愛媛県は弱小化した。

それが愛媛県レベルでも他県から優秀な選手を受け入れて野球部の強化を図ったということなのかと思った。子供の時に愛媛県で育った私には、それって県代表なのかと若干違和感があった。そう言いながら50年以上仕事で東京や外国に住んだ私に言う資格などないのだが。■
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失望のかぶれ大国

2022-07-23 21:09:16 | 国際・政治
最初にちょっと偉そうな出だしで始めたい。昨年1月6日に米国議会議事堂にトランプ支持者が乱入し暴動を起こした事件の公聴会で、トランプの側近や関係者等の衝撃的な証言が米国メディアからのニュース速報でパソコンに届く。常識的にはトランプが失脚する決定的な証言と思うが、米国のトランプ支持者はびくともしない。

「Jan.6」というと米国人は直ぐに何を言っているか分かると思う。若い人達の間では「9.11」は何のことか分からなくても、「Jan.6」というと民主主義の危機を体現した「国会議事堂乱入事件」のことだと直ぐ分かるだろうと私は想像する。そのくらいメディアは最重要テーマとして扱っている。ウクライナじゃないのだ。

日本ではないが私も凄く気になる。ロシア軍のウクライナ侵攻が始まって以来、米国の力は衰えたと言いながらウクライナ支援の半分以上は米国からで、逆に欧州(EU)の頼りなさの方が目立つ。米国がいなければEUはとっくに妥協してウクライナは見捨てられ、民主主義は崩壊寸前の暗黒の世界になっていたろう。

それ程重要な役割を果たしている米国の現実は、完全に民主党と共和党(特にトランプ支持派)の二つに分断された、というか全く違う二つの国が存在しているような事態になっている。それだけではない。毎日4人以上が死亡する銃撃事件が複数件発生し、トランプが指名した保守的な最高裁判事が国を二分する堕胎禁止の判決を出したりで、私の目には西部劇時代に戻ったかのように感じる。

タイムリーにも昨日の日本経済新聞には米国は「危ない新興国」に変質したというコラム記事が掲載された。私は全くその通りだと思う。コラムニストのラナ・フォルーハー女史は調査会社の言葉を引用して「米国の新興国化(EM化)」だと指摘したが、悲しいかな「アメリカかぶれ」の私も否定できない、全くその通りだと思う。

何処に原因があるのか、多くの専門家はグローバリゼーションを指摘する。80年代頃から先進国は民主主義は脇において、利益拡大を求め始めた。原価低減と市場拡大を優先し世界に工場と市場を求めたが、その結果は人々や国々の双方に巨大な経済格差を生み民主主義を修復不可能なまでに傷めつけた。先進国の民主主義よりロシアのエネルギーを選ばせた。

思い返せば私が現役サラリーマン時代にあこがれの米国に赴任して働き、ディジタル化など米国的経営効率を追及した。だが、これが深刻な分断を生み民主主義を劣化させる手助けをしているなんて思いもしなかった。正直いうと米国人同僚と南部の労働者を馬鹿にするような会話をした記憶はあるが。

それにしてもこのブログ「かぶれの世界」でこんな記事を投稿する事態は想像もしなかった。トランプが大統領に就任した時代から悪い予感があった。その時「米国民の劣化」だと指摘しブログ投稿したかもしれないが、その時の浅知恵は本質を理解してなかった。グローバリゼーションまで遡り原因を求めることもなかった。それは私自身がその先兵として加担したことになる。果たして私が生きている間にどうにかなるのだろうか。■
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