VWと東芝に共通する不正の構造？

ドイツのフォルクスワーゲン（VW)の排ガス試験を巡る不正が連日報じられ世界が揺れている。ここまで報じられ明るみになった不正は、世界トップの自動車メーカーが顧客を欺いて商品を買わせたという、信じられないほど悪質で不道徳的な決してあってはならない振る舞いだった。

東芝の会計不正は自社の経営状況を良く見せる偽装であり、直接顧客に害を与えた訳ではなかった。一方、VWは世界の顧客を騙してインチキ商品を売りつけた、より悪質な商行為だった。VW幹部は刑事責任を問われ巨額な賠償を支払う、最悪の場合会社分割・倒産の恐れがあると推測する。その位深刻な事態だ。

だが、この日独大企業のスキャンダルには共通する問題があるかも知れない。報道によればVWの不正は20１１年に開発部門のトップが違法性を指摘された、2008年リーマンショック直後の経営危機に向けて米国市場の対応、2005年頃に既に問題のソフトウェアがあった等々、疑惑だらけだ。一方、東芝の会計不正もリーマンショック翌年の3月期の経営悪化を粉飾する時に遡り、その後3代の社長にわたり不正が続いた。

共通するのは両社の不正は少数人数でやれる規模ではなく、異なる車種や事業部門が組織的に取り組んで不正が何年も続いたことだ。現場から幹部社員まで多くの社員が関わったのは間違いない。両社の責任者はある意味覚悟の悪行だったとしても、命令を受けた多くの社員の倫理意識が十分でなく内部告発されることなく何年も不正が続いたことだ。

今迄の報道では必ずしも明確ではないが、背景に上司の命令に逆らえない東芝の企業文化があったという。一方、インチキに目を瞑って仕事を続けたVW社員の倫理観の欠如の背景は何であったのか。積極的な難民受け入れなど戦争とナチの教訓から生まれたドイツに特別な文化的背景がある。今回の不正の背景は何だったのか大変興味がある。

更に早い時点でEUが異常を認識していたという情報の意味がどうなのかも気になる。欧州は世界で最も環境意識が高い、それでもVWの多くの人達が不正を続ける動機が勝ったのは何故か。東芝の会計不正が発覚後内部告発が続出したが、VWの場合はどうなのか。もう少し待ってみよう。

その点、エンロンやワールドコムなど米国のスキャンダルは非常に分かり易い。それは経営者の「強欲」が起こし、自からの職業倫理に忠実な社員が内部告発した。分かり易い不正の構図だ。一方、日独経営トップは必ずしも「強欲」とは言い切れない、地位や権力或いは名誉だったのか。日独企業の不正は外部からの告発を待つしかなかった。ドイツ人社員も上司にモノを言えない文化に染まっているのだろうか。■

田舎暮らし雑感１５（１１）

金曜日にやり残していた風呂小屋の屋根の修理が終わった。屋根の傷み具合が見積より酷かったので予定の２日では終わらなかったと職人は言った。１日くらいで硬化するゴム製の樹脂を注入したという。工事前と比べると屋根瓦が整然となり、遠目には瓦の隙間に塗り込まれた透明樹脂が白く変化していた。

別途写真を付けて請求書を送ってくれるという。契約書を見てもよく分からないが、半日伸びた工事期間で余分に請求されることはないだろう。３０万円の価値があるのか分からないが、いつかはやらねばならなかった修理であり判断を後押ししてくれたことには素直に感謝したい気持ちだ。

今朝朝食中に突然思いついてジョギングをやった。どの位走れるか自信が無かったので、行ける所まで行って続かなくなったら歩いて帰る積りだった。走る始めると直ぐに膝や腰に違和感が無く、今日はかなり走れそうだと感じた。結果的には元気な頃走った距離をこなし、大洲城を見上げる河川敷の公園まで行けた。

帰りは無理をしないで半分位は歩いた。概算すると１０ｋｍ走り、５ｋｍ歩き、計１５km程度の距離だった。こんなに走れるとは思わなかった。最近少し走ると膝に違和感があったのだが大丈夫だった。多分バドミントンの練習の効果で足腰が回復したのだと思う。膝の負担を軽減する筋肉が強化されたのだろう。

ジョギングに出かける時隣の集落で汗まみれになって庭の手入れをする知人を見て、「大変だね、無理するなよー」と声をかけた。彼は私と同じ年代で若い頃に高さ３mの石垣を積み幅６０ｍ、奥行き２０ｍ位の立派な庭を作った。自分でやるからと父親の反対を押し切り、自分の設計で庭を作り手入れして来たという。彼は今それを後悔している。

私の実家の庭とは段違いの大きさで、高齢者になった彼には庭の手入れが負担になって来たらしい。ついにギブアップして庭師に見積もりをとると数十万円になるといわれびっくりしたという。若い頃の決断を今頃になって後悔しているという。息子に頼もうにも都会から帰ってくれない。私の実家の庭の手入れは数万円の予定でそれでも痛い出費だというのに、「数十万じゃねー」と同情したが良い代案がある訳ではない。

近所にはもっと凄い庭がある。私の幼馴染の家で子供の頃は良く遊びに行った庭だが、今は門が閉まり塀に囲まれて裏山に続く庭を遠くから眺めるだけ。幼馴染は今でも現役で松山にある商社を経営しており、こちらの実家はいつも門が閉まっている。昔庭の手入れに１００万円以上かかると聞いたことがある。しかし、彼にとってもこの立派だが不便な田舎の家と庭のメンテナンスは大変なのではと勝手に想像した。

もうすぐ今年の田舎暮らしを終える。その前に実家の庭の手入れを来月初めにお願いしている。折角庭を綺麗にしても直ぐに東京に戻るのでは意味が無いのだが。農作物を作る訳でもなく何ら生産性のない庭は、そこに住んで愛でるのでなければ何のためにお金をかけて手入れするのか。今の所、雑草だらけで近所の迷惑になることの無い様いようにするという後ろ向きの目的しかない。どうすればいいのだろうか。■

妄想・地上最大のショー（２）

１か月半前に米大統領選は地上最大のショーだという私の妄想を投稿した。かなり馬鹿にした内容だった。その後投稿しなかったのはショーがつまらなくなった訳ではない。その逆でこの地上最大のショーは信じられないほど馬鹿馬鹿しく面白い展開になっている。日本のマスコミは喜んで飛びつく内容だが、いかんせん英語の世界だ。ということで、皮肉屋の私なりのヘボ英語の理解力とスケベ心で大統領選を紹介したい。

不動産の帝王トランプの暴走が続いたところで、カーリー・フィオリナ元HPのCEOがトランプの失言で支持率２位に急浮上した。何と何と本命とみられたジェブ・ブッシュフロリダ州知事等プロの政治家の支持率が下位に低迷、トランプなどの政治経験のないど素人が支持率上位３位を占めるという異常事態になっている。共和党内の混乱はもう誰も止められない状態だ。米国はこんな連中を大統領候補にして大丈夫なのか。

一方の民主党内は圧倒的有利と言われたクリントン女史が、個人メール問題の対応で大幅に支持を減らした。嘘つき呼ばわりされ余りに評判が悪く追い詰められてついに公に謝罪することになった。その過程でオバマ大統領の冷淡な扱いやバイデン副大統領の立候補待望論（私には嫌がらせに聞こえる）が飛び出した。とは言ってもヒラリー・クリントンが「圧倒的有利」から「有利」に変わっただけで、依然として彼女が民主党の候補に落ち着く可能性が高いと私は予想する。

注目すべきは共和党の泡沫候補から急浮上したフィオリナ女史だ。トランプが討論会で彼女の容姿を皮肉って「フィオリナがあの顔で大統領になるなんて想像できるか」と失言してくれたおかげで、彼女は強烈なカウンターパンチを返してトランプを黙らせ’それだけで’一気に支持率を上げた。今やトランプは一連の暴言で大統領の資質を疑われ急遽方針変更、急に大人しくなった。皮肉なことにそうなると演説は毒が抜かれつまらなくなり支持率が低下する悪循環になると私は読む。彼が今後どう対処するか見ものだ。

結果として２０１６年の大統領選は、クリントンvsフィオリナという史上初の女性候補の戦いになるかも知れない。私はまだジェブ・ブッシュが共和党の本命だと思うが。それはさておき、少し脇道に入る。フィオリナがATT子会社のCEOからHPのCEOに就任した２０００年頃、私が当時勤めていた会社と取引関係があった。何かの繋がりがあって、本社講堂に幹部が集められ彼女の講演を聞いたことがある。

その時は遠目にはかなり美人と思った。今でもトランプが言うほど不美人ではない。最近の報道によると彼女は小さな会社の秘書からスタートして超大企業のCEOになったという伝説がある。しかし、大統領候補になると根掘り葉掘り調べられて丸裸にされる。父は大学教授でどっかの州の法務長官、母親は芸術家という恵まれた家庭に育ちスタンフォード卒で大学院にも通い、決して米国人が大好きな「ゼロからスタートしてCEOに登りつめた」訳でもないらしい。何れにしろThe Show Goes On　お楽しみは続く。私の妄想も続く。■

痛風が再発（完）

私の素人診断はどんぴしゃり当たった。激しい運動時の水分補給不足で血液に結晶が出来て毛細血管が詰まり、痛風の症状が出たと思われる。痛風の症状が出た一昨日から徹底して水分補給すると、昨日の朝起きた時患部は拡大せず痛みもやや薄らいだ気がした。「タイプ１の痛風」なら痛みが急速に悪化するはず。昨日の午前中ずっと様子を見てちょっとヤバイと思ったが、思い切って午後のバドミントン練習に出かけた。

練習の初め頃は少し痛みがあったが、そのうち痛みなど忘れてゲームに熱中した。ゲームの合間合間に頻繁に水分を補給した。練習が終わりシャワーを浴びた時右足を見ると患部の周りが赤くなり少し腫れていたが、見かけほど痛みは感じなかった。ハードな運動をしても症状は少なくとも悪化はしなかった。良い兆候だった。

今朝も痛みは悪化しておらず、午前中バドミントン練習に参加した。体育館に着いた時は少しびっこをひいたが、練習が始まると気にならなかった。患部はこぶが出来たみたいに膨らみ、触ると少し痛みを感じたがほぼ普通に歩けるし瞬発的な動きをしても大丈夫だった。２日目の練習で「タイプ２の痛風」であると確信し安堵した。

振り返ってみると先日投稿したように毎日薬を飲み適切な食事をとっていたと思うが、コーヒーや紅茶を多飲したのが原因だった可能性が高い。痛風の症状が出た２，３日前から重度の頻尿になっていた。就寝時何度もトイレに立ったが１回当りの尿の量が異常に少なかった。上記の追加した水分補給はコーヒーや紅茶の代わりに水やスポーツ飲料を飲んだ効果が出て昨日から頻尿が少し改善した。

私の自己診断ではコーヒーや紅茶の利尿性が利いて血中の水分が減少し、結果的に尿の濃度が高まり膀胱を刺激して頻尿になった。同時に血中の濃度が高まりある一線を越えたところで痛風発症となった。頻尿と痛風が密接に関連して起こった、頻尿が痛風の前触れだった、その頻尿はカフェインの摂り過ぎが原因で普通の水分をもっと摂るべきだった。分かり易い結論だ、チャンチャン。■

痛風が再発

今年二度目の痛風の症状が昨夜表れた。今回はキチンと薬を服用し、７月の定期健診で尿酸値が基準値に入っていることを確認したのにだ。更に食事などの生活習慣も改善したはずなのに再発したのはチョット納得できない。私の経験では３つのタイプの痛風がある。

（１）高尿酸値によるもの、（２）激しい運動時に水分補給不足で血が濃くなった為、（３）黴菌が入った為（生爪はがし時に経験した痛風に似た症状）の３タイプだ。症状は原因別に（１）１週間、（２）２－３日、（３）１か月続く。状況からみて最も可能性があるのはタイプ２だと期待を込めて素人診断をした。

３週間前にバドミントン練習を再開して体幹と運動能力の改善を実感し始めていたところだ。痛風が悪化するとその間バドミントン練習できず劣化した運動能力を取り戻すのは、高齢者にとって休んだ期間の何倍もかかり本当に大変だ。どうやっても元には戻らないが、少しでも痛風が出る前の状態に近づきたいと思う。

今日は取り敢えず患部を湿布し、水分の補給を増やしバドミントン練習を止めた。焦点は私の素人診断が当たっているかどうか、明朝の症状が酷くなってなければ多分タイプ２の痛風だろう。さもなければ来週母の見舞いや予約したカピ汁をキャンセルしなければならない。今日は終日家にこもっていた。身体に悪いと分かっていながら、頂き物の芋ケンピを殆ど一袋食べた。■