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語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】返礼を求めるな

2018年10月08日 | ●佐藤優
 <宴会を催す場合には、貧しい人、体の不自由な人、足の悪い人、目の見えない人などを招くがよい。そうすれば、彼らは返礼ができないから、あなたはさいわいになるであろう。正しい人々の復活の際には、あなたは報いられるであろう。 --「ルカによる福音書」14章13-14節

 どの社会においても、宴会に招かれたら、返礼するというのが常識だ。客観的に見て、返礼が不可能な貧しい人を招くことは、宴会主催者の示す愛が、互恵の精神を超えたものであることを示す。
 イエスの時代にあったクムラン教団は、身体障害者を「神の集会」から排除すると規定していた。それと対極的な姿勢をイエスは示したのである。イエスは、われわれ人間のために命を捨てたが、その返礼を何も求めていない。キリスト教徒は、イエスにならって生きるのだ。
 それから、イエスは、キリスト教徒が宴会に身内の人とか近所の金持ちだけを招くことを嫌っている。こういう宴会を行うと、愛の実践が地縁と血縁に限定されるようになり、イエスの説いた教えがユダヤ人共同体の限界を超えることができなくなってしまう危険があるからだ。
 人は例外なく罪を負っている。それだから、イエスが説く愛は相互主義を超えた神の愛で、それは本質において罪人への愛なのである。このようなイエスの教えに従う人が、終わりの日に救われるのである。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「常識を逆転する言葉」の「返礼を求めるな」を引用

 【参考】
【佐藤優】金持ちへの警告
【佐藤優】ふたりの主人
【佐藤優】宝は天に蓄えよ
【佐藤優】罪のない者は誰か
【佐藤優】医者を必要とするのは
【佐藤優】施しをするときは
【佐藤優】呪ってはならない
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~
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【佐藤優】“ロシアの皇帝”プーチンの断片が明らかになった見事な「プロパガンダ」

2018年10月07日 | ●佐藤優
★オリバー・ストーン(土方奈美・訳)『オリバー・ストーン オン プーチン』(文藝春秋、2018)

(1)本書は見事なプロパガンダ
 <米国の映画監督オリバー・ストーン氏が2015~17年の間に4回ロシアを訪問し、プーチン大統領から合計9日間にわたってインタビューを行った記録を編集してまとめた貴重な本だ。プーチン氏が長時間にわたって外国人のインタビューを受けることは珍しい。この本が大きな話題になることを十分に考慮した上で発言しているが、表面的にはプーチン氏が、ストーン氏の歯に衣を着せぬ質問に対して率直に答えているという印象を受ける。プーチン氏が、聡明でタフだが、人間的に魅力に富んだ人間であるという印象を醸し出す見事なプロパガンダ(宣伝)に仕上がっている。>

(2)中露が軍事ブロックをつくろうという意思はない
 <中露関係についてプーチン氏はこう述べている。
 〈--あなたは多極的な世界について、その重要性や力の均衡をたびたび口にしてきた。だが中国については何も語っていない。
「中国の立場は中国が自ら語ればいい」
--だがいまや中国は地域の、そして世界の主要国だ。
 「それはまちがいない。世界の主要国だ」
--アメリカが世界で支配的な立場にある以上、当然ロシアだけでなく中国ともぶつかるだろう。
 「重要なのは、常に世界的なリーダーシップだ。地域論争は二の次だ。競争は基本的に世界の主要国のあいだで起こる。それが世のことわりだ。問題はこの競争をどのようなルールに基づいて行うかだ。私としては、ぜひ常識に基づいてやってもらいたいものだと思っている」
--ロシアが中国に接近していることは周知の事実だ。すでに貿易協定がある。軍事協定を結んだかは知らないが。
 「ロシアが中国と接近するのに、特別な協定は要らないさ。もともとロシアと中国は隣人だ。共有している国境は世界一の長さだろう。だから両国が良好な隣人関係を維持すべきなのは当然で、おかしなことは何もない。むしろそれは中国とロシアの双方の国民にとってきわめて望ましいことだ。世界にとってもね。両国に軍事ブロックをつくろうという意思はない」
--なるほど。
 「ただ両国の貿易と経済的結びつきは急激に高まっている」〉
 興味深いのは、プーチン氏が「競争は基本的に世界の主要国のあいだで起こる。それが世のことわりだ。問題はこの競争をどのようなルールに基づいて行うかだ」と述べていることだ。現状では米国が世界の最強国であるが、ロシアや中国も主要国である。ゲームのルールを形成する地位が米国に独占されている状況を変化させるという点でロシアと中国の利益は合致している。
 しかし、プーチン氏は、中国と価値観を一致させて、中露が運命共同体になることは望んでいない。それだから、「軍事ブロックをつくろうという意思はない」と明言しているのだ。>

(3)無差別的な監視活動は行っていない
 <プーチン氏にとって重要なのは、主要国間の地政学的均衡を維持することだ。シリアやウクライナに関しても、力の空白があれば、そこにロシアが入り込んでいくというのがプーチン氏の基本戦略だ。しかし、ロシアと米国やEU(欧州連合)との関係を決裂させるような状況に陥ることは望んでいない。その意味でプーチン氏は現実主義者なのである。
 プーチン氏は、KGB(ソ連国家保安委員会=秘密警察)出身なので、本書の至る所にロシアのインテリジェンス機関の文化が表れている。例えば、通信傍受に関するやりとりだ。
 〈--ロシアはなんらかのかたちでマス・サーベイランスを実施しているのか【訳注 スノーデンが暴露した米国の監視システムに、ネットの通信や携帯電話などすべてのデータを政府が監視するというマス・サーベイランスがあった】。
 「していない。それは断言する」
--監視活動はすべて対象を絞ったものだと?
 「そのとおりだ。特殊機関は対象を絞った監視活動実施しており、マス・サーベイランスをして後からデータを選別するといったことはしていない。そういうことは一切やっていない」
--私が問題としているのは、データの収集段階だけだ。データを見ているかではなく、集めているか否か。電話システムやインターネットをそっくり使ってデータを集めていないか。
 「いや、無差別的にそういうことはしていない。ロシアにはそんなネットワークはない」
--「ロシアはそういうことをやっていないばかりか、アメリカのように無差別的にやらなくても、選択的に対象を絞ってサーベイランスをする方法を発明した」という話だったらよかったのだが。つまりロシアは技術的にこの問題を解決した、と言ってくれたらよかった。
 「これは技術的な問題ではなく、運用上の問題だ。ロシアの特殊機関は容疑者と見なした人物とその人脈に基づいて監視活動をする。容疑者を探すためにマス・サーベイランスは実施していない」〉>

(4)ヒュミントの重視
 <伝統的に米国のインテリジェンス機関は、通信傍受、衛星画像の解析などで、秘密を発見していく能力が高い。これに対してロシアは協力者を育成して、人によって入手する情報を重視する。インテリジェンスの世界では、「ヒュミント」(ヒューマン・インテリジェンス)という技法だ。FSB(露連邦保安庁)、SVR(露対外諜報庁)、GRU(露軍参謀本部諜報局)には特別予備役という制度がある。インテリジェンス機関を離れて、ロシア企業や外国企業に勤務するようになった人に関しても、重要な情報については、元所属していた機関に提供する任務を遂行する契約を結ぶ。このネットワークを通じて、ロシアはピンポイントで重要な情報を入手しているのだ。>

□佐藤優「“ロシアの皇帝”の断片が明らかになった見事な「プロパガンダ」 ~ビジネスパーソンの教養講座第回~」(「週刊現代」2018年月10日13・20号)

 【参考】
【佐藤優】21世紀に甦る人間機械論
【佐藤優】自由貿易に対立する関税同盟
【佐藤優】五木寛之氏の小説論が明かされた学生たちとの対話
【佐藤優】文化は操作可能な道具か
【佐藤優】孤独な作家にとっての憩い
【佐藤優】社会情勢を反映した長時間労働対応の特捜部隊「カトク」の実態
【佐藤優】野蛮な帝国への抵抗文学
【佐藤優】不確実な社会に対応する
【佐藤優】21世紀でも色あせない歴史的名著の新訳 ~『仕事としての学問/仕事としての政治』~
【佐藤優】「知の巨人」らの対談3本 ~『世界と日本と日本人』~
【佐藤優】“日本語高”に資する作品
【佐藤優】資本主義の本質が現れる定年後の再就職市場
【佐藤優】社会を覆う自己責任論が生んだ「発達障害ブーム」
【佐藤優】あのテロ事件の一級の史料
【佐藤優】幕末期思想家の影響力の源泉
【佐藤優】欧米列強 血みどろの20世紀
【佐藤優】「日中関係が好転」の理由
【佐藤優】「読書力」によって「知の天井」を形成せよ ~松岡正剛の千夜千冊~
【佐藤優】ポピュリズムに流されずに国会をウオッチする姿勢、「小さな政府」だった室町幕府、欧州諸国の外交における植民地支配の遺産
【佐藤優】内外政事情の全体像、読解術、精神科受診へのハードルを低くする努力
【佐藤優】理解し合えない家族という共同体の本質 ~細部の描写が秀逸~
【佐藤優】江戸時代の「鎖国」は反カトリシズムだった ~『「日本」論 --東西の“革命児”から考える』~
【佐藤優】「三回読み」という技法 ~『国語ゼミ AI時代を生き抜く集中講義』~
【佐藤優】外務省主流派による画策、バランスがとれた社会評論、社会変革に与える教育の重要性
【佐藤優】『日本を蝕む「極論」の正体』
【佐藤優】日本の政治エリートの本音、キリスト教の日本的変容、西部邁の思想書
【佐藤優】思考の「小島」を作る法、鬱病対策、自決・考
【佐藤優】哲学者でもある筒井康隆、福祉から排除された人が刑務所に、神学からの教育論
【佐藤優】「アイロニー」と「ユーモア」の弁証法的技法で「真の学知」を手に入れよ
【佐藤優】弱者の「疑似福祉施設」 ~『刑務所しか居場所がない人たち』~
【佐藤優】親の収入・学歴と、子どもの学力の関係 ~いま生きる「資本論」(1)~
【佐藤優】日本社会の矛盾が詰まった「団塊ジュニア」はこんな苦労を強いられている
【佐藤優】修験道の論理、教育改革、東京の問題を解決する商品
【佐藤優】「書く」鍛錬が現代社会で自由になるための方法 ~『小論文 書き方と考え方』~
【佐藤優】コラム傑作選、ロシアのことがよく分かる小説家、官僚の考現学
【佐藤優】『思考法 教養講座「歴史とは何か」』の「新書版まえがき」
【佐藤優】堕ちたエリート、小説という代理経験 ~『桜の森の満開の下』~
【佐藤優】うつ状態を克服する道、知識人の団結、医学部の現状
【佐藤優】正しいことをしていると思い込む者の暴力、組織が個人に責任をいかにかぶせるか、投獄経験を描いた自伝の傑作
【佐藤優】トランプvs.インテリジェンス・コミュニティー ~『炎と怒り』(その2)~ 
【佐藤優】日本はトランプ大統領に命運を託せるのか? ~マイケル・ウォルフ『炎と怒り』~ 
【佐藤優】収入格差と教育環境、女性の負担が却って増す懸念、生命医科学と倫理
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【佐藤優】憲法改正は見せ球に終わるか
【佐藤優】日本と米国の社会病理
【佐藤優】消費者金融のインテリジェンス
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【佐藤優】情緒ではなく合理と実証で ~社会の再構築~
【佐藤優】中曽根康弘、21世紀の資本主義分析、北樺太の石油開発
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【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~
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【佐藤優】金持ちへの警告

2018年10月06日 | ●佐藤優
 <富んでいる者が天国に入るのは、むずかしいものである。また、あなたがたに言うが、富んでいる者が神の国にはいるよりは、らくだが針の穴を通る方が、もっとやさしい。 --「マタイによる福音書」19章23-24節

 ある金持ちの青年は、ユダヤ教の律法に忠実に従っている。律法に従えば確実に救われるという発想は、人間の行為と救済が、交換可能であるという前提がなければ成り立たない。
 イエスは、この前提を破壊しようとして、この青年に自分の財産をすべて売り払って、貧しい人々に分配せよと命じる。しかし、彼はそれができなかった。財産によって幸福が得られるという、交換を前提とする発想から、この青年は抜け出すことができなかったからだ。神は人間との交換をしない。仮にキリスト教徒が神のために命を差し出したとしても、そのことと交換で、神が救済を与えることはない。
 人の行為によって、神からの報酬が増減するという発想が根本的に間違っている。神は正しい者にも正しくない者にも等しく雨を降らせるのである。誰が救われるかということは、人間の限られた能力では理解不能だ。それだから、神からの恩恵で救われることを無条件に信じることが求められている。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「常識を逆転する言葉」の「金持ちへの警告」を引用

 【参考】
【佐藤優】ふたりの主人
【佐藤優】宝は天に蓄えよ
【佐藤優】罪のない者は誰か
【佐藤優】医者を必要とするのは
【佐藤優】施しをするときは
【佐藤優】呪ってはならない
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~


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【佐藤優】ふたりの主人

2018年10月05日 | ●佐藤優
 <だれも、ふたりの主人に兼ね仕えることはできない。一方を憎んで他方を愛し、あるいは、一方に親しんで他方をうとんじるからである。あなたがたは、神と富とに兼ね仕えることはできない。 --「マタイによる福音書」6章24節

 キリスト教は、一般に富とされるものに対する警戒感が強い。富は、権力に代替可能で、人間は権力を持つと神に反抗しようとする傾向があるからだ。富は、カネ、商品など目に見えるものと、名誉、権威など目に見えないものがある。どのような小さな人間でも、富は持っている。従って、富とどのように付き合うかは、人間にとって死活的に重要なのである。
 前項でもふれたように、大多数の人々は、富を地上に蓄える。財産を殖やし、名声を地上で得ようとする。イエスは、このような態度を取る背景に、人間が自力で救済されると考える「自己義認」の罠が潜んでいると考える。原罪を負った人間が、自力で救済されることは、絶対にない。富を地上で蓄えるという発想には、人間が救済からこぼれてしまう大きなリスクがある。この危険から逃れるために、キリスト教徒は意図的に富を天に蓄えることが要請される。平たい言葉を用いるならば、陰徳を積むということだ。神がこのような陰徳を見過ごすことは、絶対にない。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「常識を逆転する言葉」の「ふたりの主人」を引用

 【参考】
【佐藤優】宝は天に蓄えよ
【佐藤優】罪のない者は誰か
【佐藤優】医者を必要とするのは
【佐藤優】施しをするときは
【佐藤優】呪ってはならない
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~

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【佐藤優】21世紀に甦る人間機械論

2018年10月04日 | ●佐藤優
 ①久保明教『機械カニバリズム 人間なきあとの人類学へ』(講談社選書メチエ 1,650円)
 ②近藤大介『二〇二五年、日中企業格差 日本は中国の下請けになるか?』(PHP新書 880円)
 ③橋爪大三郎『政治の哲学 自由と幸福のための11講』(ちくま新書 820円)

 (1)①は、実に興味深いメカニズム論だ。日本ではシステム論の研究は盛んであるが、機械に関する哲学(メカニズム論)はほとんど行われていない。本書はこの空白を埋める重要な作品だ。
 <機械は必ずしも所与の規則に従って動いているわけではない。バグや機能不全を含んだものとして機械のふるまいを捉えると、規則への従属の有無によって機械と人間を区別することはできなくなる。むしろ、形式化された機械的な動作においてバグがバグでなくなる契機に注目することで、「機械-人間のイマージュ」とは異なる仕方で、人間を機械と類比的なものとして捉える計算機科学的発想を徹底することが可能になる>
 久保氏のこの指摘は正しい。このアプローチは、18世紀フランスの唯物論者ジュリアン・オフレ・ド・ラ・メトリが展開した人間機械論を21世紀に甦らせようとする試みでもある。日本でAI(人工知能)技術の開発に当たる技術者の哲学・思想的基盤が極めて脆弱である現状に鑑みると、本書が出た意義はとても大きい。

 (2)②を読むと、現下の中国は国家が企業を通じて帝国主義的影響力の拡大を図る重商主義政策を展開していることがよく分かる。近藤氏は、次のように指摘するが、この見方は正しい。
 <2018年に勃発した米中貿易戦争は、単に貿易上の摩擦ではない。重ねて言うが、21世紀の国家システムの「世界標準」は、前世紀に引き続いて「アメリカ型」なのか(中略)という「壮大な戦い」なのである>
 「中国模式」というスローガンで、中国は自国が有利になる帝国主義ゲームのルールを他国に押し付けようとしているのだ。中国の脅威に対抗するための国家戦略を構築する必要を痛感する。

 (3)③は、国際基準での政治の常識が分かる好著だ。
 <アメリカだけではなく、性的マイノリティの人びとの生きやすさを配慮することは、多くの先進国の共通了解になりつつあります。
 自分がどういう性的アイデンティティをもつかは、個々人の人格と自由の根幹です。政府は、そのことから中立であるべきで、法律を通じて性的少数者に不利益を与えてはならないのです>
 この指摘はとても重要だ。少数派に対して、「お前たちは静かにしていろ」というような日本の一部にある主張は、現下の国際社会では受け入れられない。ガラパゴス諸島のように日本の政治は独自の生態系を持っているが、それが普遍的価値観に照らした場合、いかにずれているかを知るために、本書はとても有益である。特に安倍政権を支持する保守派との認識を持っている人に読んでほしい作品だ。

□佐藤優「21世紀に甦る人間機械論 ~知を磨く読書 第266回~」(「週刊ダイヤモンド」2018年10月6日号)

 【参考】
【佐藤優】自由貿易に対立する関税同盟
【佐藤優】五木寛之氏の小説論が明かされた学生たちとの対話
【佐藤優】文化は操作可能な道具か
【佐藤優】孤独な作家にとっての憩い
【佐藤優】社会情勢を反映した長時間労働対応の特捜部隊「カトク」の実態
【佐藤優】野蛮な帝国への抵抗文学
【佐藤優】不確実な社会に対応する
【佐藤優】21世紀でも色あせない歴史的名著の新訳 ~『仕事としての学問/仕事としての政治』~
【佐藤優】「知の巨人」らの対談3本 ~『世界と日本と日本人』~
【佐藤優】“日本語高”に資する作品
【佐藤優】資本主義の本質が現れる定年後の再就職市場
【佐藤優】社会を覆う自己責任論が生んだ「発達障害ブーム」
【佐藤優】あのテロ事件の一級の史料
【佐藤優】幕末期思想家の影響力の源泉
【佐藤優】欧米列強 血みどろの20世紀
【佐藤優】「日中関係が好転」の理由
【佐藤優】「読書力」によって「知の天井」を形成せよ ~松岡正剛の千夜千冊~
【佐藤優】ポピュリズムに流されずに国会をウオッチする姿勢、「小さな政府」だった室町幕府、欧州諸国の外交における植民地支配の遺産
【佐藤優】内外政事情の全体像、読解術、精神科受診へのハードルを低くする努力
【佐藤優】理解し合えない家族という共同体の本質 ~細部の描写が秀逸~
【佐藤優】江戸時代の「鎖国」は反カトリシズムだった ~『「日本」論 --東西の“革命児”から考える』~
【佐藤優】「三回読み」という技法 ~『国語ゼミ AI時代を生き抜く集中講義』~
【佐藤優】外務省主流派による画策、バランスがとれた社会評論、社会変革に与える教育の重要性
【佐藤優】『日本を蝕む「極論」の正体』
【佐藤優】日本の政治エリートの本音、キリスト教の日本的変容、西部邁の思想書
【佐藤優】思考の「小島」を作る法、鬱病対策、自決・考
【佐藤優】哲学者でもある筒井康隆、福祉から排除された人が刑務所に、神学からの教育論
【佐藤優】「アイロニー」と「ユーモア」の弁証法的技法で「真の学知」を手に入れよ
【佐藤優】弱者の「疑似福祉施設」 ~『刑務所しか居場所がない人たち』~
【佐藤優】親の収入・学歴と、子どもの学力の関係 ~いま生きる「資本論」(1)~
【佐藤優】日本社会の矛盾が詰まった「団塊ジュニア」はこんな苦労を強いられている
【佐藤優】修験道の論理、教育改革、東京の問題を解決する商品
【佐藤優】「書く」鍛錬が現代社会で自由になるための方法 ~『小論文 書き方と考え方』~
【佐藤優】コラム傑作選、ロシアのことがよく分かる小説家、官僚の考現学
【佐藤優】『思考法 教養講座「歴史とは何か」』の「新書版まえがき」
【佐藤優】堕ちたエリート、小説という代理経験 ~『桜の森の満開の下』~
【佐藤優】うつ状態を克服する道、知識人の団結、医学部の現状
【佐藤優】正しいことをしていると思い込む者の暴力、組織が個人に責任をいかにかぶせるか、投獄経験を描いた自伝の傑作
【佐藤優】トランプvs.インテリジェンス・コミュニティー ~『炎と怒り』(その2)~ 
【佐藤優】日本はトランプ大統領に命運を託せるのか? ~マイケル・ウォルフ『炎と怒り』~ 
【佐藤優】収入格差と教育環境、女性の負担が却って増す懸念、生命医科学と倫理
【佐藤優】英EU離脱と北アイルランド、文科省が進める教育改革に対する批判的検討、イスラエル独自のミサイル防衛システム

【佐藤優】職場ハラスメントを生む土壌、外務官僚の機密費疑惑、キリスト教の教義と思想の基本事項
【佐藤優】われわれの思考の鋳型、沖縄をめぐる知的に富む対談、高校で全科目を学ぶと社会に出てから役立つ
【佐藤優】文語訳聖書 ~キリスト教の魅力は死生観にある~
【佐藤優】北朝鮮がソウルと東京を攻撃したら、ウィスキーの美味しさの秘密、明治新政府の権力奪取法
【佐藤優】よりましなポピュリスト、「普通の人」が豹変するストーカー、規格外のトランプ米大統領
【佐藤優】人工知能は意味をまったく理解できない/数学者が説く「シンギュラリティ」の不可能
【佐藤優】トップリーダーの孤独、紛争地域や犯罪組織への武器拡散、精神科医と諜報工作員の共通点
【佐藤優】混乱する現代との類似性 ~『応仁の乱』~
【佐藤優】自死した保守派論客の思想の根源 ~『保守の真髄』~
【佐藤優】「当事者にとって」と「学理的反省者として」の二重の視座 ~『世界の共同主観的存在構造』~
【佐藤優】テロ対策に関する世界最高レベルの教科書、宇野弘蔵の経済学を取り入れたユニークな社会学演習書、シンギュラリティ神話の脱構築
【佐藤優】憲法改正は見せ球に終わるか
【佐藤優】日本と米国の社会病理
【佐藤優】消費者金融のインテリジェンス
【佐藤優】官僚を信用していない国民
【佐藤優】中国が台頭しつづけたら、仏教の末法思想と百王説、時計の歴史
【佐藤優】子どもや孫の世代への重荷
【佐藤優】日本のレアルポリティーク
【佐藤優】巨大さを追求する近代的思考
【佐藤優】アナキズムという思考実験
【佐藤優】AIとの付き合い方を知る手引、宗教と国体論の危険な関係、若手官僚の思想の底の浅さ」
【佐藤優】伊藤博文の天皇観と合理主義、歴史の戦略的奇襲から得る教訓、「知の巨人」井筒俊彦
【佐藤優】教育費の財源問題で政局化か
【佐藤優】ホワイトカラーの労働者化
【佐藤優】指導者たちの内在的論理を知る
【佐藤優】世界規模のポストモダン現象
【佐藤優】宗教改革の物語 ~近代、民族、国家の起源~
【佐藤優】カネとの付き合い方の秘訣、野外で生きる雑種ネコの魅力、前科者に冷たい日本社会
【佐藤優】着目すべき北極海の重要性、日本の政治文化に構造的に組み込まれている「甘え」、文明論と地政学を踏まえた時局評論
【佐藤優】リーダーが知るべき文明観、資本主義後の社会構想、刑務所暮らし経験者の本音
【佐藤優】地図から浮かぶ歴史のリアル、平成不況は金融政策のミス、実証的データに基づく貧困対策
【佐藤優】ケータイによる日本語の乱れ、翻訳の技術、ロシア人の内在的論理
【佐藤優】武蔵中高の教育、ルター宗教改革の根幹、獣医師にもっと競争原理を導入
【佐藤優】社会に活力をもたらす政策、具体的生活の上に立つ民族国家、開発至上主義が破壊する永久凍土の生態系
【佐藤優】日本のフリーメイソン陰謀論、ユニークな働き方改革、自衛隊元陸将によるリーダーシップ論
【佐藤優】ハプスブルク帝国史の「もし」、最新の進化論、神童の軌跡
【佐藤優】知識を本当に身に付けるには、テロ戦争におけるドローンの重要な役割、帰宅恐怖症
【佐藤優】北朝鮮との緊張の高まりに対して必要な姿勢、時間管理と量子力学、時間がかかるのは損
【佐藤優】川喜田二郎『発想法』 ~総合的思考と英国経験論哲学~
【佐藤優】日本の思想状況の貧しさ、頑丈にできている戦闘機、東方正教会に関する概説書
【佐藤優】資本主義の根底にある「勤勉さ」という美徳の淵源 ~『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』~
【佐藤優】手ごわいフェイクニュース、国を動かす政治エリートの意志、欧州内部における紛争
【佐藤優】×奥野長衛『JAに何ができるのか』
【佐藤優】『戦争論』をビジネスに活かす、現実社会の悪と闘う、ロシア人の意識と使命感
【佐藤優】面白い数学啓発書、日本人の思考の鋳型、攻める農業への転換
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学(2) ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学 ~川喜田二郎『発想法』~
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【佐藤優】就活におけるネット社会の落とし穴、裁判官の資質、象徴天皇制と生前退位問題
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【佐藤優】海上権力を維持するために必要な要素 ~イギリスの興亡の歴史を通して~
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【佐藤優】嫌韓本と一線を画す韓国ルポ、セカンドパートナーの実態、日本人の死生観
【佐藤優】人間にとって「影」とは何か ~シャミッソー『影をなくした男』~
【佐藤優】文部省の歴史と現状、経済実務家のロシア情勢分析、中国の対日観
【佐藤優】学習効果が上がる「入門書」、応用地政学で見る日本、権力による輿論のコントロールを脱構築
【佐藤優】大川周明『復興亜細亜の諸問題』 ~イスラーム世界のルール~
【佐藤優】女性と話すのが怖くなる本、ネット情報から真実をつかみ取る技法、ソ連とロシアに共通する民族問題
【佐藤優】ヨーロッパ宗教改革の本質、相手にわかるように説明するトレーニング、ロシア・エリートの欧米観
【佐藤優】なぜ神父は独身で牧師は結婚できるのか? 500周年の「革命」を知る ~マルティン・ルター『キリスト者の自由』~
【佐藤優】政界汚職を描いた古典 ~石川達三『金環蝕』~
【佐藤優】生きた経済の教科書、バチカンというインテリジェンス機関、正しかった「型」の教育
【佐藤優】誰かを袋だたきにしたい欲望、正統派の書評家・武田鉄矢、追い込まれつつある正社員
【佐藤優】発達障害とどう向き合うか、アドルノ哲学の知的刺激、インターネットと「情報犯罪」
【佐藤優】後醍醐天皇の力の源 「異形の輩」とは--日本の暗部を突く思考
【佐藤優】実用的な会話術、ユーラシア地域の通史、宇宙ロケットを生んだ珍妙な思想
【佐藤優】キブ・アンド・テイクが成功の秘訣、キリスト教文化圏の悪と悪魔、理系・文系の区別を捨てよ
【佐藤優】企業インテリジェンス小説 ~梶山季之『黒の試走車』~
【佐藤優】中東複合危機、金正恩の行動を読み解く鍵、「型破り」は「型」を踏まえて
【佐藤優】後世に名を残す村上春樹新作、気象災害対策の基本書、神学の処世術的応用
【佐藤優】地学の魅力、自分の頭で徹底的に考える、高等教育と短期の利潤追求
【佐藤優】日本人の特徴的な行動 ~日本礼賛ではない『ジャパン・アズ・ナンバーワン』~
【佐藤優】知を扱う基本的技法、ソ連人はあまり読まなかった『資本論』、自由に耐えるたくましさ
【佐藤優】後知恵上手が出世する? ~ビジネスに役立つ「哲学の巨人」読解法~
【佐藤優】トランプ政権の安保政策、「生きた言葉」という虚妄、キリスト教の開祖パウロ
【佐藤優】「暴君」のような上司のホンネとは? ~メロスのビジネス心理学~
【佐藤優】物まね芸人とスパイの共通点、新版太平記の完成、対戦型AIの原理
【佐藤優】トランプ側近が考える「恐怖のシナリオ」 ~日本も敵になる?~
【佐藤優】弱まる日本社会の知力、実践的ディベート術、受けるより与えるほうが幸い
【佐藤優】トランプの「会話力」を知る ~ワシントンポスト取材班『トランプ』~
【佐藤優】「不可能の可能性」に挑む、言語の果たす役割の大きさ、NYタイムズ紙コラムニストの人生論
【佐藤優】人生は実家の収入ですべて決まる? ~「下流」を脱する方法~
【佐藤優】ソ連崩壊後の労働者福祉軽視、現代も強い力を持つ観念論、孤独死予備軍と宗教
【佐藤優】米国のキリスト教的価値観、サイバー戦争論、日本会議
【佐藤優】『失敗の本質』/日本型組織の長所と短所
【佐藤優】世界を知る「最重要書物」 ~クラウゼヴィッツ『戦争論』~
【佐藤優】現代ロシアに関する教科書、ネコ問題はヒト問題、トランプ氏の顧問が見る中国
【佐藤優】日本には「物語の復権」が必要である ~反知性主義批判~
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【佐藤優】イラクの地政学、誠実なヒューマニスト、全ての人が受益者となる社会の構築
【佐藤優】外交に決定的に重要なタイミング、他人の気持ちになって考える力、科学と職人芸が融合した食品
【佐藤優】『ゼロからわかるキリスト教』の著者インタビュー ~「神」を論じる不可能に挑む~
【佐藤優】組織の非情さが骨身に沁みる ~新田次郎『八甲田山死の彷徨』~
【佐藤優】プーチン政権の本質、2017年の論点、ロシアと欧州
【佐藤優】国際人になるための教科書、ストレスが人間を強くする、日本に易姓革命はない
【佐藤優】ロシアでも愛された知識人の必読書 ~安部公房『砂の女』~
【佐藤優】トランプ当選予言の根拠、猫の絵本の哲学、人間関係で認知症を予防
【佐藤優】モンロー主義とトランプ次期大統領、官僚は二流の社会学者、プロのスパイの手口
【佐藤優】トランプを包括的に扱う好著、現代日本外交史、独自の民間外交
【佐藤優】デモや抗議活動のサブカルチャー化、グローバル化に対する反発を日露が共有、グローバル化に対する反発が国家機能を強化
【佐藤優】国際社会で日本が生き抜く条件、ルネサンスを準備したもの、理系情報の伝え方
【佐藤優】人生を豊かにする本、猫も人もカロリー過剰、度外れなロシア的天性
【佐藤優】テロリズム思想の変遷を学ぶ ~沢木耕太郎『テロルの決算』~
【佐藤優】住所格差と人生格差、人材育成で企業復活、教科書レベルの知識が必要
【佐藤優】数学嫌いのための数学入門、西欧的思考にわかりやすい浄土思想解釈、非共産主義的なロシア帝国
【佐藤優】ウラジオストク日本人居留民、辺野古移設反対を掲げる公明党沖縄県本部、偶然歴史に登場した労働力の商品化
【佐藤優】「21世紀の優生学」の危険、闇金ウシジマくんvs.ホリエモン、仔猫の救い方
【佐藤優】大学にも外務省にもいる「サンカク人間」 ~『文学部唯野教授』~
【佐藤優】訳・解説『貧乏物語 現代語訳』の目次
【佐藤優】「イスラム国」をつくった米大統領、強制収容所文学、「空気」による支配を脱構築
【佐藤優】トランプの対外観、米国のインターネット戦略、中国流の華夷秩序
【佐藤優】元モサド長官回想録、舌禍の原因、灘高生との対話
【佐藤優】孤立主義の米国外交、少子化対策における産まない自由、健康食品のウソ・ホント
【佐藤優】アフリカを収奪する中国、二種類の組織者、日本的ナルシシズムの成熟
【佐藤優】キリスト教徒として読む資本論 ~宇野弘蔵『経済原論』~
【佐藤優】未来の選択肢二つ、優れた文章作法の指南書、人間が変化させた生態系
【佐藤優】+宮家邦彦 世界史の大転換/常識が通じない時代の読み方
【佐藤優】人びとの認識を操作する法 ~ゴルバチョフに会いに行く~
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【佐藤優】原油暴落の謎解き、沖縄を代表する詩人、安倍晋三のリアリズム
【佐藤優】18歳からの格差論、大川周明の洞察、米国の影響力低下
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【佐藤優】ねこはすごい、アゼルバイジャン、クンデラの官僚を描く小説
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【佐藤優】何が個性で、何が障害か
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【佐藤優】英才教育という神話
【佐藤優】資本主義の内在的論理
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【佐藤優】偉くない「私」が一番自由、備中高梁の新島襄、コーヒーの科学
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佐藤優】日本の政治エリートと「天佑」、宇宙の生命体、10代が読むべき本
【佐藤優】組織成功の鍵となる人事、ユダヤ人の歴史、リーダーシップ論
【佐藤優】第三次世界大戦の可能性、現代東欧文学、世界連鎖暴落
【佐藤優】司馬遼太郎の語られざる本音、深層対話、米政府による暗殺
【佐藤優】著名神学者のもう一つの顔 ~パウル・ティリヒ~
【佐藤優】総理が靖国参拝する理由、NPO活動の哲学やノウハウ、テロ対策の必読書
【佐藤優】今後、起こりうる財政破綻 ~対応策を学ぶ~
【佐藤優】社会の価値観、退行する社会
【佐藤優】夫婦の微妙な関係、安倍政権の内在的論理、警察捜査の正体
【佐藤優】情緒ではなく合理と実証で ~社会の再構築~
【佐藤優】中曽根康弘、21世紀の資本主義分析、北樺太の石油開発
【佐藤優】日本人の思考の鋳型、死刑問題、キリスト教と政治
【佐藤優】中国株式市場の怪しさ、イノベーションの障害、ホラー映画の心理学
【佐藤優】普天間基地移設問題の本質、外務省犯罪黒書、老後に快走!
【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~
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【佐藤優】宝は天に蓄えよ

2018年10月03日 | ●佐藤優
 <あなたがたは自分のために、虫が食い、さびがつき、また、盗人らが押し入って盗み出すような地上に、宝をたくわえてはならない。むしろ自分のため、虫も食わず、さびもつかず、また、盗人らが押し入って盗み出すこともない天に、宝をたくわえなさい。 --「マタイによる福音書」6章19-20節

 ユダヤ教でも、天に宝を蓄えるような生き方をせよと説かれている。ただし、イエスがここで説いている宝とは比喩的な表現で、財産のみを指すものではない。信仰上の事柄で、他人から賞讃を得ようとして見せる行いを宝と呼んでいる。
 人に見せるための行為は、それがどのような善行であっても、地上の宝に過ぎない。宝が他者からの評価によって成立するのと同じように、他者からの評価を基準にして生きることはむなしいとイエスは考える。人間の評価は不安定で、また後に、より優れた業績をあげる人が現れると、以前の人たちは忘れられてしまう。
 むしろ他人にどう評価されるかなどということについては考えずに、神による絶対的な評価を気にかけて生きることをイエスは説いているのだ。天に宝を蓄えるというのは、神中心的に生きるということである。この世の中で正義を行うことも、世間から賞讃を受けるためではなく、天に宝を蓄えるためなのである。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「常識を逆転する言葉」の「宝は天に蓄えよ」を引用

 【参考】
【佐藤優】罪のない者は誰か
【佐藤優】医者を必要とするのは
【佐藤優】施しをするときは
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【佐藤優】重荷を背負うのは
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【佐藤優】罪のない者は誰か

2018年10月02日 | ●佐藤優
 <あなたがたの中で罪のない者が、まずこの女に石を投げつけるがよい。 --「ヨハネによる福音書」8章7節

 これは、姦通の現場でとらえられた女性をパリサイ派や律法学者がイエスの前に連れて来て、「この女を律法に従って石打で死刑にすべきか」と問いかけたときのイエスの応答だ。
 このときのイエスの対応が実に見事だ。地面に座って、指で土の上に文字を書く。ここには、女性を連れて来た人の悪事が書かれている。それを見て、「まずい」と思ったパリサイ派や律法学者は、一人ずつ去っていく。そして誰もいなくなった。もはや誰もこの女性を告発していない状態をイエスは作り出した。その上で、「わたしもあなたを罰しない。お帰りなさい。今後はもう罪を犯さないように」とイエスは言って、女性を自由にした。
 人生において、過ちを一度も犯さないような人はいない。われわれに重要なのは過ちを摘発し、弾劾することではなく、過ちを悔い改めさせ、再発を防止することであると、イエスは行為によってわたしたちに伝えているのである。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「常識を逆転する言葉」の「罪のない者は誰か」を引用

 【参考】
【佐藤優】医者を必要とするのは
【佐藤優】施しをするときは
【佐藤優】呪ってはならない
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~
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【佐藤優】医者を必要とするのは

2018年10月01日 | ●佐藤優
 <丈夫な人には医者はいらない。いるのは病人である。
 わたしがきたのは、義人を招くためではなく、罪人を招くためである。
               --「マタイによる福音書」9章12/13節

 イエスは、徴税人のマタイに弟子にならないかと声をかけた。当時のパレスチナのようなローマ帝国支配下の属領において、徴税人は一定地域の徴税権を前払いの入札によって購入する請負人だった。実際に徴収する額は、請負人の裁量に委ねられていたから、いわばピンハネをする徴税人は住民から嫌われていた。徴税人のマタイを弟子にしたことについて、パリサイ派の律法学者がイエスを非難する。これに対して、イエスは「丈夫な人には医者はいらな。いるのは病人である」と反論したのである。
 人間は、すべて原罪を負っている。罪人という点で、人間は神の前ですべて平等なのである。自分が他の人よりも優れているというパリサイ派の思い上がりをイエスは厳しく批判する。人間は、誰一人例外なく罪を負っているので、正しい人は一人もいない。この現実を見つめた上で、神の恩恵によってのみ人間が救われることをイエスは説いている。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「常識を逆転する言葉」の「医者を必要とするのは」を引用

 【参考】
【佐藤優】施しをするときは
【佐藤優】呪ってはならない
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~


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【佐藤優】施しをするときは

2018年09月30日 | ●佐藤優
 <あなたは施しをする場合、右の手のしていることを左の手に知らせるな。それは、あなたのする施しが隠れているためである。 --「マタイによる福音書」6章3-4節

 人間は、仕事であっても勉強であっても、評価を求める。ユダヤ教もそうだ。ユダヤ教においては、施しなどの善行が積極的に奨励された。人間は善行を自由意思によって行う。それだから、善行には律法を守る以上の積極的な宗教的意義があるとされた。そのために、ラビ(宗教指導者)たちも、隠れた善行を勧めた。もっともラビたちはそのような善行が、算定、評価可能と考えた。しかし、こういう動機があると、善行は見返りを求める偽善になる。
 善行を行うときに「右の手のしていることを左の手に知らせるな」というイエスの姿勢は、善行によって他者の賞讃を受けようとする態度を戒めるだけでなく、神からの報いを受けるという発想も根源的に断ち切っている。イエスが説いたのは、人間が悔い改めて、イエス・キリストを通じて神を信じることだ。信仰によってのみ、人間は救われるのである。善行を含むあらゆる人間の行為は救済に関係しないのである。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「常識を逆転する言葉」の「施しをするときは」を引用

 【参考】
【佐藤優】呪ってはならない
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
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【佐藤優】明日を思い悩むな
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【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~

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【佐藤優】呪ってはならない

2018年09月29日 | ●佐藤優
 <あなたがたを迫害する者を祝福しなさい。祝福して、のろってはならない。喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさい --「ローマ人への手紙」12章14-15節

 キリスト教は、この世の終わりが近いと考える。従って、キリスト教徒だけでなく、すべての人に対して「悔い改めよ、神の国は近づいた」と呼びかける。この呼びかけに反発し、キリスト教徒を迫害する人も少なからずいる。「ローマ人への手紙」の著者であるパウロ自身が、かつては迫害者だった。迫害者を呪ってはならないというのは、抽象的な概念ではなく、具体的な指令だ。同様に祝福しなさいというのも具体的な指令である。
 キリスト教において、祈ることは、同時に行動することでもある。呪いは呪いの連鎖を呼んで、人間は憎しみの罠から抜け出せなくなってしまう。この呪いの連鎖を断ち切るために、祝福することが必要になる。祝福することは、神から霊の賜物を受けたキリスト教徒の名誉ある使命なのである。祝福の対象は、具体的に接触している隣人だ。その隣人があなたを迫害する者であっても、隣人と共に喜び、隣人と共に泣くような共感力をキリスト教は求めるのである。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「常識を逆転する言葉」の「呪ってはならない」を引用

 【参考】
【佐藤優】敵を愛しなさい
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~

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【佐藤優】自由貿易に対立する関税同盟

2018年09月28日 | ●佐藤優
 ①岡本裕一朗『人工知能に哲学を教えたら』(SB新書 820円)
 ②野口悠紀雄『世界経済入門』(講談社現代新書 800円)
 ③田原総一朗『創価学会』(毎日新聞出版 1,480円)

 (1)①は、AI(人工知能)の発達が人間の思想に与える影響について包括的に論じた意欲的な作品だ。
 <現代では、書物としての『聖書』を読まなくても、インターネットでイエスの言動や思想を検索することは容易にできます>
 というような箇所に聖書学者や神学者は、「聖書のテキストからイエスの言動を確定することはほぼ不可能なので、このようなアプローチはナンセンスだ」というような反応をするであろう。
 しかし、細部の事実誤認を突いて、岡本氏が提起する本質的な問題から目をそらすような姿勢はよくない。建設的対話によって本書の内容をバージョンアップしていく姿勢が重要だ。

 (2)②は、基礎知識を固めた上で現状分析を行うという手堅い構成になっている。
 <FTAとは、参加国が関税や輸入割り当てを撤廃したり削減したりする協定です。
 TPPは、環太平洋地域の国々による経済連携協定(EPA)です。
 FTAやTPPは貿易自由化の協定であると考えられています。しかし、これは大きな誤解です。
 これらは、自由化ではなく、自由貿易の原則に反するブロック化協定です。(中略)FTAやTPPは、経済学では「関税同盟」と呼ばれます。
 経済圏やブロック化協定、関税同盟は、自由貿易と混同されています。いくつかの国で集まって、その域内では関税を引き下げ、または撤廃しようとするものだからです>
 TPPやFTAが自由貿易に対立する関税同盟だという基本を押さえておけば、世界経済の構図がよく分かる。

 (3)③は、いわゆる学会ウオッチャーの本とは異なり、世界宗教としての展開を急速に進める創価学会の内在的論理をつかもうと努力している。
 <私はジャーナリストという職業柄、徹底した現実主義者である。(中略)なぜ宿命転換が可能なのか、不治の病で亡くなる学会員もいるではないか。また学会員は「三世の生命」をよく口にするが、来世は本当にあるのか。それは今でもわからない。しかし、学会員は「どう生きるべきか」「どう死について考えるか」という問いへの答えを宿命転換や三世の生命観に求めている。それが人生を前向きに生きるための希望となっているのであろう。
 創価学会が多くの人の心をつかみ、さらに世界へと広がっていった、その原動力になっているのは、誰もが生きる希望を持てるようになることではないか。宗教とはロマンを求める生き方そのものを指す、それが私の導き出した答えである>
 という田原氏の指摘は適切と思う。人々に希望を与える力がこの教団には内在している。

□佐藤優「自由貿易に対立する関税同盟 ~知を磨く読書 第265回~」(「週刊ダイヤモンド」2018年9月29日号)

 【参考】
【佐藤優】五木寛之氏の小説論が明かされた学生たちとの対話
【佐藤優】文化は操作可能な道具か
【佐藤優】孤独な作家にとっての憩い
【佐藤優】社会情勢を反映した長時間労働対応の特捜部隊「カトク」の実態
【佐藤優】野蛮な帝国への抵抗文学
【佐藤優】不確実な社会に対応する
【佐藤優】21世紀でも色あせない歴史的名著の新訳 ~『仕事としての学問/仕事としての政治』~
【佐藤優】「知の巨人」らの対談3本 ~『世界と日本と日本人』~
【佐藤優】“日本語高”に資する作品
【佐藤優】資本主義の本質が現れる定年後の再就職市場
【佐藤優】社会を覆う自己責任論が生んだ「発達障害ブーム」
【佐藤優】あのテロ事件の一級の史料
【佐藤優】幕末期思想家の影響力の源泉
【佐藤優】欧米列強 血みどろの20世紀
【佐藤優】「日中関係が好転」の理由
【佐藤優】「読書力」によって「知の天井」を形成せよ ~松岡正剛の千夜千冊~
【佐藤優】ポピュリズムに流されずに国会をウオッチする姿勢、「小さな政府」だった室町幕府、欧州諸国の外交における植民地支配の遺産
【佐藤優】内外政事情の全体像、読解術、精神科受診へのハードルを低くする努力
【佐藤優】理解し合えない家族という共同体の本質 ~細部の描写が秀逸~
【佐藤優】江戸時代の「鎖国」は反カトリシズムだった ~『「日本」論 --東西の“革命児”から考える』~
【佐藤優】「三回読み」という技法 ~『国語ゼミ AI時代を生き抜く集中講義』~
【佐藤優】外務省主流派による画策、バランスがとれた社会評論、社会変革に与える教育の重要性
【佐藤優】『日本を蝕む「極論」の正体』
【佐藤優】日本の政治エリートの本音、キリスト教の日本的変容、西部邁の思想書
【佐藤優】思考の「小島」を作る法、鬱病対策、自決・考
【佐藤優】哲学者でもある筒井康隆、福祉から排除された人が刑務所に、神学からの教育論
【佐藤優】「アイロニー」と「ユーモア」の弁証法的技法で「真の学知」を手に入れよ
【佐藤優】弱者の「疑似福祉施設」 ~『刑務所しか居場所がない人たち』~
【佐藤優】親の収入・学歴と、子どもの学力の関係 ~いま生きる「資本論」(1)~
【佐藤優】日本社会の矛盾が詰まった「団塊ジュニア」はこんな苦労を強いられている
【佐藤優】修験道の論理、教育改革、東京の問題を解決する商品
【佐藤優】「書く」鍛錬が現代社会で自由になるための方法 ~『小論文 書き方と考え方』~
【佐藤優】コラム傑作選、ロシアのことがよく分かる小説家、官僚の考現学
【佐藤優】『思考法 教養講座「歴史とは何か」』の「新書版まえがき」
【佐藤優】堕ちたエリート、小説という代理経験 ~『桜の森の満開の下』~
【佐藤優】うつ状態を克服する道、知識人の団結、医学部の現状
【佐藤優】正しいことをしていると思い込む者の暴力、組織が個人に責任をいかにかぶせるか、投獄経験を描いた自伝の傑作
【佐藤優】トランプvs.インテリジェンス・コミュニティー ~『炎と怒り』(その2)~ 
【佐藤優】日本はトランプ大統領に命運を託せるのか? ~マイケル・ウォルフ『炎と怒り』~ 
【佐藤優】収入格差と教育環境、女性の負担が却って増す懸念、生命医科学と倫理
【佐藤優】英EU離脱と北アイルランド、文科省が進める教育改革に対する批判的検討、イスラエル独自のミサイル防衛システム

【佐藤優】職場ハラスメントを生む土壌、外務官僚の機密費疑惑、キリスト教の教義と思想の基本事項
【佐藤優】われわれの思考の鋳型、沖縄をめぐる知的に富む対談、高校で全科目を学ぶと社会に出てから役立つ
【佐藤優】文語訳聖書 ~キリスト教の魅力は死生観にある~
【佐藤優】北朝鮮がソウルと東京を攻撃したら、ウィスキーの美味しさの秘密、明治新政府の権力奪取法
【佐藤優】よりましなポピュリスト、「普通の人」が豹変するストーカー、規格外のトランプ米大統領
【佐藤優】人工知能は意味をまったく理解できない/数学者が説く「シンギュラリティ」の不可能
【佐藤優】トップリーダーの孤独、紛争地域や犯罪組織への武器拡散、精神科医と諜報工作員の共通点
【佐藤優】混乱する現代との類似性 ~『応仁の乱』~
【佐藤優】自死した保守派論客の思想の根源 ~『保守の真髄』~
【佐藤優】「当事者にとって」と「学理的反省者として」の二重の視座 ~『世界の共同主観的存在構造』~
【佐藤優】テロ対策に関する世界最高レベルの教科書、宇野弘蔵の経済学を取り入れたユニークな社会学演習書、シンギュラリティ神話の脱構築
【佐藤優】憲法改正は見せ球に終わるか
【佐藤優】日本と米国の社会病理
【佐藤優】消費者金融のインテリジェンス
【佐藤優】官僚を信用していない国民
【佐藤優】中国が台頭しつづけたら、仏教の末法思想と百王説、時計の歴史
【佐藤優】子どもや孫の世代への重荷
【佐藤優】日本のレアルポリティーク
【佐藤優】巨大さを追求する近代的思考
【佐藤優】アナキズムという思考実験
【佐藤優】AIとの付き合い方を知る手引、宗教と国体論の危険な関係、若手官僚の思想の底の浅さ」
【佐藤優】伊藤博文の天皇観と合理主義、歴史の戦略的奇襲から得る教訓、「知の巨人」井筒俊彦
【佐藤優】教育費の財源問題で政局化か
【佐藤優】ホワイトカラーの労働者化
【佐藤優】指導者たちの内在的論理を知る
【佐藤優】世界規模のポストモダン現象
【佐藤優】宗教改革の物語 ~近代、民族、国家の起源~
【佐藤優】カネとの付き合い方の秘訣、野外で生きる雑種ネコの魅力、前科者に冷たい日本社会
【佐藤優】着目すべき北極海の重要性、日本の政治文化に構造的に組み込まれている「甘え」、文明論と地政学を踏まえた時局評論
【佐藤優】リーダーが知るべき文明観、資本主義後の社会構想、刑務所暮らし経験者の本音
【佐藤優】地図から浮かぶ歴史のリアル、平成不況は金融政策のミス、実証的データに基づく貧困対策
【佐藤優】ケータイによる日本語の乱れ、翻訳の技術、ロシア人の内在的論理
【佐藤優】武蔵中高の教育、ルター宗教改革の根幹、獣医師にもっと競争原理を導入
【佐藤優】社会に活力をもたらす政策、具体的生活の上に立つ民族国家、開発至上主義が破壊する永久凍土の生態系
【佐藤優】日本のフリーメイソン陰謀論、ユニークな働き方改革、自衛隊元陸将によるリーダーシップ論
【佐藤優】ハプスブルク帝国史の「もし」、最新の進化論、神童の軌跡
【佐藤優】知識を本当に身に付けるには、テロ戦争におけるドローンの重要な役割、帰宅恐怖症
【佐藤優】北朝鮮との緊張の高まりに対して必要な姿勢、時間管理と量子力学、時間がかかるのは損
【佐藤優】川喜田二郎『発想法』 ~総合的思考と英国経験論哲学~
【佐藤優】日本の思想状況の貧しさ、頑丈にできている戦闘機、東方正教会に関する概説書
【佐藤優】資本主義の根底にある「勤勉さ」という美徳の淵源 ~『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』~
【佐藤優】手ごわいフェイクニュース、国を動かす政治エリートの意志、欧州内部における紛争
【佐藤優】×奥野長衛『JAに何ができるのか』
【佐藤優】『戦争論』をビジネスに活かす、現実社会の悪と闘う、ロシア人の意識と使命感
【佐藤優】面白い数学啓発書、日本人の思考の鋳型、攻める農業への転換
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学(2) ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】総合的思考と英国経験論哲学 ~川喜田二郎『発想法』~
【佐藤優】保守論客が見た明治憲法、軍事産業にシフトしていく電機メーカー、安全と安心を強化する過程に入り込む犯罪者
【佐藤優】就活におけるネット社会の落とし穴、裁判官の資質、象徴天皇制と生前退位問題
【佐藤優】痛みを無視しない、前大戦で「前線」と「銃後」の区別がなくなった、情報を扱う仕事の最大の武器
【佐藤優】海上権力を維持するために必要な要素 ~イギリスの興亡の歴史を通して~
【佐藤優】女性の貧困を追跡したノンフィクション、師弟関係こそ教育の神髄、イランは国際基準から逸脱した国
【佐藤優】2000年の時を経て今なお変わらないインテリジェンスの「真髄」 ~孫子~
【佐藤優】財政から読みとく日本社会、ラジオの魅力、高校レベルの基礎の大切さ
【佐藤優】嫌韓本と一線を画す韓国ルポ、セカンドパートナーの実態、日本人の死生観
【佐藤優】人間にとって「影」とは何か ~シャミッソー『影をなくした男』~
【佐藤優】文部省の歴史と現状、経済実務家のロシア情勢分析、中国の対日観
【佐藤優】学習効果が上がる「入門書」、応用地政学で見る日本、権力による輿論のコントロールを脱構築
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【佐藤優】ヨーロッパ宗教改革の本質、相手にわかるように説明するトレーニング、ロシア・エリートの欧米観
【佐藤優】なぜ神父は独身で牧師は結婚できるのか? 500周年の「革命」を知る ~マルティン・ルター『キリスト者の自由』~
【佐藤優】政界汚職を描いた古典 ~石川達三『金環蝕』~
【佐藤優】生きた経済の教科書、バチカンというインテリジェンス機関、正しかった「型」の教育
【佐藤優】誰かを袋だたきにしたい欲望、正統派の書評家・武田鉄矢、追い込まれつつある正社員
【佐藤優】発達障害とどう向き合うか、アドルノ哲学の知的刺激、インターネットと「情報犯罪」
【佐藤優】後醍醐天皇の力の源 「異形の輩」とは--日本の暗部を突く思考
【佐藤優】実用的な会話術、ユーラシア地域の通史、宇宙ロケットを生んだ珍妙な思想
【佐藤優】キブ・アンド・テイクが成功の秘訣、キリスト教文化圏の悪と悪魔、理系・文系の区別を捨てよ
【佐藤優】企業インテリジェンス小説 ~梶山季之『黒の試走車』~
【佐藤優】中東複合危機、金正恩の行動を読み解く鍵、「型破り」は「型」を踏まえて
【佐藤優】後世に名を残す村上春樹新作、気象災害対策の基本書、神学の処世術的応用
【佐藤優】地学の魅力、自分の頭で徹底的に考える、高等教育と短期の利潤追求
【佐藤優】日本人の特徴的な行動 ~日本礼賛ではない『ジャパン・アズ・ナンバーワン』~
【佐藤優】知を扱う基本的技法、ソ連人はあまり読まなかった『資本論』、自由に耐えるたくましさ
【佐藤優】後知恵上手が出世する? ~ビジネスに役立つ「哲学の巨人」読解法~
【佐藤優】トランプ政権の安保政策、「生きた言葉」という虚妄、キリスト教の開祖パウロ
【佐藤優】「暴君」のような上司のホンネとは? ~メロスのビジネス心理学~
【佐藤優】物まね芸人とスパイの共通点、新版太平記の完成、対戦型AIの原理
【佐藤優】トランプ側近が考える「恐怖のシナリオ」 ~日本も敵になる?~
【佐藤優】弱まる日本社会の知力、実践的ディベート術、受けるより与えるほうが幸い
【佐藤優】トランプの「会話力」を知る ~ワシントンポスト取材班『トランプ』~
【佐藤優】「不可能の可能性」に挑む、言語の果たす役割の大きさ、NYタイムズ紙コラムニストの人生論
【佐藤優】人生は実家の収入ですべて決まる? ~「下流」を脱する方法~
【佐藤優】ソ連崩壊後の労働者福祉軽視、現代も強い力を持つ観念論、孤独死予備軍と宗教
【佐藤優】米国のキリスト教的価値観、サイバー戦争論、日本会議
【佐藤優】『失敗の本質』/日本型組織の長所と短所
【佐藤優】世界を知る「最重要書物」 ~クラウゼヴィッツ『戦争論』~
【佐藤優】現代ロシアに関する教科書、ネコ問題はヒト問題、トランプ氏の顧問が見る中国
【佐藤優】日本には「物語の復権」が必要である ~反知性主義批判~
【佐藤優】サイコパス、新訳で甦る千年前の魂、長寿化に伴うライフスタイルの変化
【佐藤優】イラクの地政学、誠実なヒューマニスト、全ての人が受益者となる社会の構築
【佐藤優】外交に決定的に重要なタイミング、他人の気持ちになって考える力、科学と職人芸が融合した食品
【佐藤優】『ゼロからわかるキリスト教』の著者インタビュー ~「神」を論じる不可能に挑む~
【佐藤優】組織の非情さが骨身に沁みる ~新田次郎『八甲田山死の彷徨』~
【佐藤優】プーチン政権の本質、2017年の論点、ロシアと欧州
【佐藤優】国際人になるための教科書、ストレスが人間を強くする、日本に易姓革命はない
【佐藤優】ロシアでも愛された知識人の必読書 ~安部公房『砂の女』~
【佐藤優】トランプ当選予言の根拠、猫の絵本の哲学、人間関係で認知症を予防
【佐藤優】モンロー主義とトランプ次期大統領、官僚は二流の社会学者、プロのスパイの手口
【佐藤優】トランプを包括的に扱う好著、現代日本外交史、独自の民間外交
【佐藤優】デモや抗議活動のサブカルチャー化、グローバル化に対する反発を日露が共有、グローバル化に対する反発が国家機能を強化
【佐藤優】国際社会で日本が生き抜く条件、ルネサンスを準備したもの、理系情報の伝え方
【佐藤優】人生を豊かにする本、猫も人もカロリー過剰、度外れなロシア的天性
【佐藤優】テロリズム思想の変遷を学ぶ ~沢木耕太郎『テロルの決算』~
【佐藤優】住所格差と人生格差、人材育成で企業復活、教科書レベルの知識が必要
【佐藤優】数学嫌いのための数学入門、西欧的思考にわかりやすい浄土思想解釈、非共産主義的なロシア帝国
【佐藤優】ウラジオストク日本人居留民、辺野古移設反対を掲げる公明党沖縄県本部、偶然歴史に登場した労働力の商品化
【佐藤優】「21世紀の優生学」の危険、闇金ウシジマくんvs.ホリエモン、仔猫の救い方
【佐藤優】大学にも外務省にもいる「サンカク人間」 ~『文学部唯野教授』~
【佐藤優】訳・解説『貧乏物語 現代語訳』の目次
【佐藤優】「イスラム国」をつくった米大統領、強制収容所文学、「空気」による支配を脱構築
【佐藤優】トランプの対外観、米国のインターネット戦略、中国流の華夷秩序
【佐藤優】元モサド長官回想録、舌禍の原因、灘高生との対話
【佐藤優】孤立主義の米国外交、少子化対策における産まない自由、健康食品のウソ・ホント
【佐藤優】アフリカを収奪する中国、二種類の組織者、日本的ナルシシズムの成熟
【佐藤優】キリスト教徒として読む資本論 ~宇野弘蔵『経済原論』~
【佐藤優】未来の選択肢二つ、優れた文章作法の指南書、人間が変化させた生態系
【佐藤優】+宮家邦彦 世界史の大転換/常識が通じない時代の読み方
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【佐藤優】偉くない「私」が一番自由、備中高梁の新島襄、コーヒーの科学
【佐藤優】フードバンク活動、内外情勢分析、正真正銘の「地方創生」
佐藤優】日本の政治エリートと「天佑」、宇宙の生命体、10代が読むべき本
【佐藤優】組織成功の鍵となる人事、ユダヤ人の歴史、リーダーシップ論
【佐藤優】第三次世界大戦の可能性、現代東欧文学、世界連鎖暴落
【佐藤優】司馬遼太郎の語られざる本音、深層対話、米政府による暗殺
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【佐藤優】総理が靖国参拝する理由、NPO活動の哲学やノウハウ、テロ対策の必読書
【佐藤優】今後、起こりうる財政破綻 ~対応策を学ぶ~
【佐藤優】社会の価値観、退行する社会
【佐藤優】夫婦の微妙な関係、安倍政権の内在的論理、警察捜査の正体
【佐藤優】情緒ではなく合理と実証で ~社会の再構築~
【佐藤優】中曽根康弘、21世紀の資本主義分析、北樺太の石油開発
【佐藤優】日本人の思考の鋳型、死刑問題、キリスト教と政治
【佐藤優】中国株式市場の怪しさ、イノベーションの障害、ホラー映画の心理学
【佐藤優】普天間基地移設問題の本質、外務省犯罪黒書、老後に快走!
【佐藤優】シリア難民が日本へ ~ハナ・アーレント『全体主義の起源』~
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【佐藤優】敵を愛しなさい

2018年09月27日 | ●佐藤優
 <「隣り人を愛し、敵を憎め」と言われていたことは、あなたがたの聞いているところである。しかし、わたしはあなたがたに言う。敵を愛し、迫害する者のために祈れ。 --「マタイによる福音書」5章43-44節

 この言葉はよく誤解されている。イエスは、敵と味方を一緒にして、誰でも愛せというような博愛主義を説いているのではない。「敵を愛する」前提として、味方と敵を峻別しなくてはならない。その上で敵に対しては、有り余る憎しみがあるので、愛するくらいの感覚を持たないと判断を誤る、と説くのだ。もっとも、敵を愛しているうちに、敵とか味方とかいった区分が徐々に解消していく。迫害をする者のために祈っているうちに、迫害する者も変化していくという人間観がイエスにはある。
 イエスの理解では、愛は何らかの目的のために行使されるものではない。愛はただその行為によって充足的に成り立っているのである。従って、最初の動機はどのようなものであっても構わないが、愛を実践しているうちに人間は変容していく。繰り返すが、聖書に記されているから愛を実践するのではない。イエスは、まことの神の子であるから、理由なく、ひたすら愛を実践するのである。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「常識を逆転する言葉」の「敵を愛しなさい」を引用

 【参考】
【佐藤優】目標をめざして
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~
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【佐藤優】目標をめざして

2018年09月26日 | ●佐藤優
 <わたしがすでにそれを得たとか、すでに完全な者になっているとか言うのではなく、ただ捕らえようとして追い求めているのである。そうするのは、キリスト・イエスによって捕らえられているからである。兄弟たちよ。わたしはすでに捕らえたとは思っていない。ただこの一事を努めている。すなわち、後のものを忘れ、前のものに向かってからだを伸ばしつつ、目標を目ざして走り、キリスト・イエスにおいて上に召して下さる神の賞与を得ようと努めているのである。 --「ピリピ人への手紙」3章12-14節

 世の中には、自分は完全な者であると勘違いしている輩がいる。パウロは、このような輩を頭に置いて、人生の目標について語っている。
 キリスト教徒の人生の目標は、「神の国」に入り、「永遠の命」を得ることだ。しかし、完全な人間にならなくては、この目標を達成できないと考えるのは、大きな間違いだ。不完全な人間であることを自覚しながら、少しでも完全な人間になる努力を続けていくことが重要なのである。このような努力が、同時に人生の目標を追求することにもなる。過去のことばかり考えてくよくよしても仕方がない、常に前を見なくてはならない。イエス・キリストに完全に従うことができるような人間になろうと努力を継続していくことが重要なのである。
 右肩下がりの時代、サラリーパーソンは、いくら一生懸命働いても昇給や昇進にはつながらない場合が多い。それであっても勤勉さを失わなければ、いつか必ず報いられるというのがキリスト教の教えである。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「苦難に負けない言葉」の「目標をめざして」を引用

 【参考】
【佐藤優】試練を喜ぶ
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~

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【佐藤優】試練を喜ぶ

2018年09月25日 | ●佐藤優
 <わたしの兄弟たちよ。あなたがたが、いろいろな試練に会った場合、それをむしろ非常に喜ばしいことと思いなさい。あなたがたの知っているとおり、信仰がためされることによって、忍耐が生み出されるからである。だから、なんら欠点のない、完全な、でき上がった人となるように、その忍耐力を十分に働かせるがよい。 --「ヤコブの手紙」1章2-4節

 ヤコブの手紙の著者が誰かは、よくわかっていない。著者がパウロでないことは確実であるが、パウロの信仰理解には共感を示している。この手紙では、キリスト教徒は、非キリスト教徒によって構成される世俗の社会の影響を極力受けるべきではないという内容が強調されている。試練とは、誘惑と言い換えてもいいが、試練を克服することによって人間は自由を獲得する。それだから、試練を喜びと思えと説いている。
 実は、キリスト教徒の強さは、このような価値観の転換にある。いつの日か、キリスト教徒は、再臨したキリストの審判によって救われるという確信を持っている。救われるという未来の現実から、現在を見ることによって、試練や苦難に、積極的な意味を付与することができる。
 非キリスト教徒の日本人でも、「自分の目的がかなった状態」から現在の自分を見るということを試みると、直面している苦難や試練のつらさも軽減するはずだ。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「苦難に負けない言葉」の「試練を喜ぶ」を引用

 【参考】
【佐藤優】永遠の命のために
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
【佐藤優】弱さを誇ろう
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
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【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~

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【佐藤優】永遠の命のために

2018年09月24日 | ●佐藤優
 <たといわたしたちの外なる人は滅びても、内なる人は日ごとに新しくされていく。なぜなら、このしばらくの軽い患難は働いて、永遠の重い栄光を、あふれるばかりにわたしたちに得させるからである。わたしたちは、見えるものにではなく、見えないものに目を注ぐ。見えるものは一時的であり、見えるないものは永遠につづくのである。 --「コリント人への第二の手紙」4章16-18節

 キリスト教徒であることで、さまざまな困難に直面することがある。しかし、それを恐れるには及ばないとパウロは説く。われわれはいつか死ぬ。しかし、イエス・キリストを救済主と信じる人は、終わりの日に肉体と魂が復活し、最後の審判を経て「永遠の命」を得る。この希望をキリスト教徒は人生の基準に据えなくてはならないと、パウロは主張する。
 具体的には、人生で困難な状況に直面したときには、よく考えて、より困難な選択をすることが必要とされる。なぜならば、イエス・キリストが苦難を通じて自由を得たからである。キリスト教徒はイエスのように生きることを試みなくてはならない。それによって、いかに不利益を受けようとも、いずれそれを撥ね返すことができる。
 キリスト教徒はイエス・キリストを信じることによって自分たちは確実に救われるという希望を持っている。それ故に、この世界で絶望的な状況に直面しても、落ち着いて対応することができるのだ。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「苦難に負けない言葉」の「永遠の命のために」を引用

 【参考】
【佐藤優】立っていると思う者
【佐藤優】重荷を背負うのは
【佐藤優】苦難と希望
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【佐藤優】一粒の麦
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【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
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【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~

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