語られる言葉の河へ

2010年1月29日開設
大岡昇平、佐藤優、読書

【佐藤優】弱さを誇ろう

2018年09月06日 | ●佐藤優
 <キリストの力がわたしに宿るように、むしろ、喜んで自分の弱さを誇ろう。だから、わたしはキリストのためならば、弱さと、侮辱と、危機と、迫害と、行き詰まりとに甘んじよう。なぜなら、わたしが弱い時にこそ、わたしは強いからである。 --「コリント人への第二の手紙」12章9-10節

 キリスト教徒は、自らの中に二面性があることを自覚している。第一は、神の恵みによって神秘的な世界に引き上げられた自分である。第二は、罪にまみれ、弱さを背負った本来の自分である。こういうハイブリッド型の人間観がキリスト教の特徴だ。
 人間が生きていく中では、自分が持っている弱さが常に障害になる。しかし、キリスト教徒の場合は、イエス・キリストから、その弱さを克服することができる恵みを与えられているのである。従って、どんなに弱い人えであっても、恵みの力によって、人生の障害を克服することが必ずできるのである。そこから、「弱さを誇る」というキリスト教的な逆説が生まれてくる。別の見方をすると、人間が弱さを示している場所で、神は働くのである。それだから、キリスト教徒は、どのような難しい問題に直面したり、困難な状況に陥ったりしたときでも、決して希望を失うことはない。弱い場にいる自分に神が必ず働きかけて、窮地から脱出させてくれるからである。>

□佐藤優『人生の役に立つ聖書の名言』(講談社、2017)の「苦難に負けない言葉」の「弱さを誇ろう」を引用

 【参考】
【佐藤優】一粒の麦
【佐藤優】平和ではなく剣を
【佐藤優】恐れるな
【佐藤優】迫害される人
【佐藤優】平和をつくる人
【佐藤優】心の清い人
【佐藤優】あわれみ深い人
【佐藤優】正しさを望む人
【佐藤優】柔和な人
【佐藤優】悲しんでいる人
【佐藤優】心の貧しい人
【佐藤優】地の塩となれ
【佐藤優】狭い門を選べ
【佐藤優】求めれば与えられる
【佐藤優】明日を思い悩むな
【佐藤優】思い悩むな
【佐藤優】まえがき ~『人生の役に立つ聖書の名言』~


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。