ほなさんの汗かき日記

かくれ肥満の解消に50歳を超えてはじめた健康徒歩ゴルフ。登場する個人名、会社名、内容はフィクションである。

再録「汗かき日記」第四部(最後のおまけ)

2010年12月08日 | 日記
     草原の風に身をまかせ

「草原を渡る風をみたのは、いつのことだろうか。」と、
私はこの『汗かき日記 第一部』の最後に書きました。そ
して、その風を身体いっぱいに受けていたい、と。身体の
芯にたまったヘドロ化した脂汗を搾り出し、サラッとした
身軽な体になって、身体の隅々まで爽やかな風を通したい
と思ったのでした。
昔から云う、梅雨が終わったあとの「虫干し」を、自分の
体に行いたかったのです。体の奥に仕舞い込んできたもの、
長年たまりにたまったものがそれだけ多かったのでした。

風光明媚なゴルフ場のコースのようなわけにはいきません
が、このショートコースでも、爽やかな風に出会うことが
よくあります。山沿いを行き来する風が、コースのフェア
ウエイを吹き抜けていくからです。山から市街地を往来す
るこの風来坊は、汗をかいたゴルファーの身体を、背中か
ら押したり、正面から吹き付けたりと、やんちゃ坊主のよ
うな気まぐれをみせてくれます。

私の湿った肌とアンダーウエア、シャツのそれぞれの間に
割り込んで、生暖かい汗と空気を吹き飛ばしてくれるので
す。靴のメッシュの小さな穴さえも、平気な顔して通って
いきます。
誰も居ないフェアウエイでこの風来坊に出会ったら、私は
帽子を飛ばされないようにして、しばしその場に立ち止ま
り、大きく息を吐き出し、目を閉じて、全身を風に晒しま
す。

いつも聴こえる遠くの車や街の騒音、それさえも風が勢い
よくさえぎって、フェアウエイに残るのは、鳥のさえずり
と木々や草が揺れる空間だけ。
気持ちのよい至福の時を、私は見つけたのでした。
                   (第4部 完)

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