ほなさんの汗かき日記

かくれ肥満の解消に50歳を超えてはじめた健康徒歩ゴルフ。登場する個人名、会社名、内容はフィクションである。

妄想の果て

2008年05月06日 | 日記
「スイン○プロ」という器具を買ったのが、
3年前。
有名な金○プロ推薦の用具だ。

最初は振っていたが、すぐに止める。
というのも、なんのために振っているか、ど
う振ればよいのか、まったく理解していない
まま、やがて事務所で振っているときに、ど
こかにぶつけ、女房からきつい注意がで、そ
れ以来、お蔵入りとなった。

素人のわれわれには、こういう器具をどんな
風に使えばよいか、それが理解できていない
ことが多い。
今なら、タオルの先をくくりそのまま振れば
同じような練習ができることがわかる。

資金が乏しい、練習場所が無い、ゴルフ場へ
もたくさん行けない、というわれわれ月1ゴ
ルファーには、こういう練習器具を使えば、
来月こそナイスショットが出て、明日からの
日常生活も変身するものと錯覚している。
そして買い求め、数日だけは練習するのだ。

CMや写真のモデルは、自分の姿とオーバーラ
ップしており、いつの間にか、毛の薄い己の
後頭部にありあまる毛髪がはえ、腹筋は十字
に割れ、背は20CMも高くなっている。もち
ろん、歯は丈夫で虫歯は1本もない。年齢は
不肖だが半分くらいだ。

サイフの中は万札であふれ、小銭など入れる
余地がない。車は、乗ったことも触ったこと
もないが、あたり前のように外車。ましてや
セカンドカーまである。セカンドカーとて、
荷物用の軽トラじゃないよ。トヨタの国産車
、すくなくとも2000ccクラスだ。

もうこうなりゃ、家族も変えてしまおう。子
供は品よく聞き分けのよい、おぼちゃまとお
譲ちゃま。女房は、閑な時間をつぶすために
と読者モデルをやっている。

この¥9980の練習器具から生まれるナイスシ
ョットは、恐ろしくもここまで変えてしまう
のだ。ほなさんは、そこに気付き、ここでナ
イスショットを出してしまって、家族まで変
えてしまうような人生になってはいけないと、
この練習器具を倉庫にしまいこんだのだ。

危ない!ところであった。
愛するわが妻も子供たちも捨ててしまうとこ
ろだった。
人生の選択を間違う岐路であったのだ。
ゴルフなどうまくなっても、仕方ないことだ。
となりのホールへ飛び込むスライスボールが
直らなくとも、ここに居る、はな垂れ小僧の
愛する息子を失うことは、絶対にあってはな
らない。

QVCと通販「命」の妻であっても、この先
行く末を看取ってもらうなら、ここはぐっと
ガマンをしなければならない。
夢のような生活を手に入れてしまうという、
まさしく危ないところだった。

あれ以来、スライスとダフリを我が友とし、
失笑と悔しさの連鎖の生活を取り戻し、平凡
なオヤジを演じ続けている。
平凡に生きることが、実は、非凡なのである
という源氏慶太の言葉を支えにして。

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