ほなさんの汗かき日記

かくれ肥満の解消に50歳を超えてはじめた健康徒歩ゴルフ。登場する個人名、会社名、内容はフィクションである。

再録「汗かき日記」第四部(前)

2010年11月18日 | 日記
    ほなさんの汗かき日記(第四部)

        二度目のコンペ

 今年は台風の上陸が異常に多く、毎週くるものだから「週末台風」
というあだ名がつけられた。この週の台風は、週の前半に日本海側へ
台風が抜けていってくれたから、しばらく悪天候の心配はなくなり、
私ら親子はほっと胸をなでおろしたのだった。

9月中旬の土曜日、10名の参加者でコンペは開かれた。クラブハウス
の中のフロントから少し離れたところで、受付と打ち合わせをして、
10分後、組み分けが発表された。主催者側は、ハンデ等を参考に1グ
ループの総打数を予想して、競技がスムーズに進行できるように考
えるのだ。うまい者、下手な者を同じグループにすることによって、
どの組も平均的な総打数にさせるのが狙いだそうだ。初心者の私な
どは、下手な者同士組ませてもらったら、気兼ねなしでよいように
思うのに、そういうものではうまくいかないらしい。
下手な者ばかりでは、打数が多く、時間がかかってしまい、ゴルフ
場全体が流れなくなって、コンペ以外の他のゴルファーに迷惑をか
けてしまうからだそうだ。待ち時間があまりに多いというのも、リ
ズムを崩す原因になり良いスコアが出なくなるという。ゴルフの楽
しみのひとつは、ベストスコアを出すことだ。そういう他人の楽し
みに配慮するというのも、紳士のスポーツと言われるゆえんなのだ
ろう、と思った。グループ分けは、次のように決まった。

 第1組 私の顔見知りの方1名に初顔の方3名の計4名
 第2組 K師匠とN社長の宿敵コンビに、息子の計3名
 第3組 K師匠の奥さん、初対面の大阪人Oさん、ほなの計3名

第1組が4名であるのに、第2組、第3組が3名というのは、それだけ、
わが息子と私が打数をたたくと予定されたからである。前回のコン
ペで、厳しい試練を経験したK師匠ら主催者側の正しい判断である
が、ぜひとも今回は、その期待を裏切りたい、裏切ってやると思い
つつクラブハウスをあとにした。


        期待と不安の狭間

 NカントリーOUTの1番ホールは、全体が右にドックレッグした
形状で、広いフェアウエイにティショットを打ち下ろしていくホール
。瀬戸内海国立公園の内海に浮かぶ島々、それらを結ぶ橋、横たわる
海と空とが織りなす雄大なパノラマ景色に向かって、第一打をスター
トしていくようになっている。
ティグラウンド脇に留まった白いカートが縦に並んで、それぞれの順
番を待っていた。私たちが使うティグラウンドの後ろ、バックティと
呼ばれる社会人大会などで使われるグラウンドでは、スタートまでの
時間に、素振りをする者、談笑する者たちで、サロンと化していた。

 第1組のメンバーが、それぞれのティショットを終えて、スタート
していく。後発の第2組、3組からは「頑張ってこいよ~」の励ましや
ら、第1打をミスショットした者への冷やかし、またそれへの強がりの
返答が周りの笑いを誘う。緊張感のある和やかな雰囲気はコンペなら
ではのものなのだろう。ハーフ(9ホール)を回ってお昼に戻ってくる
まで、お互いがどんな結果になるのか、不安と期待をにドキドキする
時間でもある。

 第2組の建設会社のN社長は、40代の赤銅色の顔にがっしりした体格
で、全身これ「飛ばし屋」という風情。スラットした細身のK師匠と
は好対照の存在だ。スタートのティグラウンドで、物静かなK師匠が、
いつになくイキイキとした口調でN社長と話している。今回も幹事を
やって下さっているK師匠は、今日は最初からN社長と一騎打ちをす
るつもりだったのだろう。「好敵手がいてこそゴルフも楽しい」とい
わんばかりの嬉しそうな様子だ。隅っこで、息子は懸命な素振りをし
て、ブンブンいわせている。N社長とK師匠の間に入って、せめて飛
距離だけでも負けまいと企んでいるようだ。親としては、お二人の巧
者の勝負の邪魔にならないように祈るばかりだ。

「前が空いたようです。そろそろスタートしますか。」と第2組のキャ
ディさんが合図した。一番手のN社長は、パワーを押さえながら無難
なティショットをした。次にいつも冷静なK師匠は、「飛ばしや」N
氏を相手にすると、力んだのか第一打をOBさせてしまい、波乱を呼
ぶスタートをしていった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 幕間のおしゃべり | トップ | 準備万端、でも、 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事