雪だるま倶楽部

日々を離れ
日常から脱却した世界
そんな風景を切り取っています

祇王寺

2007年11月22日 | 京都散策
嵯峨野の道を歩くのが好きです
四季折々の風景が旅心を掻き立ててくれるから

歴史的景観保存地域に指定され、多くの観光客が歩く地域

    

景観を堪能しながら歩きます
常寂光寺を出て祇王寺まで
途中、二尊院の前を通りますが今回はパス
一路祇王寺まで

木漏れ日の差し込む祇王寺に出会えました

    

平清盛の寵愛を受けた白拍子祇王
白拍子祇王は近江国野洲郡中北村の出身
父は橘時長、母は刀自、妹は祇女

        

保元の乱で橘時長は戦死
母と妹を養うため祇王は白拍子となります
白拍子とは男装して男舞を踊る巫女のこと

        

ずば抜けた美貌を持っていた祇王
華麗な舞姿で京都で評判の白拍子となります

この噂を聞きつけた時の権力者平清盛

噂以上の祇王の美しさ

        

あまりの美しさに我を忘れた平清盛
独占欲の強い彼は祇王を我が物とします

屋敷内に邸宅を建て毎月米百石と銀百貫を与え寵愛

やがて3年
寵愛の最後は悲しく訪れます
仏御前という名の白拍子が改に平清盛の寵を受けることとなってしまいます

        

「もえ出るも かるゝもおなじ 野邊の草 いづれか秋に あはではつべき」
祇王が屋敷を去る時に詠んだ歌

    

その彼女に更なる試練が訪れます
平清盛に呼び出された屋敷で、席次を大きく下げられた席で歌を強要されます

「仏もむかしは凡夫なり我等も終には佛なりいづれも仏性具せる身をへだつるのみこそ悲しけれ」

一時は自殺をも考えた祇王ですが、出家することで精神の安定を図ることとなりました

    

そんな悲しい物語がこの寺にはあります

苔の絨毯を眺めながら祇王秘話を思い出しました
祇王寺は竹林に囲まれた寺院

        

ここは静けさが似合う場所です

近年人気となり世間話が庭園内に響きますが、是非とも静かに拝観してもらいたいものですね

    

祇王の秘話を苔むした庭園が静かに語ってくれますので...



        

小さな寺院ですが、反比例するように長い滞在時間
ここは時間の流れが速いのかな?

        

そんなことはないですよ
あなたがゆっくりしているだけ

紫式部が教えてくれました

        

祇王寺、堪能いたしました

        

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4 コメント

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おはようございます (miko)
2007-11-22 10:30:58
楓の木立にひっそり佇む祇王寺。。。

今年の京都の旅では行けなかったのですが、
高校の時の修学旅行で訪れたことがあります^^
当時は数人のグループで訪れたのですが、なんともいえない雰囲気に、
私1人飲み込まれた記憶があります。
でも、一緒の友達はあまりお寺というものに興味がなかったらしく・・・^^;
早々と退散ということになってしまって・・・
あ~残念!

前にもコメントしましたが、見ていると、本当に自分が歩いた道のような気がしちゃいます^^;
ただの思い込みかもしれませんが^^;

トップの田んぼの写真も琴線に触れる一枚です。
緑の苔と楓の木立から漏れる光、これもステキです。
そっと囁いた紫式部の姿もステキだし・・・竹林も・・・
アップされた中から個人的に一枚を選ぼうと試みましたが・・・
なかなか選べない^^;
無理やり一枚を選んだ結果・・・

祇王寺の山門?の写真が好きです~

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Unknown (matsukaze)
2007-11-22 22:03:05

これから
この苔に散り紅葉の
絨毯ができるわけですね。
狭い境内ながらなんとも侘び寂びを
感じるところです。
返信する
mikoさんおはようございます (雪だるま)
2007-11-23 05:50:03
寺院拝観は基本的には一人がお勧めですよね
人それぞれ
時間の使い方が本当に違うのです
雪だるまにとってどうでもいい場所に時間をかける人もいれば、ここはって場所を足早に通り過ぎてしまったり

寺院の建物に興味がある人や、庭園に興味を示す人
国宝級の文化財が一番という人
色々いますので、連立っては中々難しい

まあこれは何も観光に限った話ではないですが

自分が歩いた道のような気がする

ありがとうございます
最高のほめ言葉と受け止めさせて頂きます

写真を撮っていて、いつの間にか独りよがりになってしまうことが多々
他の人に見ていただいて初めて正当な評価となるので、非常に嬉しいです
返信する
松風さんおはようございます (雪だるま)
2007-11-23 05:51:59
祇王寺は紅葉が近隣の寺院の中でも遅い方
これからが、ここの本場でしょうね

苔に落葉が積もり格別の風景に変わるまであと少し

本当に狭い境内ですが、濃縮された美を感じさせてくれますよね
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