雪だるま倶楽部

日々を離れ
日常から脱却した世界
そんな風景を切り取っています

落柿舎

2007年09月01日 | 京都散策
松尾芭蕉の門下・向井去来の住居跡
常寂光寺を出て山門からまっすぐ進み、最初の道を左に

   

田の向こう側に落柿舎が見えてきます
(昨年は田んぼでなく畑でしたが)

元禄4年には師匠の松尾芭蕉がこの草庵に滞在
『嵯峨日記』を記したことでも知られています
残念ながら、創建当時の建物は残っていません
今の落柿舎は明治28年に再建されたもの
近くの弘源寺の旧捨庵が売却されようとしているのを悲しんだ地元の名士が買い受けその地に落柿舎を再建

    

土間の壁に向井去来の在宅を知らせる合図として使用していた、蓑と笠が今でも掛けられていました
向井氏は在宅かな?

    

規模の大きな寺院が多い嵯峨嵐山にあって、この落柿舎はこじんまりと佇んでいます
ただ見るだけなら2分も必要ないほどの敷地

        

創建当時の面影を感じることが出来ます

    

落柿舎の名前の由来はと言うと...

向井去来が手に入れた古い家には買い求めた当初から柿の木が何本もあったそうです
その柿を見た商人が庭の柿を購入することとなり、代金を置いて帰ります
しかしその夜、嵐で柿の実が全て落ちてしまったとのこと
向井去来は柿の代金全額を商人に返却
それ以降、向井去来は自らこの庵を「落柿舎」と呼んだというのが由来です

    

居間は向井去来の人柄を反映しているのか、質素な佇まいを見せてくれます
「柿主や木ずゑは近きあらしやま」
と詠まれた俳句がまた素晴らしい

    

庭園の奥には獅子脅しもあって、拝観していると時折乾いた音色を響かせてくれます

        

嵯峨嵐山に行ったら必ず訪れたい場所です

    

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