雪だるま倶楽部

日々を離れ
日常から脱却した世界
そんな風景を切り取っています

白沙村荘3

2008年12月21日 | 京都散策
風が立ち浪が騒ぎ無限の前に腕を振る

  

その間小さな紅の花が見えはするが
それもやがては潰れてしまふ

       

風が立ち浪が騒ぎ無限のまへに腕を振る

       

もう永遠に帰らないことを思つて
酷白な嘆息するのも幾たびであらう

      

私の青春はもはや堅い血管となり、
その中を曼珠沙華と夕陽とがゆきすぎる

 

それはしづかできらびやかでなみなみと湛へ
去りゆく女が最後にくれる笑ひのやうに

      

厳かでゆたかでそれでゐて佗しく
異様で温かできらめいて胸に残る

    

あゝ胸に残る

   

風が立ち浪が騒ぎ
無限のまへに腕を振る

       

白沙村荘
最後は
中原中也の詩で綴りました
コメント (4)
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