ほぼ丸一日かけて、チケットを入手してから約2ヶ月。3月18日、大宮ソニックシティで行われた「涼宮ハルヒの激奏」に行ってきた。
私にとって、自発的にチケットを入手した、初めてのアニメイベントだ。休憩を含めて、のべ4時間にも渡る長丁場であり、どのように感想を書こうかと少々迷ったが、開き直って思うままに書いてみた。さらに、このような大がかりなイベントの感想を書くのは初めてなので、まとまりに欠ける文章になってしまったが、ご容赦下さい。
10時30分頃に新幹線で東京入りして、途中に秋葉原に寄り道しつつ、昼過ぎに大宮に到着した。
13時30分に大宮駅でケデラッタ(TOJHO)さんと合流して、まずは会場前まで行ってみた。物販は、外からでもかなりの人数が入っていると一目でわかる状態。無理して買わなくても後日売り出される物ばかりなので、スルー決定。その後は、周囲をぶらぶらと一回りした。1月20日のアニメイトでのチケット先行販売時に列が出来ていたと言う場所にも、通りがかった。
その後は喫茶店に入って休み、15時45分くらいに会場入りした。
この時点で、場内は人であふれて非常に混沌とした状態で、あと15分で開演とは思えない雰囲気だった。ロビーでは物販の他、出演者の寄せ書きやお祝いの花輪などがあり、それらを見ているだけで、あっと言う間に時間が経った。
寄せ書きは、キャラの名前で署名されているのに内容は「中の人」モードで、そのギャップが面白かった。また、怪しげなガンダムやコロ助など、アニメキャラの落書きが多く描かれており、個人的には「キン肉マン」の超人が多かった事が印象に残っている。ウォーズマン、バッファローマン、それにステカセキングまでいたが、誰が描いたのだろう。そういえば、後藤邑子が以前にブログで「II世」アニメの事を書いていたが。
開演の16時が迫ってきたので、自分の座席に座ったが、16時を過ぎてもなかなか始まらない。
どうしたのかと思い始めた頃、鶴屋さんの声で案内が流れて、場内が盛り上がる。さらに、みくるなのか中の人なのかよく判らない後藤邑子の着席案内、とどめに杉田智和によるクワトロ・バジーナと若本規夫の物マネが続き、既に何のイベントなのかよくわからない状態だった。
そして、司会役の白石稔(谷口役)が、持ち歌(?)の「WAWAWA忘れ物~」を披露しつつ登場して、いよいよ「涼宮ハルヒの激奏」が始まった。アシスタントは松元恵(国木田役)。この二人が出演すると聞いて、一体何をやるのかと不思議に思っていたが、納得のポジションだ。
司会の二人によって名前がコールされて、出演者が続々と登場した。多くの人は普通の服装だが、なぜか杉田智和はクワトロのコスプレ(金髪カツラにサングラスも装備)、小野大輔はカクリコンのコスプレで登場。さらに、白石稔はアムロのコスプレで司会をしており、男性陣は「ガンダム」ネタで揃えた格好となった。なぜ「ハルヒ」のイベントで「ガンダム」なのかと、最初から妙な感じのスタートだった。
まず、前半はイベントパート。
最初は、キャラクターごとの名場面集を観ながら、作品を振り返るトークコーナー。
ここで、石原立也監督とキャラクターデザインの池田晶子がゲストとして登場。池田さんの登場時に「しょこたーん!」と呼ばれていたのが、妙に可笑しかった。
名場面集のトークは、正直ちょっとグダグダな感じを受けた。
キャラクターごとの名場面集なので、しゃべるのは、そのキャラの声優と監督に、ほぼ固定されてしまい、話にあまり広がりがなかった。特に、杉田智和は微動だにしないような状態で、サングラスでわからないのをいい事に眠っているのではないかと、何度も突っ込まれていた。
また、名場面は監督が選んだらしいが、キャラによってはかなり短かったり(特にキョン)、「何故ここを?」と思うような場面もあり、声優陣も当惑していた感じが見受けられた。また、ミクルビーム発射直前や、キョンの「ポニーテール萌えなんだ」発言までで映像が終わるなど、寸止めされている感じもあった。
それでも、メインキャラはともかくとして、鶴屋さんやキョンの妹、朝倉涼子や谷口・国木田など、これまであまり触れられてこなかったキャラについても、監督や声優のこだわりや、演技の思い出を聴く事が出来て、興味深かった。
せっかくなので、名場面で登場した場面を、記憶にある範囲でコメントと共に紹介しておく。
・キョン:「涼宮ハルヒの憂鬱 VI」のクライマックス「ポニーテール萌えなんだ」と、「ライブアライブ」の文化祭後日、校庭でハルヒと話す場面
・ハルヒ:「涼宮ハルヒの憂鬱 I」より、自己紹介の場面。ここで「ただの人間に興味はありません。宇宙人、未来人…」とセリフが流れた時、会場から「俺、ニート!」と合いの手が入り、絶妙のタイミングに場内爆笑。
・みくる:「朝比奈ミクルの冒険 Episode 00」より、ミクルビーム発射寸前までと、「涼宮ハルヒの退屈」より、負傷退場の場面。
・長門:「涼宮ハルヒの憂鬱 IV」より、朝倉涼子との対決と、「射手座の日」の徐々にすごくなっていくPCさばき。
・鶴屋さん:「朝比奈ミクルの冒険 Episode 00」より、演技中に笑い出す場面と、「ライブアライブ」より、客引きの場面。松岡由貴によると、これだけ長く笑いの演技をしたのは初めてで、笑い方も少しずつ変化を付けて工夫したとの事。
・朝倉涼子:「涼宮ハルヒの憂鬱 I」より、体育でブルマー姿の場面と、「涼宮ハルヒの憂鬱 IV」より、キョンを殺そうとする場面。桑谷夏子は、朝倉の正体を知ってから演技を変えた方がいいですかと申し出たが、「そのままで」と言われたとの事。
・キョンの妹:「孤島症候群(前編)」より、キョンのカバンの中に入っている場面と、トランプの場面。あおきさやかによると、毎回アドリブにこだわったとの事。杉田智和は、はさみを借りる場面が入っていない事を残念がっていた。
・喜緑江美里:「ミステリックサイン」で、SOS団に捜査を依頼に来る場面。ほぼ出番の全てであり、監督曰く「ここしか選びようがなかった」。白鳥由里も、コメントに困っていた模様。
・古泉:「ミステリックサイン」のカマドウマに向けての「ふもっふ!」と、「涼宮ハルヒの憂鬱 V」の閉鎖空間での戦闘シーン。小野大輔曰く、発音としては「ふんもっふ!」が正しく、「ふもっふ!」へのリスペクト・オマージュだとの事。
・谷口:「涼宮ハルヒの憂鬱 IV」より、「WAWAWA忘れ物~」の場面。白石稔によると、この歌は完全にアドリブで歌ったとの事。この場面への場内の反応は、かなり激しかった。
・国木田:「涼宮ハルヒの憂鬱 I」より、キョン・谷口と弁当を食べる場面と、「ライブアライブ」でナンパの誘いを断る場面。監督によると、弁当の食べ方は、原作を踏まえた上でこだわった部分との事。
以上、多分抜けている部分もあるだろうが、出来る限り記憶から拾ってみた。
今回、「ハルヒ」声優陣のトークを、はじめて生で聴いたが、地声とキャラの声が全然違う人もいれば、ほぼ変わらない人もいて、これまで「ドラえもんオールナイト」くらいしか声優の話を生で聴く機会がなかったので、非常に興味深かった。「ほぼ変わらない」人としては、てっきり作った声だと思っていたキョンの妹が、あおきさやかの地声と、ほとんど変わらなかったのには驚いた。逆に、後藤邑子の地声を聴くと、みくる声は作って出しているのだと、あらためてよくわかる。
また、声優陣が具体的に話数を挙げて思い出を話す時、わざわざ「放送では第2話」などと、断りを入れていたのが妙に可笑しかった。放映順とDVD収録順(時系列順)が異なるこの作品ならではの事だろう。本作に関しては、話数ではなくサブタイトルをはっきり言わないと、「ライブアライブ」以外は紛らわしくなってしまう。
続いては、「涼宮ハルヒの寸劇」。
「涼宮ハルヒの憂鬱」本編は、ほぼ常にキョンのモノローグによって話が進むが、今回は特別に国木田(と言うよりは、松元恵)がナレーションを担当していた。
一応、全員台本を手にして劇を進めていたが、ほぼ全員が、持ち役に中の人が混ざったようなキャラで演技をしており、みくる役を演じているはずの後藤邑子が「ふぉおおおおお」と唸ったり、杉田智和と小野大輔が「顔近すぎ」の怪しい雰囲気になったり(この二人の関係は、イベント最後まで妙に強調されていた)と、一種異様な感じだった。ここで、ストーリーも紹介しておこうと思ったのだが、思い返すと小ネタの連続と言った感じで、明確なストーリーは説明しにくい。
最後は、あまりはっきりしたオチもなく、唐突に終了。どこまでが台本通りで、どこからがアドリブだったのか、見当が付かない。
ここまでで、前半のイベントパートは終わり。全体的に女性陣は少々おとなしく、杉田・小野・白石の男性陣三名の悪ノリが目立った。三人とも、弾けすぎだ。
また、「ハルヒ」とは関係ないアニメやゲームのネタが多数散りばめられており、それらの元ネタを知らなければ楽しみにくいのではないかと、少し心配してしまった。もっとも、私がほぼ理解できるくらいだから、おそらく会場内の大半の人にはわかるネタだったろう。実際、普通に笑い声が上がっていた。主催者・出演者も「ハルヒ」のファンはそういう人達だと想定して、ネタを仕込んでいたと思われる。そうでなければ、主演声優がクワトロのコスプレで出てくるなんて、無茶もいいところだ。
ネタと言えば、イベントパートの最後に白石稔が「にょろ~ん、スモークチーズ」と言ったのには驚いた。まさか、同人ネタを公式のイベントで仕込んでくるとは。もし、松岡由貴が「キョンくん、キョンくん、スモークチーズはあるかい?」と言っていたら更に凄かっただろうが、残念ながらそれはなかった。
ちなみに、この後の休憩時間にパンフレットを買ったら、鶴屋さんの紹介文で「スモークチーズの匂いが…」と書いてあり、重ねてびっくり。本気でちゅるやさんを公式に取り込むつもりなのだろうか。
以上のように、「ハルヒ」とは直接関係のないネタも多く、また白石稔の股間が危ない状態になっているなど映像的にも問題がありそう(?)なので、後日発売予定のDVDでは、イベントパートは収録されないのではないだろうか。まあ、盛り上がったのは「場」の雰囲気も影響しているだろうから、仮にイベントパートが収録されても、後日観たら寒く感じてしまうかも知れないが。
前半が終わって、30分の休憩。最初は、ちょっと休憩が長すぎるのではと思ったが、会場にはトイレが少なく、長蛇の列となっていたので、むしろ助かった。
物販も、ようやく空いてきて、前述のようにパンフレットを購入した。品書きを見ると、売り切れた物も結構あったようだ。
18時15分より、ライブパート開始。
初っ端からメイド服で後藤邑子が登場。「私がこの格好で出てきたって事は、何を歌うかはおわかりですね」と、「恋のミクル伝説」を披露。もちろん、ちゃんと「外して」歌っている。CDで聴くのとはまた違った外し方を聴いていると、これは生歌なのだと実感が沸いてきた。生「ミクル伝説」を聴く事は、今回の目的の一つであり、いきなりテンションが上がってしまった。
続いて、平野綾が登場して、OPテーマの「冒険でしょでしょ?」と「風読みリボン」の2曲。
さらに、茅原実里「雪、無音、窓辺にて。」「SELECT?」、後藤邑子「見つけてHappy Life」、松岡由貴「青春いいじゃないかっ」、桑谷夏子「COOL EDITION」と、キャラクターシングルの曲が続いた。
曲の後にはトークもあり、和服姿の松岡由貴は観客からの「回ってー」の声に応えて、くるりと一回転を披露。
桑谷夏子は、2曲の持ち歌のうちどちらを歌えばいいのかと聞いたところ、「盛り上がる方の曲を歌ってもらいます」と言われて、「小指でぎゅっ」を練習していたが、無駄になった事を残念がっていた。
一息ついてから、再び平野綾が登場。後ろにはバンド「ENOZ」が控えており、ここで生演奏による「God knows... 」「Lost my music」の2曲が歌われた。平野綾の喋りもアニメ本編をなぞったもので、まさにリアル「ライブアライブ」。特に、「Lost my music」の後半部分はバンドの演奏が激しくて、生演奏の醍醐味が味わえた。
ただ、平野綾がバニー姿でなく、リアル「ENOZ」が男ばっかりだった事だけは、ちょっと残念。「Lost my music」あたりで、あまりの曲の激しさに、耳が少し鳴るようになってきた。
続いては、小野大輔「まっがーれ↓スペクタクル」、杉田智和「倦怠ライフ・リターンズ!」と、ようやく男性陣が登場。
「まっがーれ↓スペクタクル」は、小野大輔が女性ダンサー二人を従えてノリノリで、スプーン曲げも披露。また、トークでは「これからは、古泉の事は「キモかっこいい」と言って欲しい」と要望して、早くも会場からは「キモかっこいい」コールが起こっていた。
「倦怠ライフ・リターンズ!」では平野綾も登場して、CDと同様に合いの手を入れていた。杉田智和は、ここでようやく北高の制服を着て、キョンの格好になっていた。歌い出しは、ちょっとタイミングが遅れていたようだ。また、「キテレツなんかいらない」のところで、コロ助っぽく「いらないナリ!」と言ってみたりと、かなりアドリブが入っていた。このあたりも、ライブならではか。
この後は、歌は小休止となり、杉田智和・小野大輔と、ハルヒのコスプレをした白石稔の三人によるトークが、しばらく続いた。次へのつなぎだったのだろうが、白石の格好は股間もっこりのアムロコスともども、精神衛生上あまりよろしくない。おそらく、これもDVDではカットされる事だろう。と言うか、こればかりはカットして欲しい。
最後に、杉田智和が「次の曲は、「ハッピー…」」と言いだして、止められる一幕もあった。やはり、2週間前に横浜でイベントのあった、あのアニメの曲の事か。
男三人が退場して、平野綾・茅原実里・後藤邑子の三人が登場。「最強パレパレード」「うぇるかむUNKNOWN」「ハレ晴レユカイ」を3曲続けて披露した。3曲とも激しいダンスが印象的で、特に「ハレ晴レユカイ」は、コンテが公開されていたフルバージョンのダンスをを、ほぼ完璧に踊っていて、感動した。
この3曲は口パクだったようだが、演奏中はダンスに夢中になっていたので、その点は全く気にならなかった。ダンスだけで十分満足できたし、下手に歌って、歌も踊りも中途半端になってたら、かえって盛り下がっただろうから、ここはダンスに集中して正解だったと思う。
「ハレ晴レユカイ」で一端幕となったが、もちろんアンコールに応えて再登場。三人に加えて杉田智和・小野大輔も加わり、今度は「ハレ晴レユカイ」テレビサイズを披露。当然、DVD第7巻に収録された「スペシャルエンディング」のダンスを、5人で踊った。
こちらも、踊りはほぼ完璧で。会場上部のスクリーンで流れたアニメ版映像と見事にシンクロしていた。杉田智和が、EDアニメのキョンと同様にやる気の無さそうな顔で踊ってたのは可笑しかった。歌の終わった後、男二人が熱い抱擁をしていたのも印象的だった。
ライブパート終了後、再び出演者全員が登場して挨拶。途中から、感極まって泣き出してしまった平野綾が特に印象的だった。他には、松岡由貴の「あたしも「ハレ晴レ」歌いたーい!」→会場、盛り上がる→「でも、あの踊りは無理!」の流れが面白かった。
最後に、出演者全員がサインボールを客席に投げた。一個、間近まで飛んできたボールがあったが、結局取れなくて残念だった。しかし、飛距離を考えると2階席は最初から捕る事はほぼ不可能であり、ちょっと不公平で気の毒に思ってしまった。それを考えるとチャンスがあっただけまだよかった。
出演者が退場して幕も降り、祭りは終わった。荷物をまとめて、会場を出る支度をしていたら、ハルヒの声で「来てくれて、本当にありがとう」と、終了アナウンスが流れた。幕が下りて、しばらくしてからだったので、すぐに会場を出てしまい、聞き逃した人もいたのではないだろうか。この、思わぬおまけは嬉しかった。
全体としては、トークのグダグダ感を考慮に入れても、十分に楽しめた。
今回は、幸運にもかなり前の方の、しかも中央寄りの席を取れたので、ステージ上部のスクリーンを見る必要がほとんど無く、直接に舞台上の出演者をじっくりと見る事が出来た。何度か、目が合ったのではないかと思ってしまったほど近い距離だった。
前後の日は仕事が詰まっており、日帰りで時間的にも体力的にも厳しいスケジュールだったが、無理してでも来てよかった。もし、次の機会があれば、ぜひまた行きたい。その時には、会場はもっと広いところにして、チケットを入手しやすくして欲しい。今回のような苦労は、できればあまりしたくない。
それにしても、あらためてここまでの文を読み返すと、イベントの楽しさを伝えられるようには書けておらず、我ながらもどかしい。もちろん、私の文章力の無さが一番の原因なのだが、やはりこう言ったイベントは、その場にいて実際に体験しないと、レポートや感想だけではわからない楽しさがあるものなのだと思う。
そう言えば、アニメ第2シリーズの制作が発表されるのではと噂されていたが、監督がいたにも関わらず、新作については全く触れられなかった。京アニの当面の仕事は既に決まってしまっているから、第2シリーズがあるとしても来年だろうか。
私にとって、自発的にチケットを入手した、初めてのアニメイベントだ。休憩を含めて、のべ4時間にも渡る長丁場であり、どのように感想を書こうかと少々迷ったが、開き直って思うままに書いてみた。さらに、このような大がかりなイベントの感想を書くのは初めてなので、まとまりに欠ける文章になってしまったが、ご容赦下さい。
10時30分頃に新幹線で東京入りして、途中に秋葉原に寄り道しつつ、昼過ぎに大宮に到着した。
13時30分に大宮駅でケデラッタ(TOJHO)さんと合流して、まずは会場前まで行ってみた。物販は、外からでもかなりの人数が入っていると一目でわかる状態。無理して買わなくても後日売り出される物ばかりなので、スルー決定。その後は、周囲をぶらぶらと一回りした。1月20日のアニメイトでのチケット先行販売時に列が出来ていたと言う場所にも、通りがかった。
その後は喫茶店に入って休み、15時45分くらいに会場入りした。
この時点で、場内は人であふれて非常に混沌とした状態で、あと15分で開演とは思えない雰囲気だった。ロビーでは物販の他、出演者の寄せ書きやお祝いの花輪などがあり、それらを見ているだけで、あっと言う間に時間が経った。
寄せ書きは、キャラの名前で署名されているのに内容は「中の人」モードで、そのギャップが面白かった。また、怪しげなガンダムやコロ助など、アニメキャラの落書きが多く描かれており、個人的には「キン肉マン」の超人が多かった事が印象に残っている。ウォーズマン、バッファローマン、それにステカセキングまでいたが、誰が描いたのだろう。そういえば、後藤邑子が以前にブログで「II世」アニメの事を書いていたが。
開演の16時が迫ってきたので、自分の座席に座ったが、16時を過ぎてもなかなか始まらない。
どうしたのかと思い始めた頃、鶴屋さんの声で案内が流れて、場内が盛り上がる。さらに、みくるなのか中の人なのかよく判らない後藤邑子の着席案内、とどめに杉田智和によるクワトロ・バジーナと若本規夫の物マネが続き、既に何のイベントなのかよくわからない状態だった。
そして、司会役の白石稔(谷口役)が、持ち歌(?)の「WAWAWA忘れ物~」を披露しつつ登場して、いよいよ「涼宮ハルヒの激奏」が始まった。アシスタントは松元恵(国木田役)。この二人が出演すると聞いて、一体何をやるのかと不思議に思っていたが、納得のポジションだ。
司会の二人によって名前がコールされて、出演者が続々と登場した。多くの人は普通の服装だが、なぜか杉田智和はクワトロのコスプレ(金髪カツラにサングラスも装備)、小野大輔はカクリコンのコスプレで登場。さらに、白石稔はアムロのコスプレで司会をしており、男性陣は「ガンダム」ネタで揃えた格好となった。なぜ「ハルヒ」のイベントで「ガンダム」なのかと、最初から妙な感じのスタートだった。
まず、前半はイベントパート。
最初は、キャラクターごとの名場面集を観ながら、作品を振り返るトークコーナー。
ここで、石原立也監督とキャラクターデザインの池田晶子がゲストとして登場。池田さんの登場時に「しょこたーん!」と呼ばれていたのが、妙に可笑しかった。
名場面集のトークは、正直ちょっとグダグダな感じを受けた。
キャラクターごとの名場面集なので、しゃべるのは、そのキャラの声優と監督に、ほぼ固定されてしまい、話にあまり広がりがなかった。特に、杉田智和は微動だにしないような状態で、サングラスでわからないのをいい事に眠っているのではないかと、何度も突っ込まれていた。
また、名場面は監督が選んだらしいが、キャラによってはかなり短かったり(特にキョン)、「何故ここを?」と思うような場面もあり、声優陣も当惑していた感じが見受けられた。また、ミクルビーム発射直前や、キョンの「ポニーテール萌えなんだ」発言までで映像が終わるなど、寸止めされている感じもあった。
それでも、メインキャラはともかくとして、鶴屋さんやキョンの妹、朝倉涼子や谷口・国木田など、これまであまり触れられてこなかったキャラについても、監督や声優のこだわりや、演技の思い出を聴く事が出来て、興味深かった。
せっかくなので、名場面で登場した場面を、記憶にある範囲でコメントと共に紹介しておく。
・キョン:「涼宮ハルヒの憂鬱 VI」のクライマックス「ポニーテール萌えなんだ」と、「ライブアライブ」の文化祭後日、校庭でハルヒと話す場面
・ハルヒ:「涼宮ハルヒの憂鬱 I」より、自己紹介の場面。ここで「ただの人間に興味はありません。宇宙人、未来人…」とセリフが流れた時、会場から「俺、ニート!」と合いの手が入り、絶妙のタイミングに場内爆笑。
・みくる:「朝比奈ミクルの冒険 Episode 00」より、ミクルビーム発射寸前までと、「涼宮ハルヒの退屈」より、負傷退場の場面。
・長門:「涼宮ハルヒの憂鬱 IV」より、朝倉涼子との対決と、「射手座の日」の徐々にすごくなっていくPCさばき。
・鶴屋さん:「朝比奈ミクルの冒険 Episode 00」より、演技中に笑い出す場面と、「ライブアライブ」より、客引きの場面。松岡由貴によると、これだけ長く笑いの演技をしたのは初めてで、笑い方も少しずつ変化を付けて工夫したとの事。
・朝倉涼子:「涼宮ハルヒの憂鬱 I」より、体育でブルマー姿の場面と、「涼宮ハルヒの憂鬱 IV」より、キョンを殺そうとする場面。桑谷夏子は、朝倉の正体を知ってから演技を変えた方がいいですかと申し出たが、「そのままで」と言われたとの事。
・キョンの妹:「孤島症候群(前編)」より、キョンのカバンの中に入っている場面と、トランプの場面。あおきさやかによると、毎回アドリブにこだわったとの事。杉田智和は、はさみを借りる場面が入っていない事を残念がっていた。
・喜緑江美里:「ミステリックサイン」で、SOS団に捜査を依頼に来る場面。ほぼ出番の全てであり、監督曰く「ここしか選びようがなかった」。白鳥由里も、コメントに困っていた模様。
・古泉:「ミステリックサイン」のカマドウマに向けての「ふもっふ!」と、「涼宮ハルヒの憂鬱 V」の閉鎖空間での戦闘シーン。小野大輔曰く、発音としては「ふんもっふ!」が正しく、「ふもっふ!」へのリスペクト・オマージュだとの事。
・谷口:「涼宮ハルヒの憂鬱 IV」より、「WAWAWA忘れ物~」の場面。白石稔によると、この歌は完全にアドリブで歌ったとの事。この場面への場内の反応は、かなり激しかった。
・国木田:「涼宮ハルヒの憂鬱 I」より、キョン・谷口と弁当を食べる場面と、「ライブアライブ」でナンパの誘いを断る場面。監督によると、弁当の食べ方は、原作を踏まえた上でこだわった部分との事。
以上、多分抜けている部分もあるだろうが、出来る限り記憶から拾ってみた。
今回、「ハルヒ」声優陣のトークを、はじめて生で聴いたが、地声とキャラの声が全然違う人もいれば、ほぼ変わらない人もいて、これまで「ドラえもんオールナイト」くらいしか声優の話を生で聴く機会がなかったので、非常に興味深かった。「ほぼ変わらない」人としては、てっきり作った声だと思っていたキョンの妹が、あおきさやかの地声と、ほとんど変わらなかったのには驚いた。逆に、後藤邑子の地声を聴くと、みくる声は作って出しているのだと、あらためてよくわかる。
また、声優陣が具体的に話数を挙げて思い出を話す時、わざわざ「放送では第2話」などと、断りを入れていたのが妙に可笑しかった。放映順とDVD収録順(時系列順)が異なるこの作品ならではの事だろう。本作に関しては、話数ではなくサブタイトルをはっきり言わないと、「ライブアライブ」以外は紛らわしくなってしまう。
続いては、「涼宮ハルヒの寸劇」。
「涼宮ハルヒの憂鬱」本編は、ほぼ常にキョンのモノローグによって話が進むが、今回は特別に国木田(と言うよりは、松元恵)がナレーションを担当していた。
一応、全員台本を手にして劇を進めていたが、ほぼ全員が、持ち役に中の人が混ざったようなキャラで演技をしており、みくる役を演じているはずの後藤邑子が「ふぉおおおおお」と唸ったり、杉田智和と小野大輔が「顔近すぎ」の怪しい雰囲気になったり(この二人の関係は、イベント最後まで妙に強調されていた)と、一種異様な感じだった。ここで、ストーリーも紹介しておこうと思ったのだが、思い返すと小ネタの連続と言った感じで、明確なストーリーは説明しにくい。
最後は、あまりはっきりしたオチもなく、唐突に終了。どこまでが台本通りで、どこからがアドリブだったのか、見当が付かない。
ここまでで、前半のイベントパートは終わり。全体的に女性陣は少々おとなしく、杉田・小野・白石の男性陣三名の悪ノリが目立った。三人とも、弾けすぎだ。
また、「ハルヒ」とは関係ないアニメやゲームのネタが多数散りばめられており、それらの元ネタを知らなければ楽しみにくいのではないかと、少し心配してしまった。もっとも、私がほぼ理解できるくらいだから、おそらく会場内の大半の人にはわかるネタだったろう。実際、普通に笑い声が上がっていた。主催者・出演者も「ハルヒ」のファンはそういう人達だと想定して、ネタを仕込んでいたと思われる。そうでなければ、主演声優がクワトロのコスプレで出てくるなんて、無茶もいいところだ。
ネタと言えば、イベントパートの最後に白石稔が「にょろ~ん、スモークチーズ」と言ったのには驚いた。まさか、同人ネタを公式のイベントで仕込んでくるとは。もし、松岡由貴が「キョンくん、キョンくん、スモークチーズはあるかい?」と言っていたら更に凄かっただろうが、残念ながらそれはなかった。
ちなみに、この後の休憩時間にパンフレットを買ったら、鶴屋さんの紹介文で「スモークチーズの匂いが…」と書いてあり、重ねてびっくり。本気でちゅるやさんを公式に取り込むつもりなのだろうか。
以上のように、「ハルヒ」とは直接関係のないネタも多く、また白石稔の股間が危ない状態になっているなど映像的にも問題がありそう(?)なので、後日発売予定のDVDでは、イベントパートは収録されないのではないだろうか。まあ、盛り上がったのは「場」の雰囲気も影響しているだろうから、仮にイベントパートが収録されても、後日観たら寒く感じてしまうかも知れないが。
前半が終わって、30分の休憩。最初は、ちょっと休憩が長すぎるのではと思ったが、会場にはトイレが少なく、長蛇の列となっていたので、むしろ助かった。
物販も、ようやく空いてきて、前述のようにパンフレットを購入した。品書きを見ると、売り切れた物も結構あったようだ。
18時15分より、ライブパート開始。
初っ端からメイド服で後藤邑子が登場。「私がこの格好で出てきたって事は、何を歌うかはおわかりですね」と、「恋のミクル伝説」を披露。もちろん、ちゃんと「外して」歌っている。CDで聴くのとはまた違った外し方を聴いていると、これは生歌なのだと実感が沸いてきた。生「ミクル伝説」を聴く事は、今回の目的の一つであり、いきなりテンションが上がってしまった。
続いて、平野綾が登場して、OPテーマの「冒険でしょでしょ?」と「風読みリボン」の2曲。
さらに、茅原実里「雪、無音、窓辺にて。」「SELECT?」、後藤邑子「見つけてHappy Life」、松岡由貴「青春いいじゃないかっ」、桑谷夏子「COOL EDITION」と、キャラクターシングルの曲が続いた。
曲の後にはトークもあり、和服姿の松岡由貴は観客からの「回ってー」の声に応えて、くるりと一回転を披露。
桑谷夏子は、2曲の持ち歌のうちどちらを歌えばいいのかと聞いたところ、「盛り上がる方の曲を歌ってもらいます」と言われて、「小指でぎゅっ」を練習していたが、無駄になった事を残念がっていた。
一息ついてから、再び平野綾が登場。後ろにはバンド「ENOZ」が控えており、ここで生演奏による「God knows... 」「Lost my music」の2曲が歌われた。平野綾の喋りもアニメ本編をなぞったもので、まさにリアル「ライブアライブ」。特に、「Lost my music」の後半部分はバンドの演奏が激しくて、生演奏の醍醐味が味わえた。
ただ、平野綾がバニー姿でなく、リアル「ENOZ」が男ばっかりだった事だけは、ちょっと残念。「Lost my music」あたりで、あまりの曲の激しさに、耳が少し鳴るようになってきた。
続いては、小野大輔「まっがーれ↓スペクタクル」、杉田智和「倦怠ライフ・リターンズ!」と、ようやく男性陣が登場。
「まっがーれ↓スペクタクル」は、小野大輔が女性ダンサー二人を従えてノリノリで、スプーン曲げも披露。また、トークでは「これからは、古泉の事は「キモかっこいい」と言って欲しい」と要望して、早くも会場からは「キモかっこいい」コールが起こっていた。
「倦怠ライフ・リターンズ!」では平野綾も登場して、CDと同様に合いの手を入れていた。杉田智和は、ここでようやく北高の制服を着て、キョンの格好になっていた。歌い出しは、ちょっとタイミングが遅れていたようだ。また、「キテレツなんかいらない」のところで、コロ助っぽく「いらないナリ!」と言ってみたりと、かなりアドリブが入っていた。このあたりも、ライブならではか。
この後は、歌は小休止となり、杉田智和・小野大輔と、ハルヒのコスプレをした白石稔の三人によるトークが、しばらく続いた。次へのつなぎだったのだろうが、白石の格好は股間もっこりのアムロコスともども、精神衛生上あまりよろしくない。おそらく、これもDVDではカットされる事だろう。と言うか、こればかりはカットして欲しい。
最後に、杉田智和が「次の曲は、「ハッピー…」」と言いだして、止められる一幕もあった。やはり、2週間前に横浜でイベントのあった、あのアニメの曲の事か。
男三人が退場して、平野綾・茅原実里・後藤邑子の三人が登場。「最強パレパレード」「うぇるかむUNKNOWN」「ハレ晴レユカイ」を3曲続けて披露した。3曲とも激しいダンスが印象的で、特に「ハレ晴レユカイ」は、コンテが公開されていたフルバージョンのダンスをを、ほぼ完璧に踊っていて、感動した。
この3曲は口パクだったようだが、演奏中はダンスに夢中になっていたので、その点は全く気にならなかった。ダンスだけで十分満足できたし、下手に歌って、歌も踊りも中途半端になってたら、かえって盛り下がっただろうから、ここはダンスに集中して正解だったと思う。
「ハレ晴レユカイ」で一端幕となったが、もちろんアンコールに応えて再登場。三人に加えて杉田智和・小野大輔も加わり、今度は「ハレ晴レユカイ」テレビサイズを披露。当然、DVD第7巻に収録された「スペシャルエンディング」のダンスを、5人で踊った。
こちらも、踊りはほぼ完璧で。会場上部のスクリーンで流れたアニメ版映像と見事にシンクロしていた。杉田智和が、EDアニメのキョンと同様にやる気の無さそうな顔で踊ってたのは可笑しかった。歌の終わった後、男二人が熱い抱擁をしていたのも印象的だった。
ライブパート終了後、再び出演者全員が登場して挨拶。途中から、感極まって泣き出してしまった平野綾が特に印象的だった。他には、松岡由貴の「あたしも「ハレ晴レ」歌いたーい!」→会場、盛り上がる→「でも、あの踊りは無理!」の流れが面白かった。
最後に、出演者全員がサインボールを客席に投げた。一個、間近まで飛んできたボールがあったが、結局取れなくて残念だった。しかし、飛距離を考えると2階席は最初から捕る事はほぼ不可能であり、ちょっと不公平で気の毒に思ってしまった。それを考えるとチャンスがあっただけまだよかった。
出演者が退場して幕も降り、祭りは終わった。荷物をまとめて、会場を出る支度をしていたら、ハルヒの声で「来てくれて、本当にありがとう」と、終了アナウンスが流れた。幕が下りて、しばらくしてからだったので、すぐに会場を出てしまい、聞き逃した人もいたのではないだろうか。この、思わぬおまけは嬉しかった。
全体としては、トークのグダグダ感を考慮に入れても、十分に楽しめた。
今回は、幸運にもかなり前の方の、しかも中央寄りの席を取れたので、ステージ上部のスクリーンを見る必要がほとんど無く、直接に舞台上の出演者をじっくりと見る事が出来た。何度か、目が合ったのではないかと思ってしまったほど近い距離だった。
前後の日は仕事が詰まっており、日帰りで時間的にも体力的にも厳しいスケジュールだったが、無理してでも来てよかった。もし、次の機会があれば、ぜひまた行きたい。その時には、会場はもっと広いところにして、チケットを入手しやすくして欲しい。今回のような苦労は、できればあまりしたくない。
それにしても、あらためてここまでの文を読み返すと、イベントの楽しさを伝えられるようには書けておらず、我ながらもどかしい。もちろん、私の文章力の無さが一番の原因なのだが、やはりこう言ったイベントは、その場にいて実際に体験しないと、レポートや感想だけではわからない楽しさがあるものなのだと思う。
そう言えば、アニメ第2シリーズの制作が発表されるのではと噂されていたが、監督がいたにも関わらず、新作については全く触れられなかった。京アニの当面の仕事は既に決まってしまっているから、第2シリーズがあるとしても来年だろうか。