2005年4月から放映が始まった「おねがいマイメロディ」。サンリオのキャラクター「マイメロディ」を主人公としたこの作品は、色々な方面から人気を獲得して、昨年4月には「おねがいマイメロディ くるくるシャッフル!」として放映2年目に入ったが、去る3月25日に「くるくるシャッフル!」が最終回を迎えた。
これで、「マイメロ」シリーズが終わりとなったわけではなく、来週からは第3シリーズ「おねがいマイメロディ すっきり!」が始まるが、これは「アニメロビー」枠で2本放映されるアニメの1本であり、独立した30分番組としては「くるくるシャッフル!」までの2年間で、区切りがつけられた形だ。
「マイメロ」は、この2年間大変楽しませてもらった作品であり、以前からじっくり語ってみたいと思っていた。いい機会なので、ここで「マイメロ」の2年間を振り返ってみたい。
なお、便宜上、放映一年目を「第1シリーズ」、二年目の「くるくるシャッフル!」を「第2シリーズ」と表記させていただく。
まず、思い出は2年前の第1シリーズ開始時に遡る。
放映開始前は、この作品には、ほとんど期待はしていなかった。キャラクター物にありがちな、ほのぼのしたヌルい話なのだろうと勝手に想像していたのだ。それでも、人間キャラも登場する事を知って、どんな内容なのか少しは気になったので、一応第1話から録画しておいた。
しかし、最初の期待値が低く、また他にも大量の新番組があったため、とりあえず録画したままで第2話が放送されるまで放置していた。ようやく観てみる気になったのは、2話の放送後にネットで「「マイメロ」が凄いらしい」と噂を聞いたからだった。
まず、第1話を観てみた。初見の感想はこちらで少し書いているが、第1話だけでは、さほどのインパクトは受けなかった。「つまらなくはない」程度の印象だったと思う。そのせいか、すぐには第2話を観なかった。
本作にはまってしまったのは、第2話「勉強ができたらイイナ!」を観てからだった。
クロミの悪夢魔法でPCになった男の子が教室で大暴れ、しかしそれに対するマイメロはあくまでマイペース。マイメロが一見可愛いのんびりキャラであるだけに、混沌とした作品世界とのズレが、今までのドタバタギャグアニメとは一味違う、独特のテンポを生み出していた。
さらに、「マイメロディ、通称マイメロ」「美少女ウサギ戦士」「タイガース日本一は?→無理」「王様は最近、人間世界のテレビに毒されておいででした」など、強烈なネタやセリフが続出しており、どうやらマイメロだけでなくマリーランドの住民全てを、単なるファンシーキャラで売るつもりは無いようだとスタッフの意志が伝わってきた回だった。
この第2話で、何が起こるか予想不可能な油断の出来ない作品らしいと感じて、次は何をやらかすかが毎週日曜日の楽しみになってしまい、気が付いたらすっかり作品世界に引き込まれていた。
その後も、マイメロは風呂場でタオル替わりにされたり、洗濯機に放り込まれたり、川に投げ捨てられたりと、とても主人公とは思えないような仕打ちを受け続けて、すっかりいじられキャラとして定着した。
また、マイメロのみならず人間キャラも、裸バイオリンの柊恵一、ポエム女の美紀、可愛い物嫌い(=マイメロが苦手)の真菜などが、徐々にその個性をはっきして、作品の暴走に拍車をかけていった。こうやって登場人物を挙げていくと、メインの夢野三姉妹は一番まともだ。
キャラクターだけでは無く、話の展開も強烈で、男子チアガールサッカーや柊バク大増殖、肉体交換、マイメロ逮捕など「思いついても普通はやらない」ようなネタのオンパレード。第1シリーズの中盤からは、完全に「何でもあり」の状態だった。
しかし、ただ単に無茶苦茶な暴走を描くだけではなく、一話一話の中ではきっちり話はまとまっていて、視聴後に後味が悪いような気分にはならない。また、ドタバタ暴走話だけではなく、第23話「カレと踊れたらイイナ!」のような、ライバルキャラを掘り下げたエピソードが挟まったり、珍しくマイメロとクロミが協力する感動編「お母さんに会えたらイイナ!」をクリスマスに合わせて放送したりと、シリーズ構成上のエピソードの配置も巧みだった。
しかも、「お母さんに会えたらイイナ!」のような、素直に感動できる話でさえ、「いつもの柊先輩に代わって裸でバイオリンを弾くサンタ」と言う大変強烈なネタを仕込むあたりは、さすがとしか言いようがない。
2年間通して楽しめた作品だったが、第1シリーズは特に外れが少ないと思う。
特に印象に残ったエピソードを挙げると、前述の第2話・第23話・第39話以外では、第18話「時間がいっぱいあったらイイナ!」(SF味が強い異色編)、第36話「地球が救えたらイイナ!」(予告から凄まじかった)、第37話「ジャングルで会えたらイイナ!」(真菜唯一の恋愛話?)、第51話「タクトがふれたらイイナ!」(主人公特訓の間に世界が滅亡)と言ったところになる。
まあ、これはあくまで「強いてあげれば」の事で、第1シリーズ全52話のほとんどには、多いに楽しませてもらった。
そして、昨年4月より第2シリーズ「くるくるシャッフル!」が、スタート。
第1シリーズを1年間観てきて、本当にやりたい放題だとしか思えなかったので、さらに一年をどう引っ張っていくのかと少々心配していたのだが、第2話のウサミミ仮面登場で、ほとんど吹き飛んでしまった。柊先輩がヒーローとして登場する事自体は、事前に知っていたのだが、ここまで強烈なキャラになるとは予想できなかった。「本人には全くやる気はない、無敵のお助けキャラ」と言う設定が、素晴らしい。また、「やる気のなさ」描写の積み重ねが、最後の最後で本当にやる気を出した時に、非常に効果を上げていた。これは、1年かけて放映した作品ならではの仕掛けだった。
ただ、第2シリーズ全体の印象としては、第1シリーズと比べると若干パワー不足の感は否めなかった。スタッフのテンション維持も大変だっただろうし、視聴者側も、ある程度の暴走には慣れてしまったのだろう。
しかし、新キャラクター・柊潤を登場させる事で、兄・恵一との確執や、小暮との友情&恋愛面のライバル関係を描き、それによって第1シリーズでは掘り下げきれなかった感のある、柊恵一の「夢」探しや、歌・恵一・小暮の関係に、最終的にきれいに決着を付けているあたり、キャラの使い方は上手い。潤自身も、1年間で愛すべき存在として成長していった。
また、1年目と似たテーマの話があっても、単にネタを使い回すのではなく、ひねりを加えて新たなエピソードを生み出していた。特に、年末の裸サンタ再登場時には「どうせまた裸だろう」との予想を逆手にとって、裸にした上で三段腹をリアルに描き込み、1年目とは違う方向性でインパクトを与えたのは、見事だった。
同様に、再登場するキャラクターも、安易に「ただ出しただけ」という扱いにはせず、「ここでこのキャラを出すのか」と思うような意表を突いた登場の仕方や、1年目で築いた人間関係をさらに掘り下げたエピソードが用意されていた。個人的には、「牡蠣くん」が、妙においしいポジションにいた事が、印象的だ。他にも、バクファミリーやナスビの神様なども味わい深い存在だった。
悪役キャラは、第1シリーズと同じく「ダークパワーの精」(ダー)だったが、第2シリーズでは、このダーについても掘り下げられており、ダー側からマリーランドへの復讐を描いたエピソードまであったくらいだ。
以上のように、第2シリーズは、第1シリーズの1年間で築き上げた作品世界を大切にして、さらに深く掘り下げた印象が強い。そのため、第1シリーズと比べると新鮮さには欠けたが、安定した面白さがあった。
そして、その第2シリーズも、3月25日放映分の第52話「夢がかなったらイイナ!」で、完結した。
前述のように、歌と小暮の関係、柊先輩の夢探しなど、第1シリーズから続いていた問題が決着して、また意外にもバクに食べられる事で、ダーもとどめをさされた。それに、マイメロとクロミの友情についても、最重要アイテム(?)のクロミノートを介する事でしっかり描かれていた。きれいに完結したと言っていいだろう。「2年間、観てきてよかった」と思える作品だった。
スタッフの皆さん、2年間ありがとうございました…と言いたくなるが、最初に書いたように「マイメロ」は、これで終わったわけではない。「アニメロビー」枠の1コーナーとして、第3シリーズが4月1日からスタートする。この番組はアニメ2本に加えて実写コーナーも入るので、本編はせいぜい8~9分くらいだろうか。これまでと比べると物足りなくなりそうだが、それを逆手に取った見せ方による面白さを期待したい。スタッフの皆さん、「おねがいマイメロディ すっきり!」も、期待しております。
と、ここで文を締める事も出来るが、2年も続いたシリーズなので、どうしても気になる部分、残念な部分もあった。それを無視して終わってしまっては気持ちが悪いので、触れておきたい。
何と言っても、第1シリーズで「ヒーローになれたらイイナ!」シリーズを3回もやったにもかかわらず、奏と菊池の関係が第2シリーズでは完全に放置されたままになってしまったのは、残念だった。脇キャラまでしっかりフォローする本作らしからぬ、ぞんざいな扱いだ。
また、柊兄弟の母についても、これまで作中で描かれた限りでは兄びいきの親バカにしか見えず、結局登場しなかった父親共々、もう少ししっかり描いて欲しかったところだ。
以上、全体的に細かいところまで目の行き届いた作品だからこそ、気になる部分だった。
更に付け加えるなら、本作品はDVDが4話収録で税込み2,940円と、大変お求めやすい値段だった事も、嬉しかった。
この値段のおかげで気軽にDVDを買い続ける事が出来たし、安い割にはどの巻にも何らかの映像特典が入っていて、さらにお買い得感があった。
ただ、最近リリースされた第1シリーズのDVD-BOXが税込み42,000円で、単品で全巻揃える場合(38,220円)よりも高いのは不思議だ。収録内容を調べた限りでは、特典を含めて単巻売りと内容に違いはないので、価格差は付属のフィギュア代としか思えない。いずれにしてもアニメDVDとしては安いのだが、わざわざフィギュア目当てで買い直す人も多くはないだろう。こればかりは、疑問に思わざるを得ない。
これで、「マイメロ」シリーズが終わりとなったわけではなく、来週からは第3シリーズ「おねがいマイメロディ すっきり!」が始まるが、これは「アニメロビー」枠で2本放映されるアニメの1本であり、独立した30分番組としては「くるくるシャッフル!」までの2年間で、区切りがつけられた形だ。
「マイメロ」は、この2年間大変楽しませてもらった作品であり、以前からじっくり語ってみたいと思っていた。いい機会なので、ここで「マイメロ」の2年間を振り返ってみたい。
なお、便宜上、放映一年目を「第1シリーズ」、二年目の「くるくるシャッフル!」を「第2シリーズ」と表記させていただく。
まず、思い出は2年前の第1シリーズ開始時に遡る。
放映開始前は、この作品には、ほとんど期待はしていなかった。キャラクター物にありがちな、ほのぼのしたヌルい話なのだろうと勝手に想像していたのだ。それでも、人間キャラも登場する事を知って、どんな内容なのか少しは気になったので、一応第1話から録画しておいた。
しかし、最初の期待値が低く、また他にも大量の新番組があったため、とりあえず録画したままで第2話が放送されるまで放置していた。ようやく観てみる気になったのは、2話の放送後にネットで「「マイメロ」が凄いらしい」と噂を聞いたからだった。
まず、第1話を観てみた。初見の感想はこちらで少し書いているが、第1話だけでは、さほどのインパクトは受けなかった。「つまらなくはない」程度の印象だったと思う。そのせいか、すぐには第2話を観なかった。
本作にはまってしまったのは、第2話「勉強ができたらイイナ!」を観てからだった。
クロミの悪夢魔法でPCになった男の子が教室で大暴れ、しかしそれに対するマイメロはあくまでマイペース。マイメロが一見可愛いのんびりキャラであるだけに、混沌とした作品世界とのズレが、今までのドタバタギャグアニメとは一味違う、独特のテンポを生み出していた。
さらに、「マイメロディ、通称マイメロ」「美少女ウサギ戦士」「タイガース日本一は?→無理」「王様は最近、人間世界のテレビに毒されておいででした」など、強烈なネタやセリフが続出しており、どうやらマイメロだけでなくマリーランドの住民全てを、単なるファンシーキャラで売るつもりは無いようだとスタッフの意志が伝わってきた回だった。
この第2話で、何が起こるか予想不可能な油断の出来ない作品らしいと感じて、次は何をやらかすかが毎週日曜日の楽しみになってしまい、気が付いたらすっかり作品世界に引き込まれていた。
その後も、マイメロは風呂場でタオル替わりにされたり、洗濯機に放り込まれたり、川に投げ捨てられたりと、とても主人公とは思えないような仕打ちを受け続けて、すっかりいじられキャラとして定着した。
また、マイメロのみならず人間キャラも、裸バイオリンの柊恵一、ポエム女の美紀、可愛い物嫌い(=マイメロが苦手)の真菜などが、徐々にその個性をはっきして、作品の暴走に拍車をかけていった。こうやって登場人物を挙げていくと、メインの夢野三姉妹は一番まともだ。
キャラクターだけでは無く、話の展開も強烈で、男子チアガールサッカーや柊バク大増殖、肉体交換、マイメロ逮捕など「思いついても普通はやらない」ようなネタのオンパレード。第1シリーズの中盤からは、完全に「何でもあり」の状態だった。
しかし、ただ単に無茶苦茶な暴走を描くだけではなく、一話一話の中ではきっちり話はまとまっていて、視聴後に後味が悪いような気分にはならない。また、ドタバタ暴走話だけではなく、第23話「カレと踊れたらイイナ!」のような、ライバルキャラを掘り下げたエピソードが挟まったり、珍しくマイメロとクロミが協力する感動編「お母さんに会えたらイイナ!」をクリスマスに合わせて放送したりと、シリーズ構成上のエピソードの配置も巧みだった。
しかも、「お母さんに会えたらイイナ!」のような、素直に感動できる話でさえ、「いつもの柊先輩に代わって裸でバイオリンを弾くサンタ」と言う大変強烈なネタを仕込むあたりは、さすがとしか言いようがない。
2年間通して楽しめた作品だったが、第1シリーズは特に外れが少ないと思う。
特に印象に残ったエピソードを挙げると、前述の第2話・第23話・第39話以外では、第18話「時間がいっぱいあったらイイナ!」(SF味が強い異色編)、第36話「地球が救えたらイイナ!」(予告から凄まじかった)、第37話「ジャングルで会えたらイイナ!」(真菜唯一の恋愛話?)、第51話「タクトがふれたらイイナ!」(主人公特訓の間に世界が滅亡)と言ったところになる。
まあ、これはあくまで「強いてあげれば」の事で、第1シリーズ全52話のほとんどには、多いに楽しませてもらった。
そして、昨年4月より第2シリーズ「くるくるシャッフル!」が、スタート。
第1シリーズを1年間観てきて、本当にやりたい放題だとしか思えなかったので、さらに一年をどう引っ張っていくのかと少々心配していたのだが、第2話のウサミミ仮面登場で、ほとんど吹き飛んでしまった。柊先輩がヒーローとして登場する事自体は、事前に知っていたのだが、ここまで強烈なキャラになるとは予想できなかった。「本人には全くやる気はない、無敵のお助けキャラ」と言う設定が、素晴らしい。また、「やる気のなさ」描写の積み重ねが、最後の最後で本当にやる気を出した時に、非常に効果を上げていた。これは、1年かけて放映した作品ならではの仕掛けだった。
ただ、第2シリーズ全体の印象としては、第1シリーズと比べると若干パワー不足の感は否めなかった。スタッフのテンション維持も大変だっただろうし、視聴者側も、ある程度の暴走には慣れてしまったのだろう。
しかし、新キャラクター・柊潤を登場させる事で、兄・恵一との確執や、小暮との友情&恋愛面のライバル関係を描き、それによって第1シリーズでは掘り下げきれなかった感のある、柊恵一の「夢」探しや、歌・恵一・小暮の関係に、最終的にきれいに決着を付けているあたり、キャラの使い方は上手い。潤自身も、1年間で愛すべき存在として成長していった。
また、1年目と似たテーマの話があっても、単にネタを使い回すのではなく、ひねりを加えて新たなエピソードを生み出していた。特に、年末の裸サンタ再登場時には「どうせまた裸だろう」との予想を逆手にとって、裸にした上で三段腹をリアルに描き込み、1年目とは違う方向性でインパクトを与えたのは、見事だった。
同様に、再登場するキャラクターも、安易に「ただ出しただけ」という扱いにはせず、「ここでこのキャラを出すのか」と思うような意表を突いた登場の仕方や、1年目で築いた人間関係をさらに掘り下げたエピソードが用意されていた。個人的には、「牡蠣くん」が、妙においしいポジションにいた事が、印象的だ。他にも、バクファミリーやナスビの神様なども味わい深い存在だった。
悪役キャラは、第1シリーズと同じく「ダークパワーの精」(ダー)だったが、第2シリーズでは、このダーについても掘り下げられており、ダー側からマリーランドへの復讐を描いたエピソードまであったくらいだ。
以上のように、第2シリーズは、第1シリーズの1年間で築き上げた作品世界を大切にして、さらに深く掘り下げた印象が強い。そのため、第1シリーズと比べると新鮮さには欠けたが、安定した面白さがあった。
そして、その第2シリーズも、3月25日放映分の第52話「夢がかなったらイイナ!」で、完結した。
前述のように、歌と小暮の関係、柊先輩の夢探しなど、第1シリーズから続いていた問題が決着して、また意外にもバクに食べられる事で、ダーもとどめをさされた。それに、マイメロとクロミの友情についても、最重要アイテム(?)のクロミノートを介する事でしっかり描かれていた。きれいに完結したと言っていいだろう。「2年間、観てきてよかった」と思える作品だった。
スタッフの皆さん、2年間ありがとうございました…と言いたくなるが、最初に書いたように「マイメロ」は、これで終わったわけではない。「アニメロビー」枠の1コーナーとして、第3シリーズが4月1日からスタートする。この番組はアニメ2本に加えて実写コーナーも入るので、本編はせいぜい8~9分くらいだろうか。これまでと比べると物足りなくなりそうだが、それを逆手に取った見せ方による面白さを期待したい。スタッフの皆さん、「おねがいマイメロディ すっきり!」も、期待しております。
と、ここで文を締める事も出来るが、2年も続いたシリーズなので、どうしても気になる部分、残念な部分もあった。それを無視して終わってしまっては気持ちが悪いので、触れておきたい。
何と言っても、第1シリーズで「ヒーローになれたらイイナ!」シリーズを3回もやったにもかかわらず、奏と菊池の関係が第2シリーズでは完全に放置されたままになってしまったのは、残念だった。脇キャラまでしっかりフォローする本作らしからぬ、ぞんざいな扱いだ。
また、柊兄弟の母についても、これまで作中で描かれた限りでは兄びいきの親バカにしか見えず、結局登場しなかった父親共々、もう少ししっかり描いて欲しかったところだ。
以上、全体的に細かいところまで目の行き届いた作品だからこそ、気になる部分だった。
更に付け加えるなら、本作品はDVDが4話収録で税込み2,940円と、大変お求めやすい値段だった事も、嬉しかった。
この値段のおかげで気軽にDVDを買い続ける事が出来たし、安い割にはどの巻にも何らかの映像特典が入っていて、さらにお買い得感があった。
ただ、最近リリースされた第1シリーズのDVD-BOXが税込み42,000円で、単品で全巻揃える場合(38,220円)よりも高いのは不思議だ。収録内容を調べた限りでは、特典を含めて単巻売りと内容に違いはないので、価格差は付属のフィギュア代としか思えない。いずれにしてもアニメDVDとしては安いのだが、わざわざフィギュア目当てで買い直す人も多くはないだろう。こればかりは、疑問に思わざるを得ない。