「愛・地球博記念公園」に行ってみた

 「愛・地球博」が終了してから1年半が経った。
 メインとなった長久手会場は、元々「愛知青少年公園」だった場所であり、万博終了後は「愛・地球博記念公園」として、再び広域公園に戻される事が決まっていた。
 そして、昨年7月に第1期オープンとして一部の施設が利用できるようになり、つい先日、3月25日には第2期オープンを迎えた。

 私は、終了間際に万博に行ったっきり、あの会場近辺を訪れていなかったので、第2期オープンはちょうどいい機会だと思い、万博会場からどう変わったかを見てやろうと、今日行ってみたのだった。


 会場へのアクセス手段として一番楽なのはリニモだが、あえて万博の時と同じく自転車で行って来た。
 残念ながら今日の空は曇っていて、サイクリング日和とは行かなかったが、県道名古屋長久手線の沿線は万博の時から更に様変わりしており、景色を見ているだけで面白かった。
 景色を大きく変えた要因は、もちろんリニモと名古屋瀬戸道路なのだが、これら以外でも市街地の拡大に伴って、沿線が昔より賑やかになっている。また、万博会場の周辺は、万博開催中の各種施設が無くなり、かなりすっきりした感じだ。閉鎖されていた公園前までの歩道も通れるようになった。
 公園直前の交差点以降はずっと上り坂が続いて、自転車で行くとかなり疲れる点も、昔と同じだ。久しぶりにあの坂を上って、懐かしい気持ちになってしまった。

 疲れきった後に、「愛・地球博記念公園」前に到着した。
 正面入り口の場所は「愛知青少年公園」時代と変わらないが、入り口を入ってすぐに大きな違和感を覚えた。昔の青少年公園では、正面玄関に堂々と建っていた「中央管理棟」が、影も形もなくなっていたからだ。眼前には広い空間が広がっていた。万博開催中には気が付かなかったが、万博会場としても正面入り口の場所だったのだから、取り壊すしかなかったのだろう。
 基本的に高低差の激しい土地で、視界を遮る建物も無くなったため、敷地内に入って少し進むと、ほぼ公園内全体を見渡す事が出来る。土を盛ったまま放置されていたり、工事を進めている最中の箇所も多く、案内図を見ると、第2期オープンでようやく全体の半分ほどが利用可能になったようだ。特に、正面入口から入って左手側(公園東部)は、ほとんど何もない状態で、「祭の後」とはこんな物かと、あらためて思わされた。

 その後は、自転車を駐輪場に止めて、ざっと公園内を一回りした。「サツキとメイの家」は、万博が終わっても予約制入場が続いているが、わざわざ予約してまで入る気はないので、今回はパス。
 東部エリアがほとんど工事中であるのに対して、西部は万博にも流用された施設が多かったせいか、今でも昔の面影がある程度残っている。しかし、子供時代に親しんだ「ベビーゴルフ場」や「ゴーカート」が完全に無くなってしまった事は、非常に寂しい。こぢんまりとしたささやかな施設だったが、小学生の頃は、来る度に遊んだものだ。私に限らず、名古屋で育った人は、一度くらいは遊んだ経験があるのではないだろうか。
 なお、サイクリングコースは、現在再び建設中との看板が出ていた。以前とは異なるコースになるのだろうが、無くならなかった事は喜ばしい。

 一通り回って、万博を経て、良くも悪くもあか抜けてしまったと感じた。以前の古くささは、ほぼ払拭されてしまったようで、結構寂しい。
 もっとも、昔の青少年公園を懐かしむのは、あくまで個人的な思い出があるからで、今の子供にとっては新しくて綺麗な施設の方がいいだろう。私が小学生だった1980年代に、既に青少年公園は出来てから10年以上経っており、それなりに古くなっていたのだ。21世紀まで30年以上も保っただけで上出来と言える。

 なお、公園内「愛知国際児童年記念館」の図書コーナーでは、一部でトラウマSFとして有名な「合成怪物」(合成脳のはんらん)も置いてある。今日これを見つけて、思わず読みふけってしまった。文体は子供向けに平易に書かれているが、中身はかなりキツい内容で、今でも読み応えがある。小学生の時に学校の図書室で読んで以来で、大変懐かしかった。興味のある方には、この公園でご一読をお勧めしたい。


 それにしても、このような内容だと、やはり写真を何枚か貼りたくなってしまう。百聞は一見に如かずで、風景は写真を見せた方が手っ取り早い。これまでは、その手段がなかったので諦めざるを得なかったのだが、今後は写真も使えるようにしようと検討中なので、ご期待下さい。



(関連リンク)

愛知青少年公園にでかけよう・公園私設ガイド
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