【みんなで早足遠足】
<青梅・永山公園グランド~棒ノ嶺(CP1)2:54:46>
一昨年よりぐんと減ってしまった参加者。日程が遅くなって喜んだのはハリ天だけで、2週間後の「箱根トレイル」にみな流れた気配。まったくもってマニアックな大会を象徴するかのような最近ではちょいと珍しいくらいさっぱりとしたスタート風景。1週間前の予報ではかなり気温が高くなりそうだったのに、この日は暑くもなく寒くもなく絶好のトレイル日和。みんなで遠足の気分。水は心配ないように塩入のジュアールティ2.2リットル+ペットボトルのリンゴジュースを持った。快晴のもと、余裕の前列でスタート。
何もあわてることも急ぐこともないスタートは気楽だ。ハリ天の庭と化している青梅丘陵、新緑の輝きは今が旬。毎度の景色が流れるが心安らぐ。
ゆっくりゆっくりなのに何故か心拍数は150を超えている。今のペースだったらせいぜい120台のはず。レースというシチュエーションに興奮は隠せないハリ天。必死で押さえながらの始まり。そうそう忘れてはいけないのは今回のテーマ「山を渡る風になれるか・・」だ。戦うな、踏ん張るな、風のようになって木々の間を渡るように。
青梅丘陵はマコトさんやTさん、マカニ・トモさんらとボイスモード。青梅丘陵を抜け、高源寺から高水山登山道へ。このあたりはマカニ・トモさんと一緒。ちょっと心拍数は高めだけどいい感じ。岩茸石山からの下りで少々前に出る。棒ノ嶺までは普段の練習コース。実にお気楽。前方のペターさんに追いつき、楽しく頂上到着。
何度も何度も心拍数と時間を確認しつつ走っていたが、速すぎる。オリエンテーリング等で採用されているというSIシステムという指にはめたセンサーをチェックポイントに設置されたSIステーションの穴に入れるとピピッーと音がしてチェック完了。ここは役員がいるので安心だが後半のチェックポイントは無人なのでやや不安あり。
さて、そのまま進もうとすると前方でにこやかに手を振る女性が二人。スタート地点にも応援に来て下さった「箱根シスターズ」の二人。まさか山まで、とは思いもよらず予想外の嬉しい出来事に元気満々。用意して下さっていたレモンスライスをガバッと口に放り込み、ペターさんとも別れ、棒ノ嶺をさっそうと後にする。
【戦わず、踏ん張らず】
<棒ノ嶺~酉谷避難小屋(CP2)5:58:34>
棒ノ嶺を過ぎると日向沢ノ峰までに何度かの急登が待ち受ける。初めての時はここで前半のほとんどの力を吸い取られてしまった気がする。スタートから4~5時間あたりで一度疲労のヤマが来るが、大汗をかいて急激に足は前に出なくなったというのが強烈な思い出。今回は水分十分、急な登りもここ1~2年でマスターしつつある名付けて「がぶり寄り走法」で進む。古武術家・甲野氏のなんばがヒント。頭部に滑車をイメージし、その滑車を中心に左右への体重移動と骨盤の前傾がコツです。右手と左足、左手と右足と交互に出さず、同側の手足が同時に傾く感じです。とにかく省エネ。足の筋肉を使わぬよう使わぬよう・・・に。
前方に見えていた女子2位のSさんが近づいてくる。だいたい巡航速度が同じくらいで、結局つかず離れずの距離を保ったまま蕎麦粒山を越える。
ここからは一転、ぐんと稼ぎどころの気持ちよいトレイルが続く。今日のテーマ「風になる」チャンス。一杯水で湧き水給水のつもりでいたら水量少なくスルー。ちょっとがっかりしたもののペースは文句のつけようがない。でも、ちょっと調子に乗って緩い上りでスピードを落とさずにいたら、左大腿内側に痙攣発生。今日のレーススピードで痙攣など起こすのはもってのほか。踏ん張りすぎた証拠。これじゃぁいかんと安全ピンを1本はずし、例の治療。相変わらず抜群の効力でおとなしくなってくれた。
自重して進んでいると後ろに久々人の気配。振り返れば「おぉ、マコトさん」。やはり流石に堅実なペースと思われる。別に争うわけではないが、なんとなく追い立てられるように先行したまま酉谷避難小屋に到着。なんと6時間を切っている。一昨年はここを7時間の関門15分前にようよう。昨年の一人TTRでは6:38だから相当に速い。ここで豊富な水をごくごくと1リットル以上飲み干し、さらに給水。調子が出ていたので先にスタート。
【黙々と、風をイメージ】
<酉谷避難小屋~雲取山(CP3)8:36:25>
日原からの合流部・水松山までは静かで大好きな区間。前にも進みたいがこの空気も十分味わいたい。標高は徐々に高くなっていて、山岳レースの雰囲気いっぱい。疲れは感じているが足が止まるわけではなく、まだまだ先は長いがこのレースのピーク・雲取山の匂いもしてきた。
水松山。前方には女性のSさん、後方にはマコトさん。少ない参加者でしかもスタートからかなり経つというのに、ひとりぽっちにはならないのが不思議だ。長沢山近辺からはマコトさんとの二人旅。こうして彼と走るのは、昨年の6月、身延山~安倍東山稜16時間半をやって以来だが、ついこの間のようで時の流れの早さをそうだそうだと肯きあう。彼も今日は「頑張らない」ことがテーマだというので、いつしか歩調がシンクロしてくる。二人で黙々と、しかし、ペースは維持したまま進む。倒木で荒れた芋の木ドッケ付近を一踏ん張り、そして下りに入る。気持ちのよいほどよいスピード。大ダワから上りもう一丁。
雲取山荘では「元気水」で顔を洗い、塩を流す。一緒になったコンタさん(棒ノ嶺前からずっと前後していた)を紹介されるが・・・なんとお馴染みたけ3号さんの大学の後輩とのこと。びっくり。狭い世間、いやこの世界。
【山々を渡る風に・・】
<雲取山~七ツ石神社(CP4)9:09:42>
マコトさんより一足先にコンタさんと雲取山通過。気持ちよく石尾根を下る。このあたりでライトを用意するようかなと思っていたけど、まだまだ陽が高くてにんまり。あとで登る大寺山の白い仏舎利塔が小さく見えている。体を前方に預け、一気に落ちるように下る。風、風、風・・・。
先行していたSさんとコンタさんに小雲取山で追いつき、以後コンタさんと七ツ石山まで。頂上直前で前に出て、自然に足が出たのでそのまま突っ走る。
【・・風になってしまった】
<七ツ石神社~鴨沢グランド(CP5)10:00:43>
後ろからコンタさん・Sさん・マコトさんがすぐに来るだろうと、始めはタラタラ完全脱力モードで下っていたが、なかなか現れない。少しスピードを上げてみるとなんだかとってもいい気分。ダーッと下って少しダラダラを繰り返していたが、ふと時計を見ると信じられないような数字。よし、ハリマネに、たまにはレースでも(いつも待たせることが多いのでね)「キャーッ」と言わせてやろうかとスイッチオン。風になれ、風になれ!
まさか鴨沢までの前半部サブテンができるか・・・。登山道を降りた所で電話。そしてさらにさらにギアチェンジ。ビューンという乗ったことのない風に乗る。
グランドが見渡せる場所。おぉ、手を振っているぞ。頑張れ頑張れ。これからまだレースは半分以上残っていることを少し(いや、ほとんどか)忘れている。
バス停の通りに出てからも必死で走る。ちょいと無駄な走りだけど、ささやかな自己満足のためも、ありだ。
最後の上り坂も必死・・・が、10時間は超えてしまったよ。ハリマネと6年生の長男・弾、鴨沢地区のおばちゃん達、みんなで迎えてくれた。通過のチェックをして取りあえず大の字にひっくり返ると「今、4番目だよ~」・・・絶句。
50Kの部も合わせても8番目の到着という。すげぇ。誰が走ったのだ。我がことながら、びっくり仰天。ただそれにつきる。これからの後半を考えると予想外(11時間半くらいを目指していたので)の大貯金。一気に気分が楽になった。到着は暗くなるからと応援団には電灯を持たせたけど、なんと日没前の到着だ。ハリ天だって、たまにはやるのだ。どうだぁ!
※ちなみに青梅~鴨沢間のタイムは、一昨年の前半リベンジ戦が10:42。昨年の一人TTRが11:35
たっぷりの札束を前に(したかのような)にやつくハリ天の姿がそこにはありました。
【本日のトレーニング】
・もう一日我慢のoff
t6データあります。
・・・が、途中でメモリーオーバーです。
心拍グラフは横一直線になってしまいました。あとで出すかもしれません。
今回もt6データはあるのでしょうか?
2年前より少しずつ速いペースなのですが、何せ走り方が違います。
距離が長いのでいかに脚を残すか、ここにかかってきます。蕎麦粒山以降を楽しく走るために日向沢ノ峰までの急登は戦っちゃダメダメ・・ですね。
でも、課題がわかってくると、そのための戦略も練れるし、ペターさんも楽しみが増えましたね。
私は、日向沢ノ峰までの連続急登、昨年1回経験してたのでかなり慎重に登ったつもりでしたが脚は使用済でした(^_^;)
一杯水以降、私も風になりたかった…、すごく楽しみにしてた区間だったのに。
とりあえず私も第1回の七ツ石制限時間目指して一人TTRでも、そして2年後ぐらいかな?