ハリ天狗の日々奮戦

天狗のごとく山を駆け、野を走る(かな^^;)。 東京は西の端・青梅発、全国行き。日々鍼を打つランニング鍼灸師の奮戦記。

第26回日本山岳耐久レースレポ

2018年10月10日 | 大会レポート


【Thanks Baboo】

さぁ、いよいよやって来た20年連続20回目のハセツネ。
気負うことなく本当に山っ気など出さずに、20回目の完走はサラッとやっつけてやるさ。
ひそかに肚の中ではそう考えていたし、ひそかに自信もあったのだけど、まだまだ甘いぜハリ天!

とにかくにがくてにがくて、ひたすら長くて長い20回目のハセツネでした。
せっかくの20回目、しっかりハセツネを味わい尽くせ!
やっぱりなのか、ガツンと一発喰らってしまいました。


【開会式中。Thanks Baboo】

山っ気など出さずとは言いつつ、渋滞を避けるため早目に並ぶ。家を出た午前10時で既に30度超えの暑さ。並び始めた12時にはさらに上昇していた模様。
皆スタート前から暑いね暑いねの大合唱だけど、やっぱり思わず暑いねしか言えない暑さだったし。
スタートまでは一緒に並んだ青ト部の一樹くん&さっちゃん夫妻と。このところの最大のライバル・さっちゃん(今回女子総合11位)の紐結びがあまりにも、、、なのでダメ出ししてフィッティング大サービス。(あぁ、今回は完敗だった)


【Thanks Baboo】

さてスタート直後、よく足は動き、流れに乗ってスムースに廣徳寺へ。このくらいの踏ん張りは許される。おかげで足を止めるような渋滞には会わずに進めた。
妻の今年の応援ポイントは新たに近場の今熊神社。


【トライアスロンもトレランも最強のモンスター水沢氏と(ただし故障中とか)】

ここなら膨れあがった大勢の知り合い全員を応援出来る。いったん家に帰って夜の部に備えられる。正解だ。
前目の入りだとその後も実に順調。押さえて決して無理ないように進む。すでにパンツはびっしょりで相変わらず周囲を圧倒している、オレ。
水分はハイドレの2リットル+フラスクに粉飴溶かしたオレンジジュース500mlと特製自家製米麹甘酒500mlの合計3リットル。全然足りないはずだけどこれ以上持つのも大変なので上手に回すぞ。
序盤の心拍150前後はちょっと高めだけど、落ち着いて入れたし、気持ち的にも余裕たっぷりなのでいい感じ。入山峠先の倒木迂回路プチ渋滞ではおっくんと良子さんの熱い声援を受けて気分も一気に盛り上がる。声かけてくれた若者といい感じで市道山から醍醐丸へと向かう。
しかし、しかし、それにしても自分の中ではビッグネームの選手達が早々に苦戦している。まさかの場所で追いついてしまう展開。そしてまだ明るいうちにそこここに転がっている選手がかなりいる。20年で初めて目にする光景だ。恐ろしい。
不安がよぎるが決して飛ばし過ぎていない。その証拠に痙攣の予兆はゼロだ。それでも醍醐丸付近からどうにもさえない雰囲気になってきた。
疲れも感じていないけど足の動きが鈍くなって来た。ストンといきなりだ。ペースもがた落ち。勢いが全く感じられなくなってきた。
第1関門・浅間峠、3時間52分09秒。遅っ。怪我や不調で直前1ヶ月の急ごしらえで出場だった昨年を下回るタイムで浅間通過。なんだかなぁ。
今年は夏バッチリだったし、山っ気は出さないと言いつつもサラッと走れる(ような)自信は結構あったんだけど。トイレに寄って仕切り直し。


【Thanks Baboo】

ポールとライトを用意したもののすっかり走れなくなっている。西原峠までも遠い遠い。抜かれる一方。
精一杯やる気を出して臨んだ三頭山の上り。いつもここで自分の感覚を計っている。
「もう三頭山」か「まだ三頭山」か。今年は新たな感覚発生。「やっと三頭山」だ。ため息が出てしまった。
そんなに無理をしていないはずなので、潰れているという気はサラサラないのだけど、誰がどう見たって潰れてるよな。よれよれだよな。
夜風が涼しくてえらく気持ちいい。走れていたら最高の気分。走れていたら、の話だけど。
ダラダラと鞘口峠へ下り、ヒーヒー登り返す。水については上手に月夜見でゼロになるようコントロール出来たことだけがハナマルだ。

第2関門・月夜見第2駐車場、8時間41分31秒。ワースト達成。
給水テントでは1.5リットル全部水でいただく。1リットルをハイドレに、0.5リットルはその場で飲み干した。普通の水が美味い!
シートで6分間横になって足を上げてブラブラ。そうだゴールはとてつもなく遅くなりそうだから連絡つくかな。と、なんとバッテリー切れ。電源落としておくのを忘れてた。
休んだお陰で驚くほど復活。ようやくしっかり走れるようになった。よっしゃぁ、やっと気分良く後半は攻めの走りだ。
・・・も早々に風前の灯火状態。なんとか御前山までは踏ん張ったが頂上で座り込む。
なるべく頭も空っぽにし、余計なエネルギーを使わず進みたいところだけど、速度が落ちるとなんか暇を持て余してしまうのか。過去の色々なシーンが鮮烈に浮かび上がる。真っ暗な山の中なのに、思い出の場所はしっかりと記憶に刻み込まれているから驚きだ。

大ダワから大岳山も元気ならワクワク区間なんだけどしょんぼり。初参加の時、夜中12時を回ったところでパタリとひっくり返った思い出の場所で感傷的になってちょっとゴロンしてみた。
やっとの大岳山でも休憩。下りの足元不安で怖い。
御岳の水場で顔を洗い、冷たい水を思いっきり飲み干す。さぁ元気がようやく出てきた。
第三関門・長尾平、12時間54分10秒、ぐわー。ここでは女将さんが待ってくれていて、毎年大声援と最後の元気を注入して貰える。バッテリー切れで妻に「もうじきゴールコール」が出来ないピンチだったので今年は伝言メールも頼んでしまった。


【いつも元気をありがと。伝言もありがと女将さん】

そして、最後の踏ん張り区間。泣いても笑ってもあと少し。日の出山では夜景がお見事。堂々と休憩してしまった。
タイムを久々確認したら何とか初参加の時くらいでは行けそうかなってことになり、65km地点からはやっと本格的スイッチオン。14時間台目指して金比羅神社からはこの日一番の走りで下った。
長かった一日がようやく幕を閉じる。よく辛抱したな。
住宅街への角で友人3人が待ってくれていた。20回目おめでとう。そう言って我らが大将・ヤフシゲさんが差し出してくれた手が温かくグッと来た。ハリマネさんが待ってますからねとほえるちゃん。(ここで連絡してくれたんだね、ありがと)
最後の角を曲がる。感動で涙が出るかと思ったけど、初完走の時と似た「これでやっと終わる」感の方が強かった。
内緒で書いてくれていたスーパーアドベンチャーグリーンおめでとうのプラカードを持った妻がいた。青梅トレラン部の仲間たちや友人がまだ夜中だというのに盛大なハイタッチで迎えてくれた。
許可もらったからと妻と一緒に20回目のフィニッシュラインを越えた。午前3時55分。タイム14時間55分13秒。男子304位。
グワッと20年が一瞬で回りきった不思議な幸福感で体中が満たされた瞬間だった。みんなみんなありがとう。


【みんなありがとう Thanks Fuku_chan】

前半からつらくてつらくて、ちっとも楽しくねぇぞと思っていたのに、終わった途端、すっげぇ楽しかったって感じるのは何なんだ。毎度のことだけど何なんだ。それが知りたくてまた来年もスタートラインに立つんだろうな。どこまで行くのかな。行けるのかな。不安と希望が渦巻く20回目のハセツネが終わった。

緑風堂鍼灸院WEBSITE
ハリ天狗マネージャーの笑顔いっぱい!

コメント
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