2011年5月11日、ここら一帯は激しい雨に見舞われていた。早めに退社して水戸馬の背台地のふもとに位置する玉川屋酒店に立ち寄る。2ヶ月前、その店内は大きな被害を被り、あらゆる種類がブレンドされたアルコールの川が店の床を覆い尽くし、なんとも言えない香気が鼻を満たした。酒飲みにとってあんな悲しい光景はなかったが、いまでは奥の倉庫に陳列された酒の本数は少なくなり、倒壊に備えてやたらとひもが張り巡らされ、壮観だった酒瓶の軍団はその迫力を失ってしまった。折からの雨が天井を叩く音を聞きながら、人の喉を潤せなかった酒どもの無念を
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