上水戸(かみみと)駅は大きな駅だった。駅舎に隣接して木造の大型倉庫があり、貨車から積み降ろしが出来るよう、立派な側線が設えてあった。小ぶりだが蒸気機関車用の給水塔も立ってたし、ヤード(操車場)があった関係で乗降用のホームが尽きても駅の果て迄まだかなりの距離があった。そんなわけで線路が駅に進入するいちばん最初のポイント(線路が二股に分岐する装置)は駅舎からかなり離れている。これを操作するため、錯綜するレールの隙を縫ってポイント操作用のロッドが一筋伸びていた。そしてこれを操作する音がまた、結構大きい。駅構内にこだました、と言っても過言ではないだろう。あれはロッドをジョイントで繋いでいたのだ、だからガシャンガシャンという金属音が連続して地を這っていったのだ。
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