目貼してわが身一つを守りてをり 楯岡和子
加齢とともに、古びてゆくのは家も同じである。自分でできる限りの手当をしながら暮らしている作者である。「目貼」は、冷たい風を防ぐために窓の隙間などに紙を貼ることだが、ここでは、一種の比喩として使われているのではないだろうか。守ろうとするものが、「わが身一つ」だということに、どこか寂しさを覚えるが、何かに執着することのない安寧の境地が感じられた。「阿蘇」3月号より抄出。(Midori)
加齢とともに、古びてゆくのは家も同じである。自分でできる限りの手当をしながら暮らしている作者である。「目貼」は、冷たい風を防ぐために窓の隙間などに紙を貼ることだが、ここでは、一種の比喩として使われているのではないだろうか。守ろうとするものが、「わが身一つ」だということに、どこか寂しさを覚えるが、何かに執着することのない安寧の境地が感じられた。「阿蘇」3月号より抄出。(Midori)