サン・ジョヴァンニ・イン・ラテラーノ大聖堂は、美しい回廊でも知られています。
この回廊も修復など紆余曲折を経ているのかもしれませんが、教会の創建当時の雰囲気をよく残しています。
中世以前に作られた回廊の多くと同じように、回廊の柱はそれぞれが異なった装飾をされています。
教会の回廊に来るといつも思うことですが、外の喧騒とはまったくの別世界です。
特にここはローマの中心にあるので、そのことをいっそう強く感じます。
壁面は、アーチのすぐ上がモザイクで飾られ、その上には細かいレリーフがあります。
レリーフの部分をよく見ると、おもしろい表情をしたたくさんの人の顔が突き出ています。
なんだか南イタリアのバロック建築のバルコニーの装飾を連想させます。
回廊のところどころに中庭への出口がありますが、それぞれ写真のようなスフィンクス?で飾られています。
文化ってつながっているんだなぁ…なんてことを考えてしまいます。
よくドゥオーモの入り口などで柱を支えているライオンの彫刻も、こういう装飾が起源なんでしょうか。
回廊からは翼廊の壁面を見ることができます。レンガの粗積みがむき出しになっていますが、
よく見ると、以前はそこにバラ窓とアーチがあったことがわかります。
回廊の南西の角からは、ファサードの裏側をわずかに見ることができます。
この眺めが、今わたしたちがいるのはパレルモでもラヴェンナでもなくローマなんだということを
思い出させてくれます。
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