チルコ・マッシモの西側は「アヴェンティーノの丘」と呼ばれる古代ローマ時代からの歴史地区です。
その丘の上、テベレ川を見下ろす高台に立っているのがサンタ・サビーナ聖堂です。
5世紀に建てられ、当時の姿をほぼそのまま残している貴重な教会です。
この教会は、ファサードにあたる部分は今では使われておらず、身廊脇が入り口になっています。
内部はシンプルなバシリカ様式で、ラヴェンナのサンタッポリナーレ・イン・クラッセ教会を思い起こさせます。
実は一度バロック様式に改修されたものが、再度元の姿に復元されて今に至っているそうです。
後陣は何度も改修されたのでしょう。今残っているのは、モザイクではなくフレスコ画です。
化粧を落としたような灰色の壁面の下に、色大理石のアーチ部分の装飾、そして柱頭部分の装飾。
ぼんやり見ていると気づきませんが、じっくり見ているとなんだかミスマッチな気もしてきます…。
側廊に2つだけある礼拝堂のひとつには、バロック様式に改修されたときの内装が残っていました。
礼拝堂には、夕日を受けて輝く色大理石の奥に聖母子の祭壇画がありました。聖母マリアの衣服の青が印象的です。
教会のすぐ脇は、サヴェッロ公園。遠くにサン・ピエトロのクーポラがぼんやりと見えています。