クアットロ・カンティの少し南、小さくひらけた広場の前に、パレルモを代表する2つの教会があります。
それがサン・カタルド教会とマルトラーナ教会です。
サン・カタルド教会は、アラブ風の赤い3つのドームが印象的な教会です。
ほんの小さな教会なのですが、このユニークな外観のおかげで、パレルモのシンボルのひとつになっています。
一方のマルトラーナ教会は、ほぼ同時期に建てられた教会ですが、
16世紀にファサードの改修がされたそうで、外観はスペイン風と、まったく対照的です。
マルトラーナ教会はきらびやかな内装が特徴です。こちらもそれほど大きな教会ではありませんが、
壁面の上部から天井にかけてが金色のモザイクで覆われ、きらびやかな様子を見せています。
ノルマン風のモザイクにまじって、ところどころにフレスコ画の描かれているところがあります。
長いあいだパレルモの人たちの心のよりどころになってきたからこそ、
さまざまな時代の様式が組み合わさって、ひとつの教会を形作っているのですね。
全体的には派手派手しいこの装飾も、一つ一つのモザイクをよく見ると、素朴なものが多く、
なんだか少しホッとした気持ちになります。バロック様式の教会とはまたちがった良さがありますね。