JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

生き残れ肉食系!

2009年02月19日 | d-f

ついこの前『立春』を迎えたかとおもえば、はや『雨水』を過ぎ、経済危機で混迷する中、それでも季節は確実に前へ進もうとしています。
ニュースはもっぱら日本政府のていたらくを伝えるばかり、進む季節は待っていちゃくれないんですけどねぇ。
私などは同じ酔っぱらいとして中川前大臣を擁護すべきなのかもしれませんが、一昨日の「中川劇場」を見るかぎり、擁護どころか養護も無用だと感じてしまいました。

昨晩10時ごろに帰宅してひとっ風呂浴び、独り寂しくビールをあおりながらTVをつけると、久米宏の番組をやっておりまして
「あっ!これだよこれ!」

一昨日の晩、Mさんのお店に新しく入ったアルバイトの男子に
「○○君は、暇なときには何してんの?」(社交辞令的質問ですね)
「今は毎日暇ですよ。」
じつは彼も派遣切りにあった若者で、シャレにならない質問をしてしまいました。
「ごめんごめん、そういう意味じゃなくて、今どきの若者は何して遊んでんのかなぁなんて思っちゃってね。」
「歌を唄うのが好きなんで、カラオケには良く行きますよ。」
「ほう、カラオケボックスかい? ほんじゃ彼女となんか行っちゃうんだぁ、お酒は?」
どうも、酒話に持っていきたいという私の意図が見え見えでありますが
「あ~・・・・あんまり飲めないんですよねぇ」
「なんだ、おまえもかい」

私の知ってる範囲内でMさんのお店で働く男の子は5人、その全ての子がお酒をほとんど飲まないのであります。しかもそのうち2人は、ファッションなんぞにはみょうに興味があるようで、しかも優しい?いや、当たり障りがないというか
「ひょっとしておまえもいわゆる・・・・・・」
げげ、健忘症です。
「ほら、なんて言ったけ、ほら、だから、今の若い男の子に多いって言う、ほら、え~~~と」
けっきょく、思い出せずじまい。それが昨日TVを見ていて思い出したのです。

「そうだぁ、『草食系男子』だよぉ」

新世代の優しい男性のことで、異性をがつがつと求める肉食系ではない。異性と肩を並べて優しく草を食べることを願う男子
恋愛やセックスに「縁がない」わけではないのに「積極的」ではない、「肉」欲に淡々としていて、男らしさにもこだわらない男子

『草食系男子』の定義に、酒を飲む飲まないは無関係のようですが、「異性と友達感覚で付き合い、酒を飲んでも乱れず、堅実な暮らし」をモットウとする彼らに酒の力は無意味なものに違いありません。
どうもそんな『草食系男子』の話を聞くと、「男はしょせん女に劣る者であり、それ故に見栄を張って女に立ち向かう必要がある。見栄と虚栄こそ男の存在意義である」との私の持論は、すでに遠い昔の陳腐な考えに成り下がり、ガツガツと女性を欲した若かりし頃の私を全否定されているようで、寂し~~い思いになります。(笑)

さらに、現代の若い女性にも、こういった『草食系男子』を受け入れる風潮が、というより『肉食系男子』は嫌われるという風潮が拡がりつつあるとか。
長嶋さんじゃありませんけど、「う~~~ん、どうなんでしょう?」

正直、女性にとっては『草食』だろうが『肉食』だろうが上手くあしらい飼い慣らすだけですから、さほど気にすることでもないのかもしれませんけど、男性としては
「おい、本当にそれで良いのかい?」
との疑問が生じるのであります。
過去に、まるで女性を我がペットのごとく評する男性も多々おりましたが、あれこそ男の見栄であって「見栄を捨てたら、ペットになるのは男性であることは火を見るよりあきらか」との現実に恐れを成した証でもあるわけで(もちろん良い見栄とは言えませんけど)・・・・・

三島由紀夫の『鏡子の家』にこんな台詞がありました。

男の流す血は、むかしなら一銭五厘の葉書で買えたんだし、伝統的に、女の一夜の体より安く出来てるんだ。

例えはどうかと思いますが、男は一枚の葉書で戦場に命を投げ出すほどの者、しかもそこに無理無理「国を守るのだ!家族を守るのだ!」と価値をつける、これぞその場その場の男の見栄とも言えるわけで、良くも悪くも男の価値などそうして守られてきたのだと・・・・
「このまま行くと男の存在価値そのものが無くなってしまうのではないか?」
なんちゃって、昔『肉食系男子』であったはずの私が、現在置かれている立場を考えると言えた事じゃないかもしれませんね。(笑)

「バブさん、お酒は飲めるようになりたいと思うんですけどね。」
「おっ、酒嫌いってわけじゃないのか?」
「ええ、でも今好きな酒は何かって訊かれれば、梅酒なんですよねぇ」
「う・め・酒?!?!?!・・・酒飲んでパーっといって、女口説いてド~~ン!みたいなんは無いんかねぇ若いんだから」
「頑張ります。」
「・・・・・・・・・・!?」
頑張るってもんでもないんだけどなぁ・・・・

『草食系男子』は知らぬ間にその勢力を拡げつつあるようです。
『肉食系男子』よ、『草食』があればそれを喰らう『肉食』があってこそ自然界は成り立つのだよ。恥ずることなく肉食を貫き通したまえ!

さて、今日の一枚は、「JAWS」ことエディ・ロックジョウ・デイヴィスです。
彼の音なんかじつに肉食っぽくありません?
そのくせ、シャリー・スコットという女性のオルガンと良く合うんですよねぇ
やっぱりねぇ、男性と女性は違いがあるから引かれあうんですよ。ってそんな話はいいか。(笑)
ロックジョウの魅力といえばやはり荒々しいテナー、それでもシャリーのオルガンの前では「BUT BEAUTIFUL」なんていう甘~い囁きを聴かせちゃうんでありますよ。
それでもシャリーは凜としてますねぇ大人ですねぇ「IN THE KITCHEN」のソロなんか、いかにもシャリーっぽいというか。

・・・・・どうも今日の解釈は『草食系男子』『肉食系男子』にこだわったものになっていけません。(笑)
アルバム「JAWS」同様、ロックジョウの魅力をじゅうぶんに味わえる一枚だと思います。

COOKBOOK VOL.1 / EDDIE LOCKJAW DAVIS
1958年6月20日録音
EDDIE LOCKJAW DAVIS(ts) JEROME RICHARDSON(fl,ts) SHIRLEY SCOTT(org) GEORGE DUVIVIER(b) ARTHUR EDGEHILL(ds)

1.HAVE HORN, WILL BLOW
2.THE CHEF
3.BUT BEAUTIFUL
4.IN THE KITCHEN
5.THREE DEUCES



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