JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

逝ってしまった上司

2006年04月09日 | g-i


今朝、訃報が届きました。
東京に勤めていたときの上司が、一昨日の晩に亡くなったそうであります。
会社勤めをしていて、理想の上司という人には、滅多に遇わないものです。ところがこの上司ときたら、私が未だに超えられない大きな器を持った理想の上司でした。
今夜は、彼の冥福を祈りながら、1人グラスを傾けています。

私は、彼にほぼ1年間、怒られ続けました。
出勤すれば1時間の指導、外出から帰社すれば、これまた2時間の指導。
なんど、その不合理な怒りに反発を覚えたことか。

ところがこの男、公私のけじめはムチャクチャはっきりしています。
2時間怒り続けた後、指摘された仕事を私が片付けるまで、必ず、難しい顔をしながら帰らずに待っていました。そして、会社を一歩出るなり、
「よし、飯喰ってくぞ」と飲みに連れ出され、飲み屋に行くと、役職名では返事もしない。名前で呼ばないとダメなんです。
まるで同僚のように酒を飲み、「こりゃ明日は怒られないな」なんて思うと、会社ではビシバシであります。

もう一つ、部下に約束したことは、自分の上司をも必ず説得し、守るという姿勢がありました。

一年後、私を係長に登用してくれた彼、以降は、一度も彼の不合理な怒りをかうことは無くなりました。(今おもえば、彼の怒りは、けして不合理なものではありませんでした。)

そんな彼は、ジャズをよく聴く方ではありませんでしたが、エラの「MISTY」が大好きだという話を飲み屋の席できいたことがありました。
「課長、もといSさん、作曲者のピアノ演奏を私持ってますよ。今度、録音してきましょうか?」
「いいね、録音してきてよ」

けっきょくは、その録音を彼にわたすことはありませんでした。
今夜は、そのエロール・ガーナーの演奏を聴いています。
もちろん、エラの歌も先ほど聴きました。どこかで彼が聴いていることを信じながら。

PLAYS MISTY / ERROLL GARNER
1954年7月録音
ERROLL GAENER(p) WYATT RUTHER(b) EUGENE "FATS" HEARD(ds)
1.MISTY
2.EXACTLY LIKE YOU
3.YOU ARE MY SUNSHINE
4.WHAT IS THIS THING CALLED LOVE
5.FRANTENALITY
6.AGAIN
7.WHERE OR WHEN
8.LOVE IN BLOOM
9.THROUGH A LONG AND SLEEPLESS NIGHT
10.THAT OLD FEELING

追伸、
演奏も作曲もまったくの独学で、しかも譜面もろくに読めなかったエロール・ガーナー、どうしてこんな素敵な曲を作れたのでしょうか?


このアルバムは、「CONCERT BY THE SEA」「PARIS IMPRESSIONS」を購入した後、しばらくたってから買った一枚です。じつはあまり興味を持っていなかったアルバムでした。それでも、たまに作曲者本人の「MISTY」を聴くのもおつなものであります。




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2 コメント

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何とコメントすればよいのか... (turu)
2006-04-11 18:49:50
わかりませんが、そのように思える上司の方と出会うことができて、バブさんは幸せものなのかもしれませんね。

それに引き換え、私の今までの上司ときたら...



それにしても「Misty」とは...こういう時に聴くには、きつい曲ですね...
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turuさん (バブ)
2006-04-12 22:09:59
コメントありがとうございます。



大きな影響を受けた上司でしたので、といも残念です。



「MISTY」は、内容よりも、彼が好きだった事を思い出して聴いてみました。

でも、たしかにミスマッチかもしれませんね。(笑)
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