JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

父は優しさを求めてる

2007年09月29日 | d-f

やっと平年並みの気温になった土曜日、みなさんはどのようにお過ごしになったのでしょう?(東京は寒いくらいだったらしいですけど)
私は例のごとく趣味部屋の掃除を済ませ、散歩へと出かけてきました。昨日までと周りの景色にそれほど違いはないはずなのに、やはり気温のせいでしょうみょうに秋を感じたりします。

「ハブちゃんは、徳永英明なんて聴かないだろうなぁ」
一昨日の晩、突然Mさんがそんなことを言い出しました。
「いや、じつはね、『VOCALIST』っていう徳永のCD知ってる?」
「あぁぁ、あの柳の下の二匹目を狙ってセカンドも出したら、思いどおりにそっちも売れちゃったってあれですね。」
「そう、それをね・・二枚とも買っちゃったぁ」

そもそも、Mさんは最愛の娘さんと共有できる音楽の話題を欲しがっているのではないかと私は思っているのですが、徳永のこのCD購入にもそのあたりが見え隠れします。
収録曲は我々世代が良く知った曲が多く含まれていますし、徳永の話題のCDとなれば、娘さんも聴くだろうという、悲しいくらいの父親心情・・・・同じ娘を持つ身としてよ~~く分かります。

「ほら、娘の車のCDは、一回かけると録音されちゃうからさぁ、もうCD本体は必要ないんだってさ。バブちゃん持ってく?」
じつはもっと娘さんと話題を膨らましたいんでしょうねぇ。
「中島みゆきの『時代』はこうだった」とか、「『翼をください』って、お前は学校で習ったのか?」とか・・・・・きっとそんな話もできなかったたんだろうなぁと思うと、なんだかMさんが可哀相で・・・シクシク(笑)
Mさんの娘さん、もうほんのちょっとでいいんで、お父さんに優しくしてあげて下さいね。

ともかくありがたくお借りして、今日の拭き掃除と散歩の時間に聴かせていただきました。

♪ 今はこんなに悲しくて 涙も枯れ果てて
  もう二度と笑顔には なれそうもないけど ・・・・・・ ♪

「ちょっと、家ん中じゃまだしも、散歩に行ってまで、大声で唄ったりしないでよ!」
はははははは、たしかに散歩中もおもわず唄いそうになってしまいましたけど。

「ようし、久々に、ギターの弦でも張り替えて、唄っちゃおうかなぁ」
ってんで、ガット弦を買って来て張り替えを行いました。


ギター本体の写真は、お見せするほどの
ギターじゃないもので、ご勘弁下さい。(笑)

えっ?スチール弦じゃないのかって?
最近はね、いわゆるフォークギターってヤツをガンガン弾いていると(失礼、弾いているなんておくがましい、鳴らしているとでした。)、すぐに「うるさい!」とのクレームが入るので、ガットギターをピッグも使わずに鳴らしているのですよ。

午後からは久々の「バブ・オン・ステージ」であります。
ただ、ガット弦の宿命で、張った直後はすぐに音が狂ってしまうわけで・・・・・・
「いいんじゃないの、どうせ歌そのものが完全に狂ってんだから」
「うるせぇ!あんたにも、Mさんの娘以上に優しさが欲しいよ。」

さて、今日の一枚は、紹介するまでもないマイルスのマラソン・セッションです。
昨日9月28日はマイルスの命日、別に忘れていたわけではないのですが、コルトレーンのそれと比べると、私の中ではかなりどうでも良い日になってしまっているもので・・・・(笑)
それでも一日遅れではありますがマイルスを紹介しようと、まっそういうわけです。

マラソン・セッションは、全て紹介済みかと思っていたのですが、振り返れば取り上げたのは「RELAXIN'」だけ、超メジャー級アルバムはなかなか紹介しにくいというとこ、ありますよね。

今日のアルバムは、年に一枚ずつしか発売にならなかったマラソン・セッションの内、最初に発売されたアルバムです。そして「MY FUNNY VALENTINE」のおかげでしょうか、最も取り上げられる率の高いアルバムでしょう。(私的にはコルトレーンが参加していない「MY FUNNY VALENTINE」が注目曲というところに不満もあるのですが....笑)

ともかく、2日間に演奏されたどの曲もまれに見る出来ばえであったこと、そして特に二日目の演奏は(今日のアルバムだけが全曲二日目の録音)、まさに完成の域に達していた『黄金のカルテット』を見せつけるかのごとき演奏であること、このマラソン・セッションが語りぐさになるのは当然だと感じさせます。

コルトレーン・ファンの私としては、4曲目(実際は3曲目って言った方が分かりやすいですよね)「AIREGIN」が気になります。
ご存じ、ソニー・ロリンズのオリジナル(ナイジェリアの綴りを逆にしただけの曲名というのがバカにしている気もしますけど)。本来であれば、ここでテナーを吹いていたのはロリンズかも知れません。それが半年で大きく成長したコルトレーンが、「どうだ!」とばかりにソロをとる・・・・感無量です。
ちなみに「BAGS' GROOVE」に収められたロリンズによる同曲(B面1曲目)と聴き比べをするなんてぇのも面白いかも知れません。(私はもちろんコルトレーンに一票!...笑)

COOKIN' / MILES DAVIS
1956年10月26日録音
MILES DAVIS(tp) JOHN COLTRANE(ts)[2-4] RED GARLAND(p) PAUL CHAMBERS(b) OHILLY JOE JONES(ds)

1.MY FUNNY VALENTINE
2.BLUES BY FIVE - false start
3.BLUES BY FIVE
4.AIREGIN
5.TUNE UP - WHEN LIGHTS ARE LOW



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