JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

大人の遊びは遊びが違う

2007年07月02日 | m-o

今日はじつに梅雨らしい一日、こんな日は何日か前の話ではありませんが、窓越しに雨降る街でも眺めながら珈琲でも飲んでいるのが一番でしょう。
しかしながら、そんな優雅な時間を過ごすことなど許されるわけもなく、格差社会の底辺に生きる私としては、夢物語のような世界です。(笑)

それでも、昼食後に少々時間がとれたので、久しぶりに図書館にでもまわってみようかと車を走らせましたが、なっなんと、そんな日に限っての休館日なんです。
「なんだよ~~~せっかく蔵書にあるか確かめたかったのに・・・・・」

先日紹介した「落語 -知れば知るほど-」も読み終わり、昨日ジャズを聴きながら読んでいたのが、田中優子著「芸者と遊び -日本的サロン文化の盛衰」という本でした。
これが、期待以上に面白い。
「『粋』と『意気』が売り物。町のファッションリーダーであり、維新の志士や明治の文豪を魅了した、サロン文化の担い手、芸者の歴史を読み解く。」という、いかにも私好みって感じでしょ。

その「芸者と遊び -日本的サロン文化の盛衰」の中で、「オイ、鬼太郎」じゃなくて、岡鬼太郎(おかおにたろう)の「紅筆草紙」での老妓(年をとった芸妓のこと)の講釈が加わった「老妓物語」の一説が引用されておりました。それを読んで、なんとか岡鬼太郎の「紅筆草紙」も読めないものかと考えたのです。

ところが、この「紅筆草紙」なるもの1913年・大正二年創刊という代物ですから、古書店でも現物を探すのは困難。期待できるとすれば後に発刊になった全集を探すより他ありません。
そこで、じつに少ない期待を胸に図書館へと向かったというわけなのです。

岡鬼太郎は、最近めっきり我が家に訪問いただけない福沢諭吉らとともに、1861(文久)年には幕府の遣欧使節の一員として渡欧し、帰国後は劇評家、劇作家として活躍されたお方です。とか言って、じつは私も良く存じておりませんが。(笑)息子さんは岡鹿太郎という文化勲章も受けた洋画家でいらっしゃいまして、こちらも、友人S君のほうが詳しそうですから、説明は避けます。(笑)もし興味のある方はネットででもお調べ下さい。

それでは、「芸者と遊び -日本的サロン文化の盛衰」で紹介されている一部を

ただ一口に遊びといってしまえば、何んの事はない、懐手(ふところで)をしてブラツカしているのもやっぱり遊びですが、ここでいうのは茶屋小屋遊び、よござんすか、それも暇を潰してお財(たから)を使って、わいわい浮かれて居るばかりが遊びというものじゃありません、そんなのはノタクッて居るだけの話で、いわば死金を落として歩いているようなもの。

ほら、なんだか良いでしょ

今の紳士なんていう輩(てあい)のは、お気の毒だが皆な此(こいつ、こやつ:バカにした言い方)の口なんです、なぁに悪口なものですか、一体当節のお客に、芸妓買という事からして分かっているのは滅多にない・・・芸妓を上げてお財をなくすお客様にも、その芸者買がわからないんだから、遊びなんて事の分かろうはずがありませんや、芸者買とは、芸者を案文(あんもん)して、馴染(なじみ)の女の一人や半分はこしらえる事さ、・・・よしんば一人や半分馴染の女があるからって、不見転(みずてん)を生捕って目尻を下げてさ、(してやったりとデレデレしての意)それがなんの芸者買といいますものか、芸者買というからは芸者を買うんですよ、地獄を買うんじゃありませんよ。

つまりはね、芸者買とは、『性』を買うんじゃなくて、『遊び』を買うんだという・・・それが、大人というものなのでしょうね。カッコイイ!!!
最後に

嫌われなかったらそれで沢山、誰にもいやがられないくらいの人なら、誰かしら惚れるにまきっていまさぁね。

う~~~~ん、真理。この老妓のお話、最後まで読んでみたいんですよねぇ・・・なんとか探そっと。

さて、今日の一枚は、この人ももう少し『大人の遊び方』を知っていれば、長生きが出来たかもしれないリー・モーガンです。(笑)

モーガン二枚目のリーダーアルバムですが、18才の天才トランペッターも曲を書くのは苦手だったのか?それとも彼の曲はアルフレッド・ライオンのお目にかなわなかったのか?
「Compositions and arrangements by BENNY GOLSON and OWEN MARSHALL」
ということになります。(全曲彼のオリジナルになるのは7年後、「THE SIDEWINDER」まで待たなければいけません。)

以後、ベニー・ゴルゾンがモーガンをサポートし続ける要因も、モーガンの作曲力の無さにあった?????
まぁ、凡人にはわかり得ないもっと深い何かがあったのでしょうけどね。

ともかく、やはりゴルゾンが提供した「WHISPER NOT」が聴き所となるのでしょうか。18才の若きトランペッターが、作曲者本人にも表現できないような輝きを、その曲に与えたことは間違いありません。

LEE MORGAN SEXTET
1956年12月2日録音
LEE MORGAN(tp) HANK MOBLEY(ts) KENNY RODGERS(as) HORACE SILVER(p) PAUL CHAMBERS(b) CHARLIE PERSIP(ds)

1.WHISPER NOT
2.LATIN HANGOVER
3.HIS SISTER
4.SLIGHTLY HEP
5.WHERE AM I
6.D'S FINK



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