晴れているうちに散歩にでも出かけようかと思っていると、東京に住む友人SU君から電話がかかってきました。じつは昨晩「同級生たちと横浜で飲んでいる」とわざわざ連絡をよこしていたのでその報告かと思いきや
「今、会社の事務所なんだけど、暇だからバブのブログ見てたのよ。酔っぱらいながら書いてるからしかたないだろうけど誤字があるよ。」
との『ダメ出し電話』
「なに?そのために電話よこしたの?」
「いや、あんまり暇だったから」
って、人のブログのダメ出しする前に仕事しろ!!!!!(笑)
先日の記事「エロより艶?」で、橋下新大阪府知事の橋下を橋本と記載してしまいました。早速、修正をさせていただき、お詫び申し上げます。
SU君、これで良い?
そんなこんなでSU君に邪魔をされたもので(笑)、今日は掃除だけで散歩は中止となってしまいました。
何も午後から行ってくりゃいいだろうって?
いやいや午後からは、昨日言ったように『読書&音楽鑑賞&DVDタイム』が待っていましたから(笑)
ということで、まずは中川ヨウ著『ジャズに生きた女たち』を、「TRANEING IN」「PAGE ONE」「BUT NOT FOR ME」ets.ets. をバックに読んでしまいました。
今月10日が初版ですから、図書館もよくぞ気を利かせて買ってくれたと感謝しています。
リル・ハーディン・アームストロング、ベッシー・スミス、ビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、パノニカ・ド・ケーニグスウォーター(バロネス・パノニカ・ド・ケーニッヒスワルテル、つまりニカ夫人のこと)、アリス・コルトレーン、穐吉敏子(秋吉敏子)という七人のジャズに係わる女性たちを、中川ヨウという女性の目線で追っていく、といった内容で「そういえば、女性を題材としたジャズ本というのも珍しいかもしんない」などと思いながら楽しく読ませていただきました。(難しい表現もなく、一気に読み通せる内容です。)
あたしは九歳のときから、ステージに立ってきたんだよ。そこがサーカスであれ、ぼろぼろのテントであれ、どこでも歌ってきたんだ。客のひわいな冗談には、もっとひわいなジョークと歌で、対抗してやった。
あたしの人生は戦いだった。ひとときの憩いに、ジンを飲んで何が悪い。みんな飲んでいるじゃないか。・・・・・・・
これは、第2章「ブルーズの女帝 ベッシー・スミス」(ここではあえてブルースをブルーズと表記されています。)の一部ですが、各章に中川さんがそれぞれの人物になりきって書かれた一人称の文章が載っています。これが、それぞれの人柄を上手く捉えていて、じつに面白い。
よく、人にいわれます。「あなたのような幸せなジャズ・シンガーは、いないわね。名声、経済的な豊かさ、長寿と、幸せを独り占めしてるみたい」。
言い返さないことにしているんです。暗に、ビリー・ホリデイや前の時代のシンガーたちがもっと苦労したのに、エラは楽してと、非難しているのがわかっても。・・・・・・・(第6章「ファースト・レディ・オブ・ソング エラ・フィッツジェラルド」)
ジョンの場合は、この世の普遍的な哀しみや、それでも失ってはいけない希望を謳っていたのではないでしょうか。その音楽があまりに真実を語りかけてくるものですから、聴いていて神に手をあわせることもありました。
もちろん、ジョンは男性としても魅力的でした。わたしは彼の十一歳年下でしたが、・・・・・・・(第8章「ジョン・コルトレーンの意志をついで アリス・コルトレーン」)
「あたし」と「わたし」と「わたくし」を使い分けてたりして、ひょっとしてビリー・ホリデイも「あたし」って言ったんじゃないか、なんても思いましたが、ニカ夫人は、たしかに「わたくし」って感じですもんねぇ。
話は変わりますけど「日本語の一人称表現は他語に類をみない豊富さを持つ」といいます。同じ一人称でも「あたし」「わたし」「わたくし」ではずいぶんとイメージが違いますものね。
「いいから、ジンをおごりなさいよぉ」なんて場末のバーで飲んでる女に言われたら、「こいつは「わたし」とか「わたくし」じゃねぇよなぁ、「あたし」だよ、間違いない!」みたいな(笑)
昔、『前略おふくろ様』ってドラマがあったじゃないですか、あん時のお嬢様、かすみちゃんの坂口良子は「わたし」でしょ、だけど海ちゃんの桃井かおりは「あたし」でしょう。
ちなみに私は「わたし」より「あたし」が好みだったりして・・・(そんなこと、誰も訊いちゃいない!)
おっと、またまた話がずれてしまいました。
ともかく、ジャズに生きた女たちを女性であるが故に一人称で語った、なかなか他にはない面白いジャズ本に仕上がっていると思います。機会があればお読みになってみて下さい。
今晩は、ナット・キング・コール & トリオの1950年~52年、1951年のサラ・ヴォーン、1950年のハーブ・ジェフリーズの映像と歌をDVDで楽しむ予定です。バーボンもタップリ残ってますしね。
さて、今日の一枚は『ジャズに生きた女たち』に紹介された誰かにしようとは思ったのですが、リル・ハーディン・アームストロングはつい先日サッチモを紹介したばかりですし、ベッシー・スミスは「ブルース話」をしたばかりでしょ、ニカ夫人は、またまたモンクかバードみたいになっちゃうし、秋吉敏子はもう所有盤が残ってない、アリス・コルトレーンもちょっとねぇ・・・・やっぱり、ビリー・ホリデイかエラ・フィッツジェラルドということで、『ジャズに生きた女たち』の中でも紹介されていた、エラのこのアルバムにしました。
1946年から55年までの録音を集めたアルバムで、いろんなバックで歌う絶頂期のエラを楽しめる一枚になっています。
「LULLABY OF BIRDLAND」は、私的にはクリフォード・ブラウンの音が聴けるサラ・ボーンに一票を上げたいところですが、ここでのエラもそりゃもう素晴らしいし。
それから「OH, LADY BE GOOD」や「AIR MAIL SPECIAL」でのスキャットなんていかにもエラらしくて良いけど他の曲のスキャットもたまんないしなぁ。「HOW HIGH THE MOON」もやっぱり捨てがたいでしょ、「BASIN STERRT BLUES」も好きなんだよなぁ・・・・・・・
つまり、全曲よろしいお得盤です。
LULLABIES OF BIRDLAND / ELLA FITZGERALD
1946~1955年録音
ELLA FITZGERALD(vo)
SY OLIVER ORCHESTRA, BOB HAGGART ORCHESTRA, RAY CHARLES SINGERS, RAY BROWN QUARTET 他
1.LULLABY OF BIRDLAND
2.ROUGH RIDIN'
3.ANGEL EYES
4.SMOOTH SAILING
5.OH, LADY BE GOOD
6.LATER
7.ELLA HUMS THE BLUES
8.HOW HIGH THE MOON
9.BASIN STERRT BLUES
10.AIR MAIL SPECIAL
11.FLYING HOME
追伸、
『ジャズに生きた女たち』は、あわせてオムニバスCDも発売になっているようです。中山ヨウさんのこちらのホームページをご参照下さい。
なお、今日紹介した書籍『ジャズに生きた女たち』の内容も一部同じホームページで公開になっておりますので、興味のある方はお読みになってみてください。
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