JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

「竹に旬」いただきます。

2008年04月24日 | m-o

母に蹤き筍流しこそばゆし 岸田稚魚

突然ですが、みなさんは『筍流し』という季語をご存じでしょうか?
「筍を細く切って、戸井に水といっしょに流しながら・・・・・」
オイオイ
『流し』とはそもそも雨を伴う夏の南風のことをいうのだそうですが、ここでは筍の出るころに吹く柔らかく湿気を含んだ南風のことなんだそうで、じつに風流な季語であります。
昨日はこのあたりにもそんな『筍流し』が吹いていたのか帰宅すると
「今日は筍ご飯だから休肝日ね」
ありがたいですねぇ筍ご飯は私の大好物「へえへえ、喜んで休肝日にいたしますとも。」
ところが、そんな日に限ってS君から連絡が入るんですねぇ
「メールが送れないんだけど、どうしてだぁ????」
結局はS君の事務所へ出かけ・・・・・・
なっなんと、メール・アドレスとホームページ・アドレスを間違えていたというまさかの理由で筍ご飯は今朝いただくことになってしまったのでありました。

竹かんむりに旬、「旬」など何処かへ行ってしまった昨今、筍だけはまさにその字のごとく「旬」を貫く強者の一つですよね。
一度地物が出まわり始めれば一気に旬を迎え、毎年の事ながら我が家へも食べきれないほどの筍が集まるでしょう。楽しみ楽しみ。
あの独特の香りが春を実感させ、力強い生命力を与えてくれます。

ひそけさを絵のごとく脱ぐ竹の皮  落合水尾

反面、何枚もの皮で包まれた筍は大切に大切に守られている優しさも感じ取れますよね。
いずれ立派な竹になるため守られた生命力、それをいただくわけですから、存分に味わってあげないとかわいそうです。


今晩は若竹煮、これは一杯いただけますよね

さて、今日の一枚は、ジェリー・マリガンです。
我が愚息が生まれて間もない頃、アパート住まいだったこともあって、自宅でのレコード鑑賞は容易にかないませんでした。特にジャズとなると愚妻はしかめっ面、コルトレーンなど「以ての外のコンコンチキ」(なんじゃそりゃ?)でありました。
ところが、唯一(正確には唯二)、マリガンの「NIGHT LIGHTS」とこのアルバムだけは文句を言われなかったんですよ・・・・どうしてだろう?
あの頃はまだ、我が晩酌に付き合う優しさも、だれかさんにはあったし「ほら、ウイスキーに合うだろこのアルバム」てなこと言っても、素直に聞いてくれていたのかもしれませんねぇ・・・シクシク(なんで泣いてんだか....笑)

たしかに、一杯飲んでいるときにこのアルバムはじつに心地よいわけで、マリガンのバリトンもさることながら、アート・ファーマーのトランペットに思わず「あま~~~い」と声が出そう。

そういえば、村上春樹が『Portrait in Jazz』のマリガンの章で紹介していたのはこのアルバムだったですよね。彼も「疲れたハードな一日の終わりには、僕はシングル・モルトを小さなグラスに注ぎ、このアルバムをターンテーブルに載せたい」と綴っておりましたが、同感であります(私はバーボンでもいいけど...笑)。

同じ村上春樹が訳したベースのビル・クロウ著『さよならバードランド』のなかでも、このアルバムの録音時のエピソードが書かれていましたっけ、「WHAT IS THERE TO SAY」は自宅で煮詰まったマリガンが、クロウのアパートに来てこれを書き上げたとかいろいろ。

ともかく、このアルバムを聴きながら一杯やって、今日の疲れをときほぐす、そんなんもアリじゃないですか。つまみはもちろん「若竹煮」だよ~~~ん。

WHAT IS THERE TO SAY ? / GERRY MULLIGAN
1958年12月17,23日1959年1月15日録音
GERRY MULLIGAN(bs) ART FARMER(tp) BILL CROW(b) DAVE BAILEY(ds)

1.WHAT IS THERE TO SAY
2.JUST IN TIME
3.NEWS FROM BLUEPORT
4.FESTIVE MINOR
5.AS CATCH CAN
6.MY FUNNY VALENTINE
7.BLUE PORT
8.UTTER CHAOS

おまけ、

この盤は、始め国内ステレオ盤で所有していました。その後モノラル盤をとある方からいただきましてね、聴き比べたんですよ・・・・・
手にしたから言うわけじゃありませんよ(笑)モノラル盤のほうが数段良いように思っています。



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