JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

ブン、ブーン、ブァ~ン

2015年05月05日 | d-f

今日は朝から曇り空、雨戸を開けた時には夕べ遅くに降った雨がかすかに道路を濡らしていました。
まぁまぁ、今は青空が広がって、道路も乾いちゃいましたけど、風が心地よい気がします。

さても、そんな心地よい静かな休日には、レコードをかけながらの読書てぇもんが一番なんでありますが、なにぶん新刊を買う金が無い(飲む金はあっても?)
ともかく、古い本を引っ張り出して読むのも、それはそれで良いものです。

てなことで、今日引っ張り出したのが五木寛之の『さらばモスクワ愚連隊』であります。

  ♪月見草 いいえそげんな花じゃなか
   あれはセイタカアワダチソウ
    信ちゃん 信介しゃん 
    うちは一人になりました 明日は小倉の夜の蝶
    そうやけん 抱いてくれんね 信介しゃん 
    どうせ汚れてしまうけん
    織江も大人になりました ・・・・・ ♪

高校生の頃、我が友人の一部では『青春の門』が大流行で、全巻制覇に燃えておりましたが、「流行は嫌いだ!」と粋がっていた私は、あえて『青春の門』を避け、ジャズ小説と言われた処女作『さらばモスクワ愚連隊』『青年は荒野を目指す』を読んだのでした。

 ♪ひとりで行くんだ 幸せに背を向けて
  さらば恋人よ なつかしい歌よ友よ
  いま う~~ 青春の河を越え
  青年は 青年は荒野を目指す・・・・♪

ある日、その友人が
「どうして五木寛之をバブは読まないんかねぇ?」
と訊くのです。すると
「いや、読まないわけじゃ無い『さらばモスクワ愚連隊』も『青年は荒野を目指す』読んだけど、五木寛之のジャズはどうにも古くさい」
と私は宣ったのでありました。
ジャズのジャの字も知らぬ若造が、よくもまぁ言ったものです。
結局その後、『夜明けのラグタイム』『海を見ていたジョニー』も、もちろん『青春の門』も読むことになるんですがね。

以前チラッと紹介したマイク・モラスキー著『戦後日本のジャズ文化』でも、五木寛之の一連の作品を考察されておりましたが、こういった評を読み、さらには年齢を重ねた私が、私が最も嫌う頭でっかちのジャズ評論家のごとくならずに『さらばモスクワ愚連隊』を読み終えられるのか?

「ん~~~~どうでしょう?いわゆるブンやブーンじゃなくブァ~ンといくか・・・・いやその前に、この衰えた目が最後まで活字を追えるかでありますなぁ」

さて、今日の一枚は、読書のお供として聴いていたエバンスです。

おやおや、ビックリものです、このアルバムを私は単独紹介していなかったようです。
もちろん同日録音の誰もが知る「WALTZ FOR DEBBY」は、あたりまえのごとく紹介していますし、この日のライブ5セット23テイクをCD化した「THE COMPLETE LIVE AT THE VILLAGE VANGUARD 1961」も紹介しています。
つまりはそれでこのアルバムも紹介していたという気になっていたのかもしれません。

1961年6月25日日曜日、ヴィレッジヴァンガードで行われたエバンス・トリオ二週間公演の最終日、リヴァーサイドのオリン・キープニュースプロデュースのもと、それは録音されました。

この録音には、ちょっと「ヘェ~~~」的、成功の秘密が二つあったそうで、第一は当時のレコーディング・スタッフであったレイ・ファウラーが、たまたま休暇中か何かで、代わりに2トラック時代の生録では第一人者だったデイブ・ジョーンズが担当したため、ライブであったこのレコーディングに適していたということ。
そしてもう一つが衝撃的というか、「ほんとかいな」と思うんですが、この時のピアノが調律されていた事だって言うんですね。
「えっ?ふつう調律されているだろう」
と思うじゃないですか。それがこの時までエバンスはきちんと調律されたピアノでの録音がほとんど無かったってんですよ。
つまりあの「KIND OF BLUE」でさえ、きちんとした調律はされていなかったという・・・嘘みたいでしょ(笑)

ともかく、そんな秘密が有りーので、「WALTZ FOR DEBBY」このアルバム、二つの名盤が世に出たのでありました。

SUNDAY AT THE VILLAGE VANGUARD / BILL EVANS
1961年6月25日録音
BILL EVANS(p) SCOTT LAFARO(b) PAUL MOTIAN(ds)

1.GLORIA'S STEP
2.MY MAN'S GONE NOW
3.SOLAR
4.ALICE IN WONDERLAND
5.ALL OF YOU
6.JADE VISIONS



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