JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

秋の酒

2016年09月13日 | d-f

秋雨前線がもたらした雨が朝から降り続け、気温も一段階低くなりました。あとは天高き秋の空を期待するばかりであります。

そんな秋の夜長を癒やしてくれるのは、やはり酒ですかね

「いよいよ酒が美味い季節だねぇ」

まぁまぁ、「アンタの場合、年中『美味い季節』だろ」と言われりぁ、もちろん反論はござんせんよ。

  白玉の歯にしみとおる秋の夜の
     酒は静かに呑むべかりけり

牧水じゃありませんが、秋の酒は、秋の味覚を楽しみながらパッと騒ぐ宴会もよろしいですけど、静かに独り酒てぇのが合うように思いますねぇ
そして、不思議と独り酒でも酒量が進むんですなぁ
「アンタはいつでも進む」
だから、そうじゃなくてあくまで一般論ね、一般論としてそうは思い・ま・せん・か?と

ちょっとした肴をつまみながら、手酌で酒を流し込みますてぇと
「クゥ~~うめぇ」
って感じじゃ無いんですよ、秋の酒は
ス~~っと喉を通っていくというか、己の心を相手に静かに呑む酒がジワジワと旨味を増すとでも申しましょうかね
牧水とまではいかなくとも、ちょっとした歌人や詩人になったりして・・・

「秋の酒ってぇのは、そういうもんよ。」

と、
・・・・・分かったようなことを言っとりますが、私はやはり凡人なんでしょうな、歌人にも詩人にもなれず、量が進めば「行く末を静かに考え・・・」なんてぇこたぁ何処の空(秋の空?)
「秋もへったくれもあるもんかい」
てんで、ただ呑むに徹して終わるんであります。

  どす黒い腹にしみとおる秋の夜の
       酒は春夏冬と変わりなし

お粗末。

さて、今日の一枚は、超久々のマイルスです。

根っからのマイルスファンとは言い難い私ですから、このアムステルダムでの録音盤を是が非でも欲しいと思ったことはありません。
というか、探すにも「見かけたことが無かった」つまり、聴いたこともほとんど無かった一枚です。

それが時代は進みCD化され、「今回は、たいへんお買い求め安くなっとります。」てなテレビショップ感覚で買えるようになると、一応は手にしてみようみたいな感じで手元にあるアルバムです。
(というか、私はネットでダウンロードしたんで、所有盤というのは、ちとはばかられるのですが)

1957年暮れのヨーロッパ、マイルスと聞けば、当然のごとく『ASCENSEUR POUR L'ECHAFAUD 死刑台のエレベーター』と、こうなるわけですが
かの録音が、12月4,5日録音、今日のアルバムが同年月8日、つまり三日後の同一メンバーによるセッションというわけです。

ということは、『死刑台のエレベーター』的、緊張感のあるマイルスに期待してしまいます。
が、しかぁ~し、
その流れでこのアルバムを聴くと完全に期待を裏切られる感は歪めません。
それは、モノラルだから、録音状況が、てな事では無く、普通(?)だからです。普通のジャズ演奏です。
「それの何処が悪いんじゃ~~い!」
と、ツッコまれますと困るんですけど
「同時期なら、キャノンボール、コルトレーン、ガーランド、ポルチェン、フィリージョーの方がエエんちゃう」
と、そう思うのはしごく当然だと・・・
まぁまぁまぁまぁ、素直に『死刑台のエレベーター』でのマイルスが、それだけ素晴らしいという裏返しだと思って、私の言い分も聞いてくださいな。

なんかイヤミですけど、マイルスだからハードルが上がるだけで、普通のジャズとしてはけして悪くない演奏だとは思います。

AMSTERDAM CONCERT / MILES DAVIS
1957年12月8日録音
MILES DAVIS(tp) BARNEY WILEN(ts) RENE URTREGER(p) PIERRE MICHELOT(b) KENNY CLARKE(ds)

1.WOODY'N YOU
2.BAGS' GROOVE
3.WHAT'S NEW ?
4.BUT NOT FOR ME
5.A NIGHT IN TUNISIA
6.FOUR
7.WALKIN'
8.WELL YOU NEEDN'T
9.'ROUND ABOUT MIDNIGHT
10.LADY BIRD