JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

葡萄色

2015年05月12日 | g-i

いよいよ台風接近でありますか、このあたりの最接近時には温帯低気圧に変わっているという予報ではありますが、老朽化はもとより、あの震災でガタが来ている我が家ですから、強い雨風には不安を感じます。

「こんな季節なんだねぇ」
「なんだい窓を開けたとたん急に」
「だってほら、栗の花の香りじゃないか・・・あらまやだよぉ風に乗ってきたのかと思ったら・・」
振り向けば季節外れのまつた・・・・

ん、んんん、そんな話はどうでもいいんでありまして、
昨晩、今年初めて栗の花の臭いを感じました。この臭いの好き嫌いはじつにはっきりしているそうですが、私は季節を感じる一つの香りとしてとらえています。
「桜に酔ったのがついこの前のような気がするんだけどねぇ」



 

気が付けば庭のテッセンもツツジも満開になっておりました。晩春から初夏へと季節は巡り、もうすぐあの鬱陶しい梅雨がやって来るんですよね。
「そんでもってアっという間に今年も終わるんだ。」
「はいはい」

今日はじつに品の無い出だしでしたが、こんな時は内容もなんとなく品に欠けるものへとなってまいります。

先日のこと
「バブさん見て、この前んとこ、ぶんずになっちゃった。」
O嬢が何をおっしゃっているか、皆さんはおわかりになるでしょうか?
分からない方に簡単な説明をしますてぇと
O嬢は車のドアを強く足のすねあたりにぶつけられまして「数日経ったら青あざが出来てしまった」とこうおっしゃってるわけです。

「おいおい、久々に聞いたねぇ『ぶんず色』」
すると
「えっ?『ぶんず色』って、共通語でしょ????ほら『あかね色』とかなんとか、昔から日本にあるいろいろ色の表現ってヤツ」
「いや、『ぶんず色』は、たぶん方言だと思うよ」
「うっそだぁ~~!」
こういう時はネットですよね。すぐさま調べると
 ぶんずいろ (福島の方言)山ぶどう色
と出てきました。
「ほれみろ」

 

ここまでですと話も「品を欠く」までいかんのですが・・

その会話を聞いていたK君が
「バブさん、『どどめ色』も方言ですかねぇ?ネットで調べてみましょうか。」
と、話に割り込んできました。それも完全な悪意を込めて。
「んなもん、調べるまでも無い」

そもそも『どどめ色』の『どどめ』とは、桑の実をさす関東近辺の方言であり、つまるところ元々の意味は『ぶんず色』とほとんど差の無い色のことであります。
それが、いつ頃からでしょう、「使い込んだ○○や××の色」みたいなイメージが浸透しています。(その意味では全国区なのかなぁ?)
K君が突っ込みたいのはそのあたりなんでしょうが・・・

「つまりだ、桑の実をつぶした色、分かるかなぁ、桑の実を食べたことない?そん時に唇や舌なんかに残る色を本来『どどめ色』って言うわけだわさ。Kが言わせたいゲスな色じゃないの!」
「ふ~~ん、でも、バブさんがそれを知っているということは、昔、違う意味で興味を持って調べたんじゃないですかぁ?」
「うるさい!」

『ぶんず色』も『どどめ色』も、響きが今一つなんでしょうねぇ、『えび色』や『ぶどう色』の方が聞こえがいいもんねぇ・・・でもほんとは全部同じような色なんですよ。
ちなみに『えび色』も『ぶどう色』も漢字では『葡萄色』と書きます。
そこで、
「『ぶんず色』も『どどめ色』も漢字変換では『葡萄色』としたらどうでしょうか?」

さて、今日の一枚は、ハーブ・ゲラーです。
ケニー・ドーハム、ハロルド・ランドと強力なフロントを引き連れてという一枚です。

「ここではとくにドーハムの存在が大きくて、一見してとくにたいしたこともやっていないのに、この人が一人いるだけで場の空気が、面白いくらいぴりっと黒っぽいジャズになってしまう。ドーハムという人にはもともと、そういう音楽的な人徳があるみたいだ。野球で言えば味のあるうまい二塁手。何気ない送球・捕球がツウをうならせる。」


と、村上春樹が『ポートレイト・イン・ジャズ』で評したのが、2曲目「JITTERBUG WALTZ」でありますが、「どっこいゲラーが頑張ってる。」と評するのが私であります。(笑)

ゲラーのアルトがじつに爽快とでも言いましょうか、気持ちエエんですよ。もちろんドーハムもハロルドもね。
まぁまぁウエストのゲラーがイーストのドーハムとレイ・ブラウン呼んで「王道のハード・バップ」てな一枚ですかね。

FIRE IN THE WEST / HERB GELLER
1957年3月14日録音
KENNY DORHAM(tp) HERB GELLER(as) HAROLD LAND(ts) LOU LEVY(p) RAY BROWN(b) LAWRENCE MARABLE(ds)

1.S'PACIFIC VIEW
2.JITTERBUG WALTZ
3.THE FRUIT
4.HERE'S WHAT I'M HERE FOR
5.MARABLE EYES
6.AN AIR FOR THE HEIR
7.MELROSE AND SAM