JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

記憶力と蓄積力におびえ

2010年02月11日 | d-f

しかしまぁ一昨日のあの暖かさは何だったのでしょうか?
「その前の寒さよりはマシだから」
と自分に言い聞かせながらも、この気温のギャップは身に応えます。
「一寒六温が二寒五温、三寒四温となり、春がやってくるんだよ」
そういうことですね。
それにしても、また雪かい?


昨日、毎年恒例第一生命の『サラリーマン川柳百選』が発表になりました。毎年の事ながら傑作揃いで驚かされます。ほんと皆さんお上手でありますねぇ。

 「離さない!」 10年経つと 話さない

おそらくは大恋愛であったのでしょうねぇ

 癒し系 結婚したら 嫌み系

まっ、自分にも非はあるにしても、おおむねこんなもんですわな。

 くじ運は 悪い方だと 妻を見る

ついつい態度に出るんでありますが、『お・ん・な』なる者、そういった態度に過剰なほど敏感なものですから、注意なさった方がいい。社交辞令に妻のそしりは禁物であります。
しかも、その反応がすぐに返ってくるわけじゃないからやっかいで、言った本人はすでに忘れている頃に「あなたはね、○○なんて事も言ったんだからね!やったんだからね!」って、その手の記憶力と蓄積力は男の比ではありませんから。(笑)
さらには

 許される 仏は三度 妻一度

「今回だけは許してもらった」てな浅はかな考えはけしてするもんじゃありません。なんといっても並外れた記憶力と蓄積力ですから。

 おかえりと 笑顔で言われ 身構える

怖いですねぇ、恐ろしいですねぇ、ホラーですねぇ、このあとこの方はどれほどの恐怖を体験されたのでありましょうか?想像するだけで・・・・・・ほら、ブルブルって。(笑)

結論を言いますってぇと、我が腹に溜まったこの膨大な脂肪以上に、奥様の心にはいろんな物が溜まるらしくて、しかも、良いものは除くというじつにやっかいな記憶力と蓄積力がそれを支配しているわけですな、いずれ目の前の飴なんかじゃごまかさられるもんじゃござんせん。
いやいや、もちろん原因が夫がわに無いとは申しませんよ。申しませんが、せめてチッチャイ事は忘れていただくという寛容さがあってもねぇ、ええんじゃないかと。

 溜めるなら 不満よりも 金にしろ

と言えば

 現金化 出来たら良いのに その脂肪
(この二作は『サラリーマン川柳 百選』ではありません。自作です。笑)

「ああ言えばこう言う」世界に陥るんでありまして、しかも妻という生きものは、口論でかなう相手じゃありませんから

 一言が 足りない俺に 多い妻

となって、最初の川柳に戻るわけですね。

ともかく、今年も皆さんの傑作に、感心もし、共感もし、笑わせてもいただきました。どの作品がベスト10に選ばれるのか、じつに楽しみです。
(他の作品を読みたい、投票したい、という方はこちらからどうぞ)

さて、今日の一枚は、あら珍しデューク・エリントンです。

先日、とある方と「なんの楽器が好きか」てなありがちな話になりまして、私は迷わずサックスと答えたのですが、その方はベースだとおっしゃるので、
「私もベースは好きな楽器ですねぇ、ウッド・ベースを弓弾きなんかされるとゾクゾクきます。」
なんてね。

その方が好きだというベースマンが、これまた渋いんでありまして、ジミー・ブラントンだとおっしゃる。
(「あ~~こりゃ、私とは聴いている時代が違うな」)
と思いつつも、
「ジミー・ブラントンですかぁ、なるほどあの方がいなけりゃ私の好きなベースマンの存在もなかったかもしれませんもんねぇ」
なんて、話を合わせてきてしまいました。

正直、ジミー・ブラントンが、ジャズに於けるベースのあり方を根本から覆し、評論家バリー・ウラノフに「モダン・ジャズを想像した四人の男の一人」とまで言わしめたベースマンであることは知っていても、実際の演奏を聴いたかと問われれば、ほぼ聴いていないに等しいわけでして。
しかも23才という若さで亡くなったのが1942年ですからねぇ、なかなか私のリスニング範疇には入ってこないのもしかたがないってなもんですよ。(一説には1921年生まれという説もあるし、亡くなったのも1941年だなんて説もあるそうです。)

前ぶりがあいかわらず長いですねぇ、(笑)
昨日、その方から「これを聴け」とばかりに、エリントン楽団の「AT HIS VERY BEST」を録音したCDをいただきまして、先ほど聴いていました。
なるほど、エリントンがセントルイスで見つけた二十歳そこそこの若者を、「こりゃ拾いもんだ」と喜んだのがよくわかります。

なら、「AT HIS VERY BEST」を紹介すりゃいいだろうって話なんですけど、我が持ち物でもないので、今日はこのアルバムにしました。

一般的にモダン・ベースの開祖とされるのは、オスカー・ペティフォードとこのレイ・ブラウンでありますが、そのレイ・ブラウンが祖の祖であるジミー・ブラントンに贈ったトリビュート・アルバムです。もちろんお相手はエリントン意外には考えられなかったんでしょうね。

それにしても、そのブラウンもさることながら、エリントンというお方は、凄いお方なんだと思わず唸ってしまうアルバムでもあります。
ベースとピアノだけですよ、それでこれほどにリスナーを楽しませてくれる、エリントンがジャズメン誰にとってもヒーローであることは、疑いようのない事実です。

THIS ONE'S FOR BLANTON / DUKE ELLINGTON,  RAY BROWN
Dec. 5 1972年12月5日録音
DUKE ELLINGTON(p) RAY BROWN(b)

1.DO NOTHIN' TILL YOU HEAR FROM ME
2.PITTER PQNTHER PATTER
3.THINGS AIN'T WHAT THEY USED TO BE
4.SOPHISITICATED LADY
5.SEE SEE RIDER
6.FRAGMENTED SUITE FOR PIANO AND BASE
  FIRST MOVEMENT
  SECOND MOVEMENT
  THIRD MOVEMENT
  FOURTH MOVEMENT