社会の荒廃 研究室(蜻蛉の眼鏡)

国連の女子差別撤廃条約に基づく男女共同参画を強行する女性独裁権力(フェミニズム)の社会病理に言及、コメント欄も充実。

時の流れは真犯人の存在まで揺るがせる --和歌山毒物カレー事件最高裁判決--

2009-04-22 21:41:05 | 事件、事故

 和歌山カレー毒物混入事件の林真須美被告に最高裁でも死刑が言い渡された。当然の判決と思える一方で、意外にも恣意的とも思える冤罪論が飛び交っている。これも被告が女だからというフェミニズムの圧力なのだろうか。

 この事件は、平成10年7月25日、和歌山市園部の自治会主催の夏祭りで出されたカレーに砒素が混入され、自治会長=当時(64)、副会長=同(53)、男子小学生=同(10)、女子高校生=同(16)=の4人が死亡、63人が急性砒素中毒となったもの。和歌山県警は同年10月4日、別の殺人未遂容疑などで、林真須美被告を逮捕。12月9日にはカレー事件の殺人、殺人未遂容疑で再逮捕した。

・真須美被告の上告棄却、死刑確定へ 和歌山カレー事件 2009/04/21 15:04
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/245359/

 当時の報道では、林被告が以前にも夫と共謀して幾つもの保険金詐欺を行っていたことなどから林被告が当初から怪しいとされ、また砒素を混入されたカレー鍋の前に1人だけで居た状況にあったのは林被告だけであること、更に混入された砒素と同種の砒素を林被告が所有していたことなどから、犯人は林被告で間違いないというものだった。

 ところが、11年もの歳月の間に、人々の記憶も薄れ、何か林被告が真犯人かどうか疑わせるために世間を撹乱する報道や世論などが飛び交うようになった。

 中でも目立つ主張が「状況証拠しかない」というものだ。では彼らに言わせれば状況証拠はあてにならないのだろうか。ならば状況証拠を集める意味がなくなってしまう。しかも今回は1000を超える状況証拠だ。一概に数だけで判断は出来ないだろうが、物的証拠が1つだけで状況証拠がゼロという場合と比べて、どちらが信憑性が高いと言えるだろうか。しかも、混入された砒素と同種の砒素を林被告が所有していたことは凶器の発見と同じで物的証拠に値するのではないだろうか。実際そう評する識者もいる。

 目立つ主張は他にも「疑わしきは罰せず」というものがある。しかし今回の判決が「疑わしき」に該当するだろうか。1000を超える状況証拠が何よりも被告を黒と判断するに何ら問題はないはずだ。

 そしてもう1つは「被告が否認している以上死刑にすべきでない」というものだ。これも詭弁というか、それを通してしまったら、否認し続ければ無罪を勝ち取れるということになってしまう。つまり嘘を最後までつき通せる心臓に毛が生えたような者だけが得をするという社会になってしまうではないか。しかも林被告は一審では黙秘を貫き、二審から一転して無実を主張するようになったのだ。否認するなら、何故一審でも否認しなかったのか。どうも一審の判決を確認してから以後どういう行動に出るか、逮捕時から綿密に策略を立てていたように思えてならない。

 私は、林被告の言動は子供の嘘つきと同程度にしか感じられない。例えば子供が硝子を割ってしまって、母親から責められて「私じゃない、やってない、やってない」と駄々をこねているのと同じようなものだ。今回の判決に異議を唱える者は、「林被告は絶対に真実を述べている」ということを大前提にしていることになる。嘘が平然とまかり通る世の中、フェミニズムの女性優遇社会と相通ずるものを感じてしまう。異議を唱える者はフェミニズムに都合良く便乗するずるい女が中心なのだろうか。

 そこまで異議を唱えるのなら、何故前回の論考で取り上げた「御殿場事件」や以前の豊川幼児殺害事件でも同じことを主張しなかったのか。「御殿場事件」は不審点だらけ、豊川幼児殺害事件では一旦は無罪判決が出ている。何れもカレー事件よりもよっぽど冤罪の可能性が高いものだ。

 それに、今回異議を唱えた者は、つい最近容疑者が逮捕された舞鶴女子高生殺害事件でも同様の主張をするだろうか。恐らく主張する者は極めて少ないだろう。

 結局、異議を唱えている者達は、「女だから甘くしろ」と言いたいだけなのではないだろうか。もしこの事件の被告が男だったら論調は変わっていたと考える人は多いと思う。それよりも男だったらとうの昔に白状しているのではないだろうか。ここまで嘘がつけるのは強かな女の特技と言えるだろう。またそんな女を擁護する連中も同様に強かなのではないだろうか。更に擁護連中は男女問わず存在するところが厄介だ。
 
<参考>
・和歌山カレー事件 真須美被告の罪は? 最高裁認定事実要旨 2009/04/21 16:31
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/245349/

 最高裁判決が林真須美被告の犯罪事実として認定した要旨は次の通り。

 【毒物カレー事件】平成10年7月25日、夏祭りのカレー鍋の中にヒ素を混入。カレーを食べた住民4人を殺害し、63人を急性ヒ素中毒にさせた。(殺人・殺人未遂罪)

 【ヒ素入りくず湯事件】死亡保険金などの取得目的で9年2月、夫にヒ素を混入したくず湯を食べさせた。(殺人未遂罪)

 【ヒ素入り牛丼事件】死亡保険金などの取得目的で9年9月、知人男性にヒ素入り牛丼を食べさせ入院給付金をだまし取った。(殺人未遂・詐欺罪)

 【ヒ素入りうどん事件】死亡保険金などの取得目的で10年3月、知人男性にヒ素入りうどんを食べさせた。(殺人未遂罪)

 【保険金詐欺の3事件】夫と共謀し5~9年、被告のやけどや夫の骨折の原因、障害の程度を偽り、高度障害保険金など総額約1億6000万円を詐取した。(詐欺罪)

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
まだ安心でしょうか (尊野ジョーイ)
2009-04-23 09:39:13
 久しぶりです。

 今回、死刑判決が出ただけでも、まだ、司法は健全であるということになるのでしょうか。
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推定無罪 (am)
2009-04-25 20:47:12
状況証拠はいくら集めても状況証拠です。
0をいくら積み重ねても0は0です。
返信する
国家体制の腐敗 (蜻蛉(管理人))
2009-04-29 10:32:19
>今回、死刑判決が出ただけでも、まだ、司法は健全であるということになるのでしょうか。

他の事件の判例などを見れば、決してそんなことはないでしょう。むしろ、司法はじめあらゆる機関はフェミニズムやその他の権力により牛耳られていることに変わりはないと思います。

この事件については、強引に冤罪などに結び付けて処理しても、権力側にとってメリットがないと判断したということではないでしょうか。

今後の予測としては、フェミに配慮して、死刑執行は行わず、実質終身刑という結果になるように思います。

国家体制そのものが腐敗していると思います。
返信する
Unknown ()
2009-05-04 09:09:40
これが男だったら確実に死刑でしょうね。
幼児を2人虐殺した畠山鈴香死刑じゃないのも
驚きです。女にどこまで甘いんですかね日本社会は。
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Unknown (蜻蛉(管理人))
2009-05-15 21:31:47
そうですね、男なら状況証拠だけという強調もしないでしょう。それどころか、とことん嘘をつき通すふてぶてしい奴だといった報道姿勢になっていたと思います。
返信する
傷害致死か警察のミス隠蔽か ()
2012-02-28 09:24:50
私が考えるに、林真須美死刑囚は実際にヒ素を投入していると思います。
しかし、殺そうと言う明確な意思があったとは思いません。
なぜかと言うと、保健所や病院が食中毒を疑ってそのための治療をしている時に、匿名の女から「薬物による中毒だ」と言う電話が入ったのです。
そこで警察がカレーを調べたら、青酸成分が見つかって、すぐに病院に連絡します。ところが青酸と言うのは警察のミスでした。
青酸と言うのはカレーに入れたジャガイモに微量に含まれるものだったのです。
病院や保健所では食中毒から青酸中毒の治療に切り替えます。
ところが、急性ヒ素中毒に対して青酸中毒の治療は事態を悪化させることになったらしいのです。
青酸中毒の場合、亜硝酸ナトリウムを投与して、シアンと結び付け、尿で排出させると言う治療を施すのですが、ヒ素中毒では腎臓が破壊されていますから、役に立ちません。
それどころか、早くシアンを排出させるために利尿剤も一緒に投与しますから、容体を悪くする方向に行きます。
死因はヒ素であったとしても、死を早めたのは警察であったかもしれません。
初めからヒ素中毒の治療をしていれば死者は一人も出なかったか、もっと少なかった可能性もあると思います。
真須美は自分がヒ素を入れた事を認めたくないので、当日、自分が保健所に電話したことも言いません。
警察は自分たちの責任を隠ぺいするために、真須美が言わないことをいいことに、マスコミを総動員して真須美悪女伝説を作り上げ死刑判決に結びつけたのだと思います。
http://www5f.biglobe.ne.jp/iyatsue/wakayama.htm
【和歌山市の毒物カレー事件で、急性ヒ素中毒の初期治療に不備があったなどとして、鳥居幸さん(当時16歳)の遺族が保健所を設置する市と日赤和歌山医療センターを開設する日本赤十字社(東京都)に慰謝料など計5000万円を、元自治会長の谷中孝寿さん(同64歳)の遺族が市に1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2日、和歌山地裁であった。礒尾正裁判長は、鳥居さん側の主張を一部認め、日赤病院側に200万円の支払いを命じた。】
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隠蔽・捏造の日本 (バルログ)
2012-03-01 23:51:44
林真須美死刑囚に関して調べれば警察の捏造の可能性が出て来ます。

そもそも状況証拠と言う物自体が証拠にはならない。

状況証拠ほど都合の良い証拠もありません。
状況証拠とは警察の都合次第で簡単に誰でも犯人に出来る代物です。

憲法に「何人も証拠なしに・・・云々」と書かれていますが、状況証拠と書かれていない。


日本の公務員は法律を捻じ曲げ拡大解釈したり、逆に法律に書いてあるのに様々な理由をつけ法律を無視する。

福島原発事故で食品の安全基準が変わりましたが、法律は変えてません。

暫定措置と言う言い訳をしてますが、通常暫定措置ではなく非常事態宣言です。

ならば法律に非常事態の項目を設ける必要があるのにも関わらず、相変わらず法を無視し、食品の安全基準を引き下げたままです。

今の日本に一番大切な事は、法を曖昧なまま放置せず、事細かく設定する事と、遵法精神を育成する事が急務です。

日本の公務員は組織や公務員を守る為に平気で隠蔽工作を行います。
法の執行者が法律を破るのです。

日本の公務員は犯罪者を裁く資格はありません。
日本の公務員自身が犯罪者なのですから。



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